ザ・バトルッ!!
ティアとセツナのやり取りを、ササライは無言で見ていた――。
ササ「………」
地面に顔面を擦り付け、平謝りを繰り返すセツナ。
ルックは呆れ顔で、素早く呪文を唱え眩い光が現れたと同時に消えた――。
実はこの二人、セツナとティアが会話しだしたその瞬間に、耳をダンボの様にして盗み訊きしていたのだった。
そうとは知らずに、真剣に話し合っていたティアとセツナ。
今もルックが居なくなった事に気が付かない…。
必死の軍主の情けなさすぎる姿(声)に、とうとう根負けしたティア。
ティア「……はぁ…;もう良いよ。もう怒ってないからって、ええっ?!!」
振り返ったティアの目に映ったのは、顔面血だらけの軍主の姿…。
ティア「ちょっ…!血っ!セツナァッ!!血が出てるぅっ!!」
顔面血だらけのセツナを前に、慌てるティア。
顔面を強く(←ここ重要)地面に擦り付けながらひたすらに平謝りを繰り返していた事が原因と思われる。
ティアはその傷を、治癒魔法で処置しなきゃと思い立ったが、ある衝撃事実に気付く……。
ティア「ちょっ…嘘ぉっ!!今日、僕っ、回復魔法が使えないっっ!!セツナ!自分で……って、セツナァァ?!!」
溢れ出る血の量に、とうとうセツナは耐えきれずに倒れてしまった。
セツナ「……はれぇっ?何か……目が回るぅ~…」
ティア「セツナァ!!気を確かにっ!」
慌てふためくティア。
そこでふと、あることを思い出す。
ティア「!ルック!ねぇっ!ルック、セツナがっ」
振り返った先にはルックは居なく、ソコにはササライのみが立ち尽くしていた。
ティア「あ、れ?ルックは…??」
その言葉に、ササライは困った様に笑う。
それだけで、意味を理解したティアは更に慌てた。
兎に角、ホウアンに見せなきゃと、ティアはセツナを担ごうとした。
その時――。ティアの隣からスッと腕が伸びてきた。
そして、目を回し意識が白濁しかけているセツナの額に掌を翳すと、そこからほんのりと淡い光が漏れた。それと同時に、傷口が徐々に消えていく…。
ティア「っ?!……ササ、ライ……?」
驚いて自分の隣を振り返る。
ササライは、何も言わず倒れているセツナの傷口を治癒魔法で治してくれていた。――そんなササライの綺麗に整った横顔を、ぼんやりと見詰めていると、
ササ「?…大丈夫だよ。丁度僕、流水の紋章を左手に宿しているからねvV」
ティアの視線に気付いたササライは、穏やかに笑い説明した。
その微笑みを目の当たりにした途端、ティアの鼓動は大きく跳ねた。
ティアは、熱が一気に顔に集まるのを感じ、俯く。
その様子を見ていたササライは、首を傾げる。
ササ「ティア?」
心配そうな声の恋人に、ティアの心臓は更にバクバクと高鳴る――…。
ソレを気付かれまいと、ソロリソロリと身動ぎした。だがしかし、上手く動けない。
それもその筈…。
その原因が、自分の腕の中にいるセツナだと気付く。しかし、セツナは治療中……。不可抗力とはいえ、結果的には自分の所為で怪我をしたセツナを床に退かすのは気が引けた。
しかし……。
このままでは必死に隠そうとしている鼓動の音が、ササライに聴こえてしまう…。
そんな焦りが生じ始めた時だった――
ティア「……っ///」
ササ「…ティア?さっきからどうしたの?何か落ち着かない様だけども……」
心配そうなササライの声に、ティアは慌て首を振る。
ティア「っ…!だ、大丈夫っ。何でも無いよっ!」
それでも顔を上げないティアに、ササライは5秒位沈黙した。
そして、漸く口を開いたと思えば……
ササ「もしかして…。僕が君を放置した挙げ句、ルックと話してたのが気に入らなかったかい?;」
ティア「えっ?;」
全くの的外れな科白に、ティアは思わず俯いていた顔を上げる。
ササ「君が元気がないのはソレが原因なんだよね?」
ティア「……ぇ…っと;」
どうやらササライは、ティアの不可思議な行動を只の嫉妬して怒ってしまった…と勘違いしたらしい。
どこかシュンッ…としてしまった自分の恋人に、ティアは胸が締め付けられる思いだった。
ササ「………」
地面に顔面を擦り付け、平謝りを繰り返すセツナ。
ルックは呆れ顔で、素早く呪文を唱え眩い光が現れたと同時に消えた――。
実はこの二人、セツナとティアが会話しだしたその瞬間に、耳をダンボの様にして盗み訊きしていたのだった。
そうとは知らずに、真剣に話し合っていたティアとセツナ。
今もルックが居なくなった事に気が付かない…。
必死の軍主の情けなさすぎる姿(声)に、とうとう根負けしたティア。
ティア「……はぁ…;もう良いよ。もう怒ってないからって、ええっ?!!」
振り返ったティアの目に映ったのは、顔面血だらけの軍主の姿…。
ティア「ちょっ…!血っ!セツナァッ!!血が出てるぅっ!!」
顔面血だらけのセツナを前に、慌てるティア。
顔面を強く(←ここ重要)地面に擦り付けながらひたすらに平謝りを繰り返していた事が原因と思われる。
ティアはその傷を、治癒魔法で処置しなきゃと思い立ったが、ある衝撃事実に気付く……。
ティア「ちょっ…嘘ぉっ!!今日、僕っ、回復魔法が使えないっっ!!セツナ!自分で……って、セツナァァ?!!」
溢れ出る血の量に、とうとうセツナは耐えきれずに倒れてしまった。
セツナ「……はれぇっ?何か……目が回るぅ~…」
ティア「セツナァ!!気を確かにっ!」
慌てふためくティア。
そこでふと、あることを思い出す。
ティア「!ルック!ねぇっ!ルック、セツナがっ」
振り返った先にはルックは居なく、ソコにはササライのみが立ち尽くしていた。
ティア「あ、れ?ルックは…??」
その言葉に、ササライは困った様に笑う。
それだけで、意味を理解したティアは更に慌てた。
兎に角、ホウアンに見せなきゃと、ティアはセツナを担ごうとした。
その時――。ティアの隣からスッと腕が伸びてきた。
そして、目を回し意識が白濁しかけているセツナの額に掌を翳すと、そこからほんのりと淡い光が漏れた。それと同時に、傷口が徐々に消えていく…。
ティア「っ?!……ササ、ライ……?」
驚いて自分の隣を振り返る。
ササライは、何も言わず倒れているセツナの傷口を治癒魔法で治してくれていた。――そんなササライの綺麗に整った横顔を、ぼんやりと見詰めていると、
ササ「?…大丈夫だよ。丁度僕、流水の紋章を左手に宿しているからねvV」
ティアの視線に気付いたササライは、穏やかに笑い説明した。
その微笑みを目の当たりにした途端、ティアの鼓動は大きく跳ねた。
ティアは、熱が一気に顔に集まるのを感じ、俯く。
その様子を見ていたササライは、首を傾げる。
ササ「ティア?」
心配そうな声の恋人に、ティアの心臓は更にバクバクと高鳴る――…。
ソレを気付かれまいと、ソロリソロリと身動ぎした。だがしかし、上手く動けない。
それもその筈…。
その原因が、自分の腕の中にいるセツナだと気付く。しかし、セツナは治療中……。不可抗力とはいえ、結果的には自分の所為で怪我をしたセツナを床に退かすのは気が引けた。
しかし……。
このままでは必死に隠そうとしている鼓動の音が、ササライに聴こえてしまう…。
そんな焦りが生じ始めた時だった――
ティア「……っ///」
ササ「…ティア?さっきからどうしたの?何か落ち着かない様だけども……」
心配そうなササライの声に、ティアは慌て首を振る。
ティア「っ…!だ、大丈夫っ。何でも無いよっ!」
それでも顔を上げないティアに、ササライは5秒位沈黙した。
そして、漸く口を開いたと思えば……
ササ「もしかして…。僕が君を放置した挙げ句、ルックと話してたのが気に入らなかったかい?;」
ティア「えっ?;」
全くの的外れな科白に、ティアは思わず俯いていた顔を上げる。
ササ「君が元気がないのはソレが原因なんだよね?」
ティア「……ぇ…っと;」
どうやらササライは、ティアの不可思議な行動を只の嫉妬して怒ってしまった…と勘違いしたらしい。
どこかシュンッ…としてしまった自分の恋人に、ティアは胸が締め付けられる思いだった。