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僕にとっては一大事っ!

だが、そんな空気を破ってくれるのもこの人。



シュウ「…要は何がしたいんだ?まあ、おおよその事はついているがな…」




心底呆れている。それを隠そうともしないシュウの態度は気にしないセツナは、ここでやっとニッコリ笑顔を浮かべる。


セツナ「休暇が欲しいんですよ。3日位で良いんでvV」


シュウ「あ?



態度も口調も豹変。
丸っきり柄の悪い大人になったシュウ。

セツナ「だから、休暇ですよ。休ぅ暇vV3日位で良いんで♪その間に僕はパラダイスに走りますvV」




シュウ「お前の存在を消してこの世界にパラダイス王国を創ってやる。取り敢えず、手始めにド頭カチ割ってやるから頭出せ


セツナ「頭カチ割られるって判ってるのに出せるかっ!!!つーか、僕が軍主だって事忘れてるよねっ?!その科白、絶対忘れてるよねっ?!?!


シュウ「…世の為、人の為だ。少しのちっぽけな犠牲は止むを得まい」


真顔で切り捨てたシュウに、セツナしか口をまともに聞ける奴は存在しなかった。なので、セツナは自己防衛の為に必死に立ち上がるのだった。



セツナ「どんだけ僕は害を為すんだよっ!!成敗される程悪行なんか働いてないからね?!しかも”ちっぽけな犠牲“で終わんねぇわっ!!!代償デカ過ぎるわっ!!!!


必死のツッコミも虚しく、シュウは軽く鼻でせせら笑った…。


ここまで強気な態度のシュウ軍師を初めて目の当たりにする面々達は、どこでどうストップを掛けるべきかを各々思案するのだった。



セツナ「…たかが3日じゃないですかっ!今は敵に大きな動きも視られないんですから良いじゃないですかぁっ!!」


セツナの悲痛な訴えも、やはり虚しく終わる…。
今度は、軍師殿の上から目線の冷眼で…。



セツナ「うっ…;;」


若干、怯んだ軍主。
しかし、当初の目的悲願の為、負けてはいられないというアホな考えが、逃げ腰になりつつある自分自身に叱咤する。



シュウ「3日。その3日を何して潰すつもりだ?


漸く触れてくれた”3日“ていう単語。
セツナは握り拳で、力強く宣言する。



セツナ「それは勿論っ!ティアさんとイチャラブと過ごすに決まってるじゃないですかっ!!!



((…馬鹿兼アホ決定))


その瞬間だった――。



シュウ「…………」


無言のシュウに、勢いをつけたセツナは止まらない。


セツナ「僕はそろそろティアさんに逢いたいんですよぉっ!!なのに何なんすか?!この仕事の多さっ?一向に逢えないじゃないですか!コレッ!コイツ!この所為でぇえっ!!」



シュビッ!と指を指す先には一旦中断せざる逐えなかった山積みの書類達。


セツナ「コレの所為で僕は一週間もティアさんに逢えなかったんですよっ?!僕の萌メーターが無くなるんですよ?!充電が必要なんですよ‥って、聞いてるんですか?!!」



ムキーッと怒りだした馬鹿軍主に、呆れ混じりに溜め息をつく赤騎士、青騎士。
蒼白い顔をしてこの場を退出したそうに遠くを見つめ始めたアップルさん。彼女は、仕える相手を間違えたのかと悩み出していた。


ここに来て漸くシュウ軍師がキレた。

シュウ「何が“ 萌メーター”だっ!!充電!?だったっらナナミの手料理でも食ってろっ!」

セツナ「嫌でも食ってるわッ!!つーか、萌メーターの意味分かってる?! 萌とゆーのは、ティアさんみたいな可愛らしくそれでいて妖艶で美しく‥が萌っすよ?!ナナミの料理なんか屁ですよ!!」


「「……」」


実の姉に向かって屁と罵る辺り、セツナは相当きている。


シュウ「屁でも糞でもどっちでもいーわっ!!お前はいい加減軍の為、人の為、真面目にやらんかっ!!


更にはシュウまでもが”糞“を付け足しての、ナナミ料理の侮辱。
傍で聞いていたナナミは頬膨らませ、ブーブー文句を垂れたが、今の2人には全く眼中にもなく、聞く耳もなかった――。



止むことのない(低レベルな)争い。誰も止められず、大人しく傍観していた同盟軍のメンバーの内、超毒舌性悪の名高い風使いのルックが、ふと視線をドアに移した。すると、そこには、赤い胴着に身を包み、緑と紫のバンダナがトレードマークの少年が佇んでいた。


ルック「…来たの?」


ルックは素っ気なく少年に声を掛けると、それに反応した少年は苦笑を浮かべ、ルックの元まで歩み寄った――。


「ん、久し振りに来てみたんだけど……。お取り込み中…かな?」


少年の視線の先には、セツナとシュウ。此方には気付かずに(低レベルで)凄まじい口論を繰り広げていた。


ルック「…別に…作戦とかの会議じゃあないからね。キミが気にする事じゃないさ」

あからさまに呆れているルックに、少年は首を傾げた。


「…あの2人は何の言い争いをしているんだい?」


作戦会議でもなければ一体全体、彼らは何を言い争っているのか。それは少し前まで居なかった者にとっては不思議なものだった。


ルック「…萌えメーターについて口論中」


ルックの説明に更に首を傾げた少年は、ジッとセツナとシュウのやり取りを見詰めた。


「…萌えメーターってそんなに重大なの?軍師さんはもっとこう…真面目って言うかマトモな人って感じだったんだけど…。僕の勘違い?」
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