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ザ・バトルッ!!

セツナ「………」


そう改まって尋ねられ、ましてや本人が居る(訊いちゃいないが…)のに。嫌に気恥ずかしく思うティアだった。


ティア(……///どうして急に訊くんだよっ!!)


赤面しながらティアは一度、視線をササライの方へ向けた。ずっと見詰めてくるセツナの視線に耐えきれなくなった、というのもあるが……。


ティア「…………」


話がどこまで進んだのか判らないし、今はそれ処じゃなくて、内容が頭に入って来なかった。


ティア「……どこが好きなの?って訊かれたら、どこを好きになったんだろう?って思わず考えちゃうんだけど。…多、分…。僕は彼の…、ササライの優しい所と芯の強い部分に惹かれたんだと思うっ…///」


言って照れる…。
それでも答えられた自分自身に、褒めてやりたい位の羞恥心だった。


セツナ「…じゃあ。ティアさんは、ササライさんの恋人になれて良かったって思いますか?”後悔した“とか、思った事は一度も無いんですか?」


ティア「??」


今度は何を言い出すのかと思いきや、セツナの質問の内容を理解すると同時に、疑問が生まれる。



ティア「…どうしてそんな事を訊くんだ??僕が後悔してるとでも思ったの?」


そう逆に聞き返すと、セツナは頭を振り。



セツナ「そうじゃないです」

真剣な――普段の彼のお馬鹿なイメージからは、想像がつきにくい位の真面目な瞳がティアを射抜く。




セツナ「…ササライさんは、結構な重役に付いてるってティアさんは勿論、知ってますよね?幾ら世間知らずな僕でも、その職が大変だって事も重要な事だって事だって分かりますよ」


ティア「……それで?」


ティアが先を促すと、セツナは呆れた顔をしたまま、再度口を開いた。


セツナ「しかも今は重役を任されてるし。一応ココ、敵地ですよ。それなのに一人で来るなんて…。余程の馬鹿か暇人かじゃなきゃ出来ませんよね??」


そこまで言われれば、ティアだって、セツナが言いたい事は大体判るつもりだった…。


ティア「……ササライは…。…ハルモニアの神官将で、今はハイランドに加勢してて…。そして僕は同盟軍に加担。それがどういう事かは、僕にでも判る‥」


セツナ「‥‥‥」


ティア「…それでも彼はこうして、敵である僕に逢いに来てくれてる。彼と恋人関係であっても、”敵同士“と云う立場は、変えられない事実だし。でも彼は、”恋人“として、その気持ち一つでそんな隔てを越えて来てくれる。僕はそんな彼の深い愛情に救われたんだ」


セツナ「…へぇ~」


只静かに聞き入っていたセツナでさえも判る程に、語るティアの声色はとても穏やかで優しかった――。



セツナ「…ティアさんは、倖せ者ですよねっ!」


ティア「えっ?今度は何?」

にっこりと意味深に笑うセツナ。
その彼に、ティアは怪訝な顔を向ける。それに思わず吹き出してしまうセツナ。ティアは顔を赤らめ、ふてくされてしまった。



セツナ「あはっはっ!!ティアさん、顔が真っ赤ですよ?」


そう指摘されれば、普通に抗議する。


ティア「‥‥っ///セツナが急に笑うからだろっ!!」


セツナ「ぷふッ…!」


更に吹き出すセツナ。


ティア「~~っ!!///セツナァッ!!」


セツナ「‥ぅわっ!!」


とうとう口だけではなく、行動に出たティアに、軽く頭を叩かれ、驚きに声を上げるセツナ。
彼は慌てて謝るが、ティアはなかなか許そうとはしなかった。

腕を組み、唇を尖らせ不服を体現する。

困った様に焦り、土下座してでも許しを乞う軍主…。
何とも情けない姿だ……。


セツナ「ほんっとうにごめんなさいっ!!!許して下さいぃっ!ティアさぁんっ」

情けない声。


ティア「…………」


沈黙を貫くティア。
その眉間にシワが存在している限り、怒りは治まらないらしい……。
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