腐れ縁
ティア「ちょっ…!」
グイッとルックの腕を引く。
ルック「…何さ?君に用があるみたいだけど?」
シーナ「そうそう♪いやぁ、ティアちゃんもモテモテだねぇ♪」
余計な茶々を入れるシーナをジロリと睨み付け、ルックに縋りつく…。
ルックは呆れた顔をティアに向けたが、その手を振り払う事をしない。ティアは複雑な面持ちでルックを見上げるばかり……。
その二人を交互に見詰めている少女。
シーナはフォローをいれる。
シーナ「…あー…。ティア、ほら。女の子を待たせるもんじゃねぇよ?ソッチで待っててやるから、な?」
ティア「……うん」
少女「……………」
ティアは一度、ルックの腕を強く握ると、直ぐにゆっくりと離した。
ルック「…………」
シーナ「…ルック。向こうで待ってようぜ」
ルック「…分かってる」
シーナに促されるまま、二人から少し離れた場所へ向かった。
その後ろ姿をジッと紅い目が見詰めているのを、シーナもルックも気付いているが、敢えて足を止める事をしなかった。
ティア「………はぁ…」
諦めの溜め息を吐いたティアを、少女はジッと見詰める。
その熱い視線に気付いたティアは、少女に向き直る。
少女「…………」
ティア「……。話って…何かな?」
極力優しく声を掛けてあげると、少女はまた忙しなく目を泳がせた。
少女「…あのっ…ティア様。この前…言ってましたよね?好きな人がいると…。その方を教えてくれますか…?」
ティア「……………」
ティアの顔が、やっぱりか…と物語っていた。
以前、この少女から告白を受けていた。しかし、ティアはそれを即断ったのだが………。
何かとしつこい彼女は、ティアを見掛けると直ぐに駆け寄り、また告白を続けるのだった。
ティア「…教えてどうするの?」
やや厳しい口調のティアにも怯まず、少女は強い光を瞳に宿し、訊ねてくる……。
少女「本当にその様に想っている方がいるのですか…?私が見る限り、ティア様はそれらしき方と一緒に居るところを見た事がないのですが……」
ティア「……………」
しおらしかった少女が、急に態度を改め、強い口調とハキハキとした発言を見せ、ティアは驚きに目を見開く。
少女「いらっしゃらないのではないですか?でしたら…私との事をもう少し考えては下さりませんか…?」
強い眼光で見詰められるも、ティアの答えは一つ。
ティア「…悪いけど、答えは同じだよ。僕は君との事を考えられない」
少女「……。ではその方に告白をなさるのですか?」
ティア「…だからっ…君にその事を話してどうするんだ?君には関係ないと思うんだけど」
少女「っ…関係…ないですけどっ…!でもっ…教えて下さっても良いじゃないですかっ!じゃなきゃ、私…納得出来ませんっ!!」
急にキレだした少女の怒鳴り声に、少し離れた場所にいたシーナとルックは驚き様子を窺う。
当の本人、ティアも目を丸くした。しかし、少女は若干、興奮気味らしく声を潜める事も忘れている…。
少女「私の何が不満なのですかっ?!料理だって、掃除だって…私、出来ます!ティア様の為になら何だって出来ますのにっ!!!どうして受け入れて下さらないのですかっ?!」
ティア「…っ…。ちょっと、落ち着いてくれるかな…?」
心底、迷惑そうなティアに更に逆上した少女――。
流石のティアも困り果ててしまった。
グイッとルックの腕を引く。
ルック「…何さ?君に用があるみたいだけど?」
シーナ「そうそう♪いやぁ、ティアちゃんもモテモテだねぇ♪」
余計な茶々を入れるシーナをジロリと睨み付け、ルックに縋りつく…。
ルックは呆れた顔をティアに向けたが、その手を振り払う事をしない。ティアは複雑な面持ちでルックを見上げるばかり……。
その二人を交互に見詰めている少女。
シーナはフォローをいれる。
シーナ「…あー…。ティア、ほら。女の子を待たせるもんじゃねぇよ?ソッチで待っててやるから、な?」
ティア「……うん」
少女「……………」
ティアは一度、ルックの腕を強く握ると、直ぐにゆっくりと離した。
ルック「…………」
シーナ「…ルック。向こうで待ってようぜ」
ルック「…分かってる」
シーナに促されるまま、二人から少し離れた場所へ向かった。
その後ろ姿をジッと紅い目が見詰めているのを、シーナもルックも気付いているが、敢えて足を止める事をしなかった。
ティア「………はぁ…」
諦めの溜め息を吐いたティアを、少女はジッと見詰める。
その熱い視線に気付いたティアは、少女に向き直る。
少女「…………」
ティア「……。話って…何かな?」
極力優しく声を掛けてあげると、少女はまた忙しなく目を泳がせた。
少女「…あのっ…ティア様。この前…言ってましたよね?好きな人がいると…。その方を教えてくれますか…?」
ティア「……………」
ティアの顔が、やっぱりか…と物語っていた。
以前、この少女から告白を受けていた。しかし、ティアはそれを即断ったのだが………。
何かとしつこい彼女は、ティアを見掛けると直ぐに駆け寄り、また告白を続けるのだった。
ティア「…教えてどうするの?」
やや厳しい口調のティアにも怯まず、少女は強い光を瞳に宿し、訊ねてくる……。
少女「本当にその様に想っている方がいるのですか…?私が見る限り、ティア様はそれらしき方と一緒に居るところを見た事がないのですが……」
ティア「……………」
しおらしかった少女が、急に態度を改め、強い口調とハキハキとした発言を見せ、ティアは驚きに目を見開く。
少女「いらっしゃらないのではないですか?でしたら…私との事をもう少し考えては下さりませんか…?」
強い眼光で見詰められるも、ティアの答えは一つ。
ティア「…悪いけど、答えは同じだよ。僕は君との事を考えられない」
少女「……。ではその方に告白をなさるのですか?」
ティア「…だからっ…君にその事を話してどうするんだ?君には関係ないと思うんだけど」
少女「っ…関係…ないですけどっ…!でもっ…教えて下さっても良いじゃないですかっ!じゃなきゃ、私…納得出来ませんっ!!」
急にキレだした少女の怒鳴り声に、少し離れた場所にいたシーナとルックは驚き様子を窺う。
当の本人、ティアも目を丸くした。しかし、少女は若干、興奮気味らしく声を潜める事も忘れている…。
少女「私の何が不満なのですかっ?!料理だって、掃除だって…私、出来ます!ティア様の為になら何だって出来ますのにっ!!!どうして受け入れて下さらないのですかっ?!」
ティア「…っ…。ちょっと、落ち着いてくれるかな…?」
心底、迷惑そうなティアに更に逆上した少女――。
流石のティアも困り果ててしまった。