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あなたの名前
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何度も、何度も
彼の下で、彼によって
泣かされ、鳴かされた
「秀吉も新婚だからと言って、気を使い過ぎだよね。状況的にそこまで、って感じなのに」
結婚して二週間がたった
宣言通り毎夜抱かれ、時には昼間というのもあった
嫌なものだが慣れたモノで、肉体的苦痛は感じなくなっていた
「竹、…半兵衛……さん、は側室を持たないんですか?」
行為中、彼は自分の名前を呼ぶ様凪に言った
名前で呼ぶと嬉しそうにして、上の名前で呼ぶと直ぐに訂正がはいる。そうすることによって名前を呼ぶ事にも慣れてきた
「新婚なのにそれを聞くかい?」
苦笑すると、半兵衛は凪を押し倒した
「君以外は要らない。君は自分を犠牲にして、僕の妻になった。本意じゃないのに…ね。そんな痛々しい君だけで僕は良いんだ」
額に口付けを施す
こういった半兵衛の優しさは、偽りでは無いと感じる
初夜を終えた翌日に、贈り物をした時も。毎夜自分を抱く時も
凪は半兵衛が自分を気遣っている事に、少しだけ気づいた
そして、また今
半兵衛に抱かれる
そろそろ生理が来るはずだからこの行為も終わりになるのだろうけど、それまで毎夜毎夜、孕め、と腟に、子宮に子種を注ぎ込まれる
子を孕むまでそれは続くのだろう
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暗い室内に、たった二本の火の灯(ひ)
その室内で、赤い紅い葡萄酒を飲む男がいる
紫銀が炎の揺らめきで陰影を少しつけ、薄暗い室内で彼の髪色を強調しているように見えた
「凪の願いは何なのだ」
飲み相手が彼に問う
グラスをテーブルに置いて、北斗は秀吉を見た
「俺の願いと引き換えの“願い”」
彼女が願った願い
「傷つけない事だ」
「何をだ」
「そこは自分で考えなよ」
クスクスと笑う
しかし目は笑っておらず、やるせなさを宿していた
「ただ一つ言うなら、あいつは強いからそう言う選択をしたって事。強さは同時に弱さを孕む。強いから弱い、俺はそこに付け込んだだけだ」
そう
俺は、弱さに付け込んだ
俺の願いを叶えるために
でもそれはアイツを助ける事になる
ガタン
椅子から立ち上がる北斗
そして窓の障子を開け放った
冬の空は澄んでいて星が綺麗に見えた
だからその代わり、必ずそれを成せ
あの魔法使いの言葉が蘇る
はやく、はやく
成さねば
時間は 無い
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