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想いを風に託す

唯、逢いたくて…。
唯…、愛しくて――…。


何度も想いの強さに、自分自身が押し潰されそうになって…。
君を愛してしまってから、僕の中の世界観が一変してしまった。



無意識に君の姿を探す僕‥。

見付けた君の姿を切ない気持ちで目で追う僕‥。


意識しない様にと努めて、頭の中では理解しているつもりでも、それでも、彼を意識してしまう僕…。



僕の心は【絶望と期待】の狭間で揺れ動く…。



唯、一緒に居たくて。
唯、好きだと伝えたくて…。



それが出来ない弱虫な僕は、必死に逃げ道を探す…。



暗闇の世界に融けてしまえたら、この歯痒さは消えるのだろうか――?

君と云う世界を見続けたら、僕は己れの想いに、僕自身の人格が破壊されてしまうのだろうか……?



あの彼方【カナタ】の星を見詰めて、静かに泪する僕の隣は無人で…。


其所に君が居たら……と、馬鹿な思いをしてしまう。


この哀しみを忘れる為に、僕は必死に偽りの仮面を被り続ける――。


貴方に伝えられなくて。

でも貴方の傍に居たくて…。


どうしようもない絶望の淵に立たされて。
身動きの執れない僕が居るという事に…、貴方は気付いて…、くれますか――?



僕は、貴方に伝えられず、彼方【カナタ】を見上げて想いを唄に変えた…。



言葉で伝えられぬのなら、想いを唄に替えて、風に乗せて流すから…。


そして、直ぐに忘れるから…。


だからせめて…今だけは。
貴方を想う事を許して下さい――…。

貴方に好意を寄せるのも、今夜限りにするから‥‥。


だから今だけは――。

君を想って、泣かせて下さい‥。



唯独り、貴方を想い泣く夜は寒すぎて。
こんな風に貴方を想い泣くだけの自分が、虚しすぎて…。


僕の願いは唯一つ。




『君に愛されたい』





強すぎる想いに巣喰う心‥。


――もう…、貴方に届かなくても良いから…。

厭…。でも…、届いて欲しい…。


そんな矛盾が生まれ始める。

忘れる様に努めても、どんどん膨張していく想いの丈に、我儘になりそうで。


どうして良いのやら判らなくて…。

時間だけが無情にも過ぎていく。何度、君を見てもどかしさで下唇を噛んだだろうか――……。


どんなに貴方を想っても。それが叶わぬ恋だと知っているから…。

君が僕のモノにならないのも判ってるから…。



だから僕は、何時までも泣き続ける…。


闇夜に浮かぶ満月に、静かに唄い続けた――。



僕の想い、声に絞り出して。吹く風に唄い、流され君に届く様に――。


『――貴方が好き
貴方の傍居たい…』
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