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「なんで···殺人なんか!!」
「あの里は魔法使い───この世界で言うと異能者の一族の集まりだった。俺はそんな奴らを一掃している」
「そんな···っ!それはただの虐殺だろう!?」
「大なり小なり、人を異なる世界へ飛ばせようが飛ばせまいが能力があるやつは殺しておいた方がいい。力を持たないと判断し殺さなかった奴が、ある日そんな力を持ったらどうする。可能性は摘んで置かなければ」
残酷な事をさらりと言ってのける北斗
自分が知らなかった時間で、こうまで人は変わるのか、と匡二はショックを受けた
「摘む摘まないじゃない!沢山の犠牲の元に成り立つ命なんて…!!あの子が知ったら!!!」
「だから、お前は甘い。幻想を語るのは子供だけで…充分だ。あいつを助ける。それに代わりはないんだ。道程はどうあれ、結果は変わらない!これならあいつを救える。あいつに、人並みの幸せを与えて…やれる。その為に、その為に!!彼女と同じような血筋は殲滅をしなければならない!!」
ハァ、ハァッ
荒い呼吸。もう、感情に流されるままの言葉
だけど北斗は匡二に分かってもらいたかった。自分が簡単に手を血で染めた訳じゃないと。理由があったと。親友だからこそ分かってもらいたかった
凪を助ける事に関して、自分達にとてつもない重責を課し、あの時まで共に行動をしたからこそ…
「沢山の犠牲の元、自分が存在しているなんて、凪様が―…凪が耐えられると思っているのか!?」
「耐えてもらわなければ困る。あいつには」
ガシャン!!
匡二は北斗に飛び掛かった!盃などは地面に派手な音を立てて転がった
北斗は匡二に押し倒される。そして匡二は、北斗の腹部あたりに馬乗りの様に乗っかって、胸倉を掴んで身体を少し無理矢理起こさせた
「冗談言ってんじゃねぇぞ!!あ"ぁ!?耐えれる訳ねぇだろうが!!」
「じゃあ!!お前は!!」
ギリッと奥歯を噛み締めて、ギロッと匡二を睨んだ
「あいつに死ねと!!幸せになるな!!と、言えるのか!!あいつから、俺と父さんは何を奪ったか知ってるだろうが!!母親に、幼少期の頃なら誰もが体感するもの、親からの愛…!家族の時間!!こんなに奪っておきながら、結局自分たちではどうすることも出来ない。あいつに、お前はある日突然死ぬ、だからそれまで生きろ、そう言えるのかよ!!えぇっ!!!!!」
その叫びは匡二に深く刺さる
「…それは…!!」
「俺は、何があっても何をしても、あいつをあの世界に帰させない!!そう、…絶対に。だから」
────例え自分が犠牲になろうと
────例え誰を犠牲にしようとも
────愚かな事と分かっていても
────自分が、あの日、守ると誓ったものを守れるのなら
────俺は喜んで鬼にもなるし死神にもなる
────嫌われてもいい
────泣かれてもいい
────どう足掻こうと妹の死が免れないなら、この世界で生きてくれればいい
────自分が見定め、力を持った奴と一緒に生きればいい
「凪には竹中半兵衛の嫁になってもらう」