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僕にとっては一大事っ!

最もな見解である。
それだけに、何も言えなくなる面々に、少年-ティアは怪訝な表情を浮かべる。


ティア「そもそも、”萌えメーター“って何?」


ルック「……さあ。猿が充電するのに必要なキーワード」


ティア「…………」



どうも理解しづらい説明に、無言になる。
それの意味を瞬時に気付いたのは、金髪のチャラ男。


シーナ「…何でも、萌えメーターっつうのが重要で、ソレが不足してっと、力が発揮出来ないらしい…」


ティア「…………」



判りやすいんだか、そうじゃないんだか……。
ティアは困惑気味に軍主と軍師を交互にみやる。



ティア(…猿っていうのはセツナで間違いない。萌えメーター不足してるのもセツナで、その事について議題…中、で良いのかな?)



内心でパズルのピースを解く要領で一つずつ理解していくティア。
そして、何と無くで事の無意味さを結論付ける。




ティア「……意味無くない?全部が…さ」


ルック「…気付いてたに決まってんだろ。ここに居る連中は皆判ってて、口出ししないんだよ」


返って来たルックの返答の端々に、疑問符が浮かぶ。


ティア「?気付いてて止めないの?どうして?」


シーナ「関わりたくないから」


ルックの代わりにシーナが。
それに対しては気にせず、自分の謎解きを優先するティア。



ティア「今は落ち着いているの?」


”戦況的に“ と云う意味だと、シーナもルックも判ると踏んでの質問文。
付き合いあっての成せる技。


シーナ「一応は落ち着いてる。敵軍は今の所動きなし」

ティア「そう…」


ルック「でもいつ動き出すか判らないからね。ある程度は準備しておかないと。見直す所もあるだろうからね」


ティア「だろうね。じゃあ、これは口出しした方が良いんじゃないの?」


ルック・シーナ「「………」」


沈黙が返って来た。
ティアは視線をルックとシーナに移す。



ティア「このままの状況てヤバくない?」


ルック「…………」


シーナ「…普通にヤバいだろ」


その応えに、今度は周りを見渡す。


ティア「…向こうがいつ何時動き出すか判らない以上、やれる事はやらないと。このままの状況は同盟軍にとって、マイナスでしかないよね」


冷静な意見。

ごもっともです。と、沢山の視線を受けながらも、軍主と軍師を見詰める。




ティア「……アレを止めるのが先だね」



((…それが出来れば苦労しない……))



幾重にも重なる、そこに居る(まともな)人の数だけの悲痛な思い。



漸くルック、シーナ以外の人がティアに近付き言葉を投げ掛ける。



フリック「…アレをどうやったら止められんだ?」


顔色まで青のフリック。


ティア「僕よりも君達の方がその方法を知ってるんじゃないのか?」


ビクトール「…強いて言えば、萌えメーター回復…」


いつもの元気が無くなっている熊男。


ティア「萌えメーター…」



アップル「……私達ではどうする事も出来ません。けど、唯一何とか出来る方なら知っています」


遠い目をしたアップル。
彼女の気苦労が窺い知れる…。


ティア「……方?人なのか?」


シーナ「人だよ」


ルック「………」


ティア「??ならその人に来て貰えば良いんじゃないか??」



すると一斉に注目を浴びる。


ティア「――っ…!」


その光景に一瞬、身体を跳ねらせる。

ティアが何事かと問う間も無く、ルックが口火を切る。



ルック「ソイツならもう居るから」


ティア「は?」


シーナ「ああ。居るな」


アップル「居ますね…」


カミュー「…居りますね」

マイク「ああ…」


ティア「???」



益々、訳が判らない。
口々に呟かれるのは同じ単語。


それも”居ますね“だ。


つまり、この部屋にその人物が居る。それは理解出来た。だがしかし、一体その人は誰なのか…。そこだけがティアには判らなかった。
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