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わぁああああ!
鬨(とき)の声
それは合戦の合図
「テメェら!ぬかるんじゃねぇぞ!!死ぬ気で戦え――――!!」
豊臣との戦が始まった
各地で衝突が始まり、海の方からは長曽我部が豊臣を攻めている
そんな鬨の声等が外から聞こえる、大阪城城内
凪は美しい庭を眺めながら、待ち人を待っていた
後ろには兄がつけた護衛がいる
一人はあの時成実の腹を刃で貫いた青年
一人は目隠しをした、年は15、6位の少年だった
「始まっちゃった…。説得、今からでも間に合うかなぁ」
「………」
それでも動かないよりはマシだろう
多くの被害が出る前に、説得をしなければ…
「もう誰も…傷つけたくないから、守りたいから、結婚したのに…。こうならない様に、結婚したのに、どうして……」
首を横に振り、凪はある場所へ向かう為、そちらの方へ足を向けた
―――――――――――――
―大阪城より東のとある地点―
ここでは片倉小十郎と伊達政宗が戦っていた
「Ha!弱ぇ奴ぁ、引っ込んでなッ!!」
「政宗様!あまり前に出なさるな!!」
二人の戦う姿は自軍の兵士を奮い立たせ、士気を高めた
―大阪城より南の地点―
「烈火ぁああああ!!」
真田幸村が奮戦していた
来る敵を薙ぎ倒しながら、彼は二槍を強く握り遠く見える大阪城を見た
―大阪城から離れた港、海地点―
「野郎共―っ!四国の力見せつけてやれ!!」
元親は部下と混じり戦っていた
海から攻め入っているが、彼らは海の戦には慣れている為、豊臣勢を押す勢いだ
なんとか豊臣勢を海から撤退させて、陸へ追い込もうとする
「追い込んだら、陸に上がるぜ!」
「へい兄貴ッ!!」
倒れる友を見て、彼らは戦う
斬りつけ斬りつけられて血を流し、刀を強く握り敵を薙ぎ倒した後には血腥い戦場がある
これが、戦というものだ
やらねば生きれない
戦わねば殺される
そんな世界に、彼らは生きているのだ
鬨の声が各地で聞こえる中、大阪城目指し走る影が二つ
一つは屋根の上を走り、一つは路地を走る
青と緑が大阪城目指して走っていた
「あと少しで前田の風来坊と合流だ!成実の旦那、くたばるなよっ」
「誰に向かって言ってやがるッ!!くたばるかぁあああああ!!!!!」
まるでこちらが既にバテてる様な物言いに成実は言い返した
「いた!」
前方には前田慶次がいた
しかしその更に先には、忍の一団がいた
「俺達の行動筒抜け!?」
「んな事ある訳ないでしょッ!!そう言う布陣を強いてるって事さ」
佐助は武器を持ち、一足先に慶次の前にいた忍の軍団へ飛び込んでいった
成実も水葬蓮華を強く握り、左助と同じく敵の中へ飛び込んでいった
「成実!?」
「こんな所で足止めされてるんじゃねーよ!!」
忍刀を受け止める成実
相手の攻撃を力ずくで弾き飛ばすと、三人で背を守る形で寄り合った
その周りを取り囲む忍
「凍れぇえええ!!!!!」
気を溜めて、成実は槍を縦に振り下ろした
刃の矛先から溜められた気がそこから放たれるッ!!
パキパキパキ…ッ!!
冷気が忍の半身を凍てつかせる
冷ややかな冷気を纏った成実は、同じ技を再び繰り出した
「へぇ、やっぱり冬だから凍り具合良いねぇ」
「無駄口叩いてないでさっさと倒せ!!来るぞ!!」
三人は襲いかかる敵を薙ぎ倒しながら、大阪城へと向かう
「大阪城…」
見上げた先には大阪城
そして―――…
「ひとまず、凪の救出。その後は、一度本隊に戻って大阪城攻略。いいな?」
「分かった」
忍と歌舞伎者と若武者は、同時に敵陣の入り口へと走って行った
「いよいよ、来る」
凪は大阪城入り口の橋で、来るだろう人を待っていた
二人の護衛に背を向けて、彼女は待っている
砲撃の音にも動じず、鬨の声にも動じず、ただ前を向いて立っている
そして、待ち人がいよいよ
「成実さん」
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