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あなたの名前
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( )
ふと誰かが呼んだ気がした
「旦那…?」
いや、ここには前田慶次と伊達成実と自分と敵二名しかいない
きっと、空耳だ
颯と佐助は戦っていた
頼は慶次と成実と戦っていた
「余所見しちゃってると、仕留められちゃうよー?」
銀の銃は、正確に佐助を狙っていた
その度、躱したりしていたが何せ技を発動する前に攻撃を仕掛けて来るので、こちらから反撃はあまり出来なかった
ちらりと視界の端に映る慶次と成実
二人がかりでも厳しそうだ
部屋と言う部屋を開け、隠れてもその都度見つかる。それを繰り返していた
自分は真田忍隊の御頭で、それなりに実力もあると思っている
が、気配も消しているのにこうも簡単に見つけられては、まだまだなのかと思う
「(このままじゃ一旦退却か?)」
いや、それは出来ない
各地で豊臣兵を引きつけている武将達の奮闘が水の泡になる
(やっぱり、何がなんでも突破するしかないのかねー)
苦無を構えて、敵を不意打ちで狙おうと気配を消して待っていた
そして、颯の姿が目に入る
今だ。敵は後ろを向いて居る――――
「だーかーらァ、隠れても無駄だってノ!!!!」
ぐるんっと颯は勢い良く振り返り、バンッ!と天井に張り付いていた佐助の腹ギリギリに銃弾を撃ちこんだ
そして颯は、トン、と指でこめかみをさした
「お前の姿は丸見えなノ。俺には、不完全だけどこの目が有るんだから」
「目?アンタ千里眼でも持ってんの?」
佐助は床に降りた
「お前バカ?敵にそこまで話す訳無いダロ?でもまぁ、俺と戦うなら隠れても無駄だヨ。てゆうか探すの面倒いから、隠れるな。んで、さっさと倒れてくんない?」
■■■■■■■■
「はぁあああ!!」
ザンッ!!と成実の槍の煌めきが、頼を襲う
なんなく躱され、そのまま遠心力を生かし、第二の攻撃へと移る
ギィン、
黒鋼の銃がその攻撃を防ぐ
「あんだけ攻撃防いでるのにデカい傷一つ付かないってどんだけ固いんだアレっ!!」
幾度となく、攻撃を受け止めていたが大きな傷は出来ていない
二人は肩を並べると目の前に立つ男を睨んだ
「俺ら二人長物だから、えーっと…………たいみんぐ?合わせないと同時攻撃も出来ないし…なんで俺達長物組が二人で戦ってんの…」
「それ、俺じゃなく佐助に言ってくれよ。最初にあっちが戦い始めたんだから、さっ!!!!」
バンッバンッ
頼は無言でひたすら成実と慶次を狙う
狙う相手は一人では無いので、一人を狙い撃ちしながら襲いかかって来る片方を体術等で往なし、時にはその銃で防御に徹したりしている
慶次も成実もけして弱い訳では無い。むしろ強い方だ。その二人を相手に、こうも簡単にいなしてしまう頼にブルリと震えがした
「このままじゃ埒があかねぇ!!凪の所まで行けそうにねぇじゃねぇーかッ!!!!」
ずざざざっ、と慶次が後ろに下がった
息の上がった姿は苦戦している証だ
額には汗を浮かべて、それを慶次は拭った
「……成実」
「あんだよ」
一息吐いた後、慶次は敵を見据えながら言った
「 」
「な――――」
いつもの笑みを慶次は見せると、頼に向かって突進していった
「いけぇっ!成実ぇえええ!!あの子を、取り戻したいならっ!!いけぇっ!!」
ギィンッ!!
金属の擦り合いで火花が散る
慶次は、叫ぶ
「ここはっ!!責任持って片付すから、先に進めっ!!」
「――――――」
拳を強く、強く握って、成実は――――――――
「そのっ!!腕にっ!!取り戻したくっ!!ないのかっ!!!!」
「悪い――――!!」
成実は背を向けて、走り出した
慶次と佐助を、置いて―――
それを見届けた慶次は、気を緩めていた
そこに一発の銃声
狙いは、慶次だった
「終わった、か?」
「終わってなんかないさ」
銃弾は、慶次の長刀の鞘によって防がれていた
にぃ、と笑う慶次
腕をぐるぐると回し、肩もコキコキとならした
「さぁ!こっからが本番だよ!!」
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