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「彼女は僕の妻なんだけど、どうするつもりだい?」
半兵衛はたしたしっと自分の刃を触り、こちらへ向かって来た
「妻、ねぇ。んなの離縁だ!り・え・んっ!!こいつはな、俺と結婚するの。お前とは離縁っ!!」
「僕は何があっても離縁するつもりは無いけど?それに、君と結婚と言うけれど、彼女がそうしたいと言ったのかな?」
二人の間が、三尺程になった所で半兵衛は歩みを止めた
険悪なムードが漂うが、成実はいつもの軽い感じを崩さずに半兵衛と対面する
「い、言ったぞ!」
「君は嘘を吐くのが苦手らしいね」
「う、うるせー!!全部終わったら気持ちを聴くんだよ!!ま、断っても妻にするけどな!!」
「断っても、ねぇ」
二人のやりとりに、凪ははらはらしていた
半兵衛と目が合うと、半兵衛はこちらにお出でと柔らかく言う
しかし成実はがっちりと凪の体を触って居る
「彼女を渡してくれないか?」
「嫌だね!大体、凪じゃなくたってお前の室になりたがる姫なんてゴロゴロいるだろっ。俺の室は凪しか出来ないケド、お前は選り取りみどり。こいつに固執なんかしなくてもいいじゃねぇか」
だから離縁しろ!
そう成実は言うが、確かに実際半兵衛は地位的にも容姿的にも申し分なくて、年頃の姫君達にはきっと縁談を待望んでいた子も居るだろう
「僕はこの先彼女以外を娶るつもりは無いし、彼女以外を室にするつもりもない。奪いたければ、僕を倒す位しなくては…ね」
ジャキンッ、と剣を構える半兵衛
成実は暫く考え、凪を肩から降ろした
「下がってろ」
「え…?」
「危ないから下がってろ」
たしたしと、地面を強く蹴る
凪に背中を向けて、以前と違う槍を持って、成実は前へ歩いていった
そんな成実を凪は見て居るだけしか出来なかった
半兵衛に止めてくれと、訴えかける事も出来なかった
いや、させてくれる雰囲気では無かった
「伊達成実、その武勇は聞き及んでいるよ。さぁその実力を見せてもらおうじゃないか」
「ケッ!お望み通り、やってやるよ!!それしか道は無い様だからな」
水葬蓮華を構えて成実は半兵衛を見据えた
戦いが、始まる
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