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つないで、つながれて
ほどいて、むすばれて
そうしてせかいは
■■■■■■
ゆっくりと浮上する意識
重たい瞼をゆっくり開けると天井に、灯の明りが揺らいでいるのが見えた
灯が灯っていると言う事は既に刻限は夕方か夜、暖かい布団をかけられ、手には誰かの手の感触があった
目でその先を見ると、成実が手を握って胡座をかいて寝ている
成実さん、と声をかけようと身体を動かすと、ずきん、と脇腹が痛み声がでた
「うっ、」
と声をあげると成実がバッと顔を上げて、凪が目を覚ましたからか一瞬顔を歪め泣きそうになった。けれど次の瞬間、怒りの顔になり
「バカヤロー!あんな真似すんな!!」
怒鳴り声で怒られた。そんな大声、傷に響いちゃいます、と言いたかったけれどそれはなく
「何、で。お城にいたはず」
ゆっくりと身体を起こすと、成実が背中を支えてくれた
そして身体が冷え無い様に、近くに置いてあった羽織りを肩に掛ける
そして、ゆっくりと成実は言った
「城は落ちた、豊臣との戦は連合軍の勝ち」
「お城が、おち―――」
「豊臣秀吉は死んだ。その後大阪城は炎上…まだ燃えているよ」
成実は立ち上がると窓を開けた
空の一部が明るい。煙があって、そこが燃えているというのが分かる
「起きたか」
ガラリと襖を開けたのは、政宗だった
戦衣裳を身に纏ったままなのが、戦直後なのだと分からせる
成実も良く見ればボロボロになっているが、戦衣裳を着ていた
「おひさしぶりです…」
「説教、といきてぇがそんなstate(状態)じゃ仕方ねぇ。だが小言はたっぷり言わせてもらうぜ?」
ぽん、と凪の頭に手を乗せ、政宗は頭を撫でた
それからドタバタと足音がして、見知った人物達が部屋に入って来た
「凪っ!大丈夫かい!?」
「目が覚めたんだって?本当、無茶苦茶な事するねぇ凪ちゃん」
「お、なんか前より色気でてんじゃねぇか?」
上から慶次・佐助、それからその場に似つかわしくない言葉は元親である
彼らから出る言葉の数々は心配と説教
それでも自分を気に掛けてくれて居るからこそなのだろう
「皆、離れろ」
成実は蚊帳の外にされていたのをちょっと妬いたらしい
懐かしい温かさに、凪はクスクスと笑った
「凪、傷の方は?」
「あ、はい。えーっと…あれ?」
「包帯巻いてあるだけだな…。傷が薄い···」
あれだけ大きな怪我だったのに痛みがない
と言うか何の躊躇いもなく寝間着を捲る成実に皆唖然としたが、気にしない事にした
「起きたか」
襖の隣りには、北斗が立っていた。そして、匡二も
二人が入って来た後さらにまた二人、入って来た
「傷は言霊で再生力を促して治したから、少しはマシになってる。ついでに猿飛、アンタの主も治しておいたから。本当は先に行かせる筈だったけど、引き止めたからな。お詫びだ」
そう答えたのは一夜
ぐるりと室内を見て、一人頷いて何か決めた様だった
「まず、自己紹介を。元親様は知ってる筈だけど…。俺は一夜。あんたらが言う所の異能者で、言霊使いだ」
言霊の威力は、体感した奴等なら分かる筈だと一夜は言った
「それから、隣りの野郎が凪さんがいた世界の異能者で、そっちの日の本の殆どの異能者を監視してる彬、こっちじゃ秋って名乗ってる」
魔法使いはお辞儀もせず、戸の開いた場所からじぃっと燃える大阪城があるあたりの空を見て居た
「凪さん」
「え、あ、はい」
いきなり呼ばれてどもってしまう
綺麗な水色の瞳が凪をとらえた
「貴方が知らない事、彼らが知らない事を今から全て話します。そして、俺が背負った役目の仕上げを最後に」
そう言うと彼は襖をゆっくり閉めた
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