pkmn短編
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ここは名無しの家。あ、また来た。ほぼ毎日だなこの人。いいんだけども。
「よぉ名無しー!」
『おーこんにちはキバナさんっぐえ』
容赦ないキバナさんのハグという名のタックル&羽交い締めに仰け反りかけるがサイトウさんに鍛えて貰っているんだ。負けてられない(何がだ)
「なぁなぁー!名無しっていつからピアス空けてるんだ?」
いつもの優しいタレ目が私の耳に光るピアスが気になったようだ。
『え?えーとハイスクールの時だったかと思いますが。』
「ふーん」
『??そーいやキバナさんもピアス空いてますもんね。シンプルだけど高そうな感じ?いつからです?』
「やぁーん♬オレ様の事知りたいー?名無しちゃんもオレ様のファンになっt」
『別にいいですみんなあっちいk』
「すいません聞いてくれて嬉しかったの聞いてお願い聞いて」
『…はいはい;;;』
外でポケモン達を連れてブラッシングをしながら私は耳を傾ける。
キバナさんも手持ちを出して近くのベンチに長い足を伸ばして寛ぐ。
「んーオレ様はエレメンタリーの時だな。」
『え、チャラ』
「引くな引くな;;まぁー早く大人になりたかったんだろうなあん時のオレ様」
すると暫くの沈黙が訪れた。不思議に思ってキバナさんの顔を見てみるとどこか遠くを見つめていた。
あの時からオレ様必死だったなー。振り返ると懐かしい思い出の数々。その中に突如入り込むダンデの姿。アイツに一度も勝てずに毎日悔しい思いをして必死に対策も練ったし勉強も励んだ。なのに勝てない。だから意地を張ってピアスを空けたんだ。子供ながらの意地。
今となっては懐かしいと笑える。ま!今も全く勝てなくて悔しいのは変わらないがな。誹謗中傷が増えたくらい?えぇ何それ笑えねぇ。
と、いろいろ考えてたら暫くぼーっとしていたようだ。空を見ていたはずなのに影がかかってハッと正気を戻すと彼女が心配そうにオレ様の顔を伺っていた。
珍しい顔を見た。少し心配そうな顔。やべー可愛い。無意識に彼女の頬に手を伸ばして触れた。
ビクッと彼女は驚いたが逃すまいと思った気持ちが伝わったのか素直にオレ様の手を受け入れた。
いつもなら適当に流されるのに今は素直に受け入れてくるこのじゃじゃ馬娘。
「なぁ名無しにピアス贈っていい?」
彼女はちょっと驚いた顔。また珍しい。最高。
『えー;;;金がある人はほんと簡単にそんな事言うんですねぇ。』
「ははは。でもオレ様のこれは全然高くねーぞ?だってエレメンタリーの時から使ってるもん。」
『へー』
スッと離れた彼女の頬。手が寂しく空を撫でる。
『それなら別に、貰っても良いですよー。』
バッと身体を起こして彼女を凝視した。
そしてオレ様の頬がどんどん緩んでく。
だって、なんかオレ様のこのピアスと同じなら良いよって言われたみたいだから。
彼女は後ろ姿しか見えないもののその耳は真っ赤だった。
「あーもう!名無しー好きだー!!!!」
『いいからほら早くブラッシング手伝って下さいよ!!!』
「はーい!!!」
早く諦めてオレ様に捕まってくれよ!!
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