桜の花
「…ねぇ‥」
抱き合ったままに、ティアはテッドに訪ねた。
「‥テッドは何の花が一番好き?」
「…花‥か…。うーん‥」
「………………」
唸りながら悩むテッドにティアは苦笑した。
一頻り悩んだテッドはティアに笑いながら言った。
「俺はやっぱり…桜が好きだなぁ‥」
「どこら辺?」
「‥桜の花びらが舞い落ちる時が一番好きだなぁ…」
「?…どうして‥?」
テッドの台詞を聞いてティアは不満の色を浮かべた。
「桜の雫‥って感じがしないか?」
「…桜の雫?」
「そう!…幻想的って所が良いよなぁ~##5X##」
「ふーん…そうなんだ‥」
ティアは桜の木を見上げた。
「…僕も‥」
「ん?」
「‥僕も‥桜の木が一番好きだなぁ…」
「どこら辺が?」
「‥散ってしまう所…。桜が散ってしまう時の最後が一層綺麗なんだ‥まるで‥今まで頑張ったんだ‥って感じがするんだ‥。」
「………」
「‥まるで人間(ひと)の様だよね?」
「‥‥‥‥」
「テッド?どうかしたの?」
心配そうにしているティアにテッドは笑いかけた。
「当たり前だろ!桜だって俺達の様に生きてんだからよ!」
いつもの様に笑うテッド。そうなテッドにティアも笑った。
「‥‥そろそろ帰ろうぜ?グレミオさん達も待ってるしよ!…何より‥俺がハラヘって死にそう…;」
「ふふ…そうだね!そろそろ帰ろう!」
「ああ!」
ティアとテッドは手を繋ぎながら満開の桜の木々を後にした…。
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