クラスにひとりはいるブス、それが私
汚いとか太ってるとかじゃなくて顔がブス
そんな自分が酷く醜く見えたのは短い期間で、祖父の『自分に正直な人間でいなさい』と言われてからはブスはブスでいいんだと幼いながらに理解した。
友人にも恵まれ幸せな生活を送ってきた。

ブスは何かと便利で、ナンパはされないし、からかわれることも無い。弄りはあるが愛がある。自虐とかそういうのではなく、ブスはとても良いと思う。
ブスだからといって面接で落とされるわけじゃないし。

ヒーローには憧れたが、私の個性じゃ活躍できるような舞台は用意されていないことはすぐに分かり、高校は普通科へ進学。
ヒーローになれないのならばヒーローに近いところで仕事をしたいと考え、警察官を目指した。

警察学校では普通の成績で卒業し、気づけば華の20代が終わろうとしている。都では28歳前後が平均結婚年齢らしいので、そろそろ結婚できたらいいなと思っていたら、花嫁はみんな綺麗で私が立つ舞台はここでも用意されてなかったことを知った。

そして長年勤務していた土地を離れることになった。
隣の区に移動なだけなのだが、仲良くしてくれた人達と別れるのはすごく寂しい。
私の地域はチャージズマが担当で、彼は女の人を誰構わずお茶に誘うと思われてるが、私のことをお茶に誘ったことは1度もないし、ましてや名字すら覚えられてない。
よって彼は正直な人間であり、可愛い人が好きということが分かった。彼は何も悪くない。

移動する地域は爆心地とショートのイケメンヒーローが担当なので、彼ら見たさに若い女性が多いらしい。
そんな要因から女性が被害に遭うことが区ではNO.1。そこで私のような女警察を必要としての移動だと聞いている。

私の個性は メモリー 対象物に触れるとその物の記憶がわかる。これはなかなか便利で警察という仕事は私のための仕事なのかと錯覚してしまうほどだった。