はじめて君としゃべった
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宿が決まり全員で商店にある食事処で少し早めの昼食をとった後、大人たちは商いを始める。
普段はにこも店を手伝うが今日は別である。
なんと言っても「人生初の砂隠れの里」だ。
探検せずには居られない。
昼食前からそわそわしはじめた孫の様子から、祖父母はこれから何が言われるかを予感していた。
「おじいちゃん!おばあちゃん!ちょっとだけたんけんしてくる!!!」
食べ終わったにこが勢いよく言うと、祖父母は「ほら来た」と顔を見合わせた。
それに「ちょっとだけ」ではない。
出かけたら遊びに夢中になって長らく帰って来ない事が目に見えている。
同盟国とは言えここは他国の忍の里。
万が一のことを考えると心配だ。
にこをどうやってたしなめようかと考えていた祖母に
「ツツジ、にこは言っても目を盗んで遊びに行くだろう」
と苦笑いをしながら祖父は言う。
わかってはいるが心配だ。
にこは息子夫婦を失った二人に遺された唯一の希望なのだから。
そんな妻の気持ちを察してクロモジはにこに手招きをした。
「にこ、こちらにおいで。」
にこが座敷で胡座をかいた祖父の前に立つと、首にお守りを掛けられた。
「道に迷った時、危ないと思った時、痛い時、怖い時。困ったことがあったら直ぐにチャクラを練るんだ。おじいちゃんが直ぐに駆けつけるからね。」
きちんとにこが自分達に助けを求められる様に具体的に話す。
「それと知らない人には絶対について行かないこと。人がいないところにも近づいてはダメよ。」
にこはまだ5歳にならないが、優秀な忍だった祖父母から忍者になる為の教育を少しずつ受けている。
今回の旅もこうなる事を予想していた二人から、移動している間にチャクラの訓練をする様に言われていた。
まだまだ上手くは出来ないが、子供ながらにチャクラを練り、クナイや手裏剣を投げる姿は忍者だった。
「うん、にこちゃんとできるよ!夕やけチャイムがなったら帰ってくるね!」
二人の前で練習でチャクラを練ってみせたあと、にこは座敷から降り靴を履いて店を飛び出して行った。
夕やけチャイム……
やはり「ちょっとだけ」では無い様だ。
祖父母は心配そうに笑った。