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「竹中め…」
届いた文を利家はぐしゃりと握りつぶした
竹中軍は電光石火のごとく、あっという間に砦を包囲した
籠城をさせて利家達を疲弊させるつもりなのだろう
しかし軍師として名高い竹中半兵衛が、籠城だけで終わらせるとは思えなかった
「あの様子なら今に攻めて来る事はありませぬ。しかし、いつ迄も睨み合いではいられませぬ」
攻めるならこの静かな時だろうと、まつは言いたいのだろう
「…では明朝に動くとしよう」
そうして皆はそれまで思い思いの時を過ごす事にした
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夜になる
暗闇の支配するこの時間。赤い月が空に禍々しく輝きを放って居た
冷たい風が身を震わせる。薄着のせいだろう
外を見る為窓を開けると、砦の周りには火の煌めきが見えた
あそこに竹中半兵衛の軍がいるのだと実感出来る。火の煌めきの数からして相当な数だった
あれが、敵…なんだ
手摺にぎゅぅっと力をかけた
戦う力もない、ゲームみたいな癒しの力がある訳でもない、軍師になるような頭脳明晰さもない
自分がここにいても意味が無いことは知っている
足でまといになることも、しっている
心では怖さが勝っている
でも逃げれない
「───────なるみ、さん」
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「凪」
噂で竹中軍が加賀に迫っていると知った
間に合え、と、ただ、それだけで成実はこの数日駆けていた
予想するにもう加賀には時間が無いはずだ
竹中軍の進軍速度を考えればもう目の前にいるだろう
恐らく和平を持ちかけるだろうが、噂に聞く竹中半兵衛が竹中半兵衛であれば、それを通すのに無理に近い事をふっかけられるだろう
そして前田利家の性格上それは受け入れられない
その先は、もう何が起こるかなんて分かりきっている
「間に合え···っ!」
巡る
巡る
想いは絡み
想いは交じる
様々な思惑と願いが入り乱れ
…時は来たる…