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桜の花

桜がこれでもかっ!って程に咲き乱れていた。


前を見ても‥後ろを見ても‥左を見ても‥右を見ても見えるのは満開の桜だった。


風が吹くと桜の花びらが舞い落ちた。
道端はアッというまに桜の花びらでいっぱいだった。
その道を元気良く走って来る少年が二人‥。
正確には走っているのは一人‥その少年の後ろをゆっくり歩いて来る少年がいた。




「うわー…すっごい‥ねぇ!テッド!すっごいねぇ!満開だよ!すっごい綺麗だねぇ!」


満開の桜を見て興奮したのか、『すっごい』を連呼する少年にテッドと呼ばれた少年は苦笑を浮かべながら少年の元に来た。



「ティア!待ってくれよ!そんなに焦んなくったって大丈夫だって!こんなに満開なんだし!」


ティアと呼ばれた少年はテッドの方を振り返り文句を垂らした。


「テッド、何言ってるんだよ!確かに焦らなくっても見れるけど‥テッドと一緒だから‥だから早く見たいんじゃないか!」


「!そ…そうだなぁ‥(今さりげなく可愛い事言ってなかったか!?)ハハッ‥」

「でしょ?満開の桜なんて最高だね!」


「あ‥あぁ‥」


さりげなく可愛い事を言ったティアにテッドは押し倒したい衝動を必死に抑えた。

テッドの苦労も知らぬティアは笑顔を浮かべながら、自分の秘密の場所に連れて行ってあげると言ってテッドの手を引いていった。
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