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天守閣まで辿り着くには様々な障害があった
巨大な動く仁王像
沸いて来る兵士
それを薙ぎ倒しながら、慶次は天守閣―――秀吉が居るだろう場所を目指した
凪がねねみたいに、ならないように
誰かの大事な人が、誰かの手で消えるなんて、もう、あってはいけないんだ
「待てよ!」
後ろを振り返ると、成実がいた
「何?」
「俺も行く」
「凪の側に居た方がいいんじゃないかい?」
成実は、後ろを向いて直ぐに向き直った
「自分が無力だって思うあの場所にいるより、出来る事をしたいからな。匡二と凪の兄さんに、凪の事は任せた」
だからな、と槍を見せた
それでもよく手を見るとカタカタ震えていて、何かしていないと先刻のような状態になってしまうのだろう
「じゃあ、行こうか」
■■■■■■■
階段を上りきると、秀吉がいた
前より威厳がある雰囲気で、慶次とよくいたずらをしていた頃の優しい雰囲気は無い
「慶次、何故貴様がここにいる」
「ひ…」
慶次が秀吉の名を呼ぼうとした時、成実が慶次より前に出た
「奥州独眼竜伊達政宗を守りし三傑が一人、伊達藤五郎成実。貴殿にお願いがあり、ここに参上した」
「ほぉ、我に願いと?」
秀吉の覇気に臆せず、名乗りを上げた成実に秀吉は嫌な笑いをした
「連合軍に白旗をあげていただきたい」
「白旗をあげる訳にはゆかぬ」
「ただで白旗をとは言わない。この後直ぐに我が主、伊達政宗に掛け合い話し合いの場を設けていただく様、願い出る。後生だ、豊臣秀吉殿」
成実は頭を下げた
武士が頭を下げる事、それは軽くできる事では無い
でも、俺はこうして大事なものが何かある度にこうして、きっと誇りを捨てられる
相手に伝わるかどうかは別にして…
秀吉の返答はまだ無い
どくん、どくんと心臓の音がやたら耳障りだ
「それでも、白旗はあげぬ。あげてみせたければ、我を倒す事だ。お前達が此処に居ると言う事は、北斗の手下達と我が友達はお前達によって倒されたのだろう?我にもそうしてみるといい!!」
ガッ!と秀吉が突進してきた
頭を掴まれて、慶次の『成実っ!』という声が聞こえた次の瞬間、
俺は痛みを感じた直ぐあと、意識を失った…
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