HKG↔︎ICN
朝、目を覚ますとリュウが隣に居なかった。
自分より先に目を覚ますのは珍しいのに、なんて思いながらナイトテーブルに置いてある水を口に含んだ。
腹も空いていないし起き上がる理由も特にない訳だから少しベッドでぼんやりすることにした。
しばらくぼーっとしていると、ふとふわりといい匂いがしてきた。
リュウは何か作っているのだろうか。
ふらふらと台所に向かうと、彼は何かを煮込んでいた。
「何を作ってる」
少しびっくりしたような顔でリュウは言う。
「あ、ああ、起きてたのか。久しぶりにスープが食べたくなって」
鍋の中を見ると、混濁した湯にゴロゴロしたジャガイモと人参、肉、トマトのような物が入っていた。
しかし具がでかすぎじゃないか?
味の見当もつかないが、正直美味そうだ。
「食うか?美味いぞ」
によと笑うリュウを見ると断る気力も失せた。
陶器製のレンゲで一口すくった。
ジャガイモがかなり熱かったが、ゴロゴロした具が腹にたまり、とても美味しい。
リュウの料理は全て旨いが、これは格別だった。
「俺の1番の得意料理、どう?」
こくりとうなずいた。
「もっと……早く食べたかった」
と文句もこぼした。
はは、と軽く笑う彼。
「そんなに美味かったか、よかったよかった」
ご機嫌に新聞を読み出した。
その様子を見て、ちょっと恥ずかしいことを言ってしまったかもしれないと思ったと同時に、顔に熱が集まるのを感じた。
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