このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

普段通りだから

ルック「さっきは…。あの場で話す様な事じゃなかったかも知れない」


ティア「……ぇ」



突然のルックの科白――。
一瞬の間を置き、ルックは続ける。



ルック「君自身、あの場であんな内容は嫌な物だったかも…って思ったんだよ」


どこか苦々しく表情を変えたルックに、理解したティアは、小さく頭を振った。


ティア「その事だったら大丈夫だよ。ルックのお陰で結構スッキリしたし」


ニッコリと笑い掛ければ、ただジッと様子を窺っていただけのルックは密かに安堵した。



ティア「最初はあの場で…って気持ちも少なからず有ったんだ…」


ルック「…………」


ティア「…でもね?あのまま何も云わずに…ってなると、きっとこうもスッキリした気分にはなれなかった。多分、あの後…フリックや他の人達に愚痴るとかしても……云えないと思う」


ルック「…………」


ティア「だから…。ルックのしてくれた事は、僕を救う方法だったんだよ」




『僕を救う方法』


ルックの胸に滲みて広がる一言――…。



その中に、偽りが含まれていないのを、ティアのあどけない笑顔で悟り、ルックは珍しく口許を綻ばせた。


ティア「…ルックのお陰。ありがとう――君が居てくれて嬉しい…」


告白とも取れる科白に、ティアを仰視したが、直ぐに何時もの雰囲気に戻ったルック。


ルック「…別に。僕は云いたい時に云う。無駄な事は一切しない主義なだけさ」



不敵な笑み。
上からっぽい科白。

何もかもが普段の彼で、ティアはより一層に広がる胸の暖かさに頬を緩める…。


ティア「――…うん。知ってる…。だから……




ありがとう――…」









end…。
7/7ページ
スキ