pkmn夢キバナ(停滞中)
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あれから数日が経った。
俺様は相変わらずの日々を過ごしてはいるんだが、忙しくない時はワイルドエリアに頻繁に訪れるようになった。
最初は何故だかわからなかったが何回か訪れてようやく分かった。俺様は彼女の事が気になってしょうがないのだ。一度だけ出会ったルギアを友とする彼女に。もう一度会いたいが為に目が覚めた時に居たワイルドエリアを軽く血眼になりながら散策している。
でも見つからない。それと言った手がかりも全く無し。唯一彼女と接点がある俺様の手持ち達にも聞いてみたがぷいっとそっぽを向いてまるで相手にしてくれない。
なんでだよ!可愛いけど凹むぞ!!
そうして時間だけが流れていった。
とある日の昼。昼食を外で食べようとナックルジムを出ると。
女「あら、キバナじゃないの。こんな時間に会えるなんて。」
あれ、どっかで見た覚えの…
女「やぁね、ポカンとしちゃって。あの時の事、忘れちゃったの??」
と、スッと俺様の胸元に手を擦り寄せくっついてきた。あぁ思い出した。この間酒屋にいた女だ。あの後いつもの様にホテルへ行ったんだっけか。それからはー、あー、
ふとよぎったのは名も知らない彼女の事。
この女に会って思い出したがその日はそのまま朝を迎えずフライゴンに乗って帰っている途中だったんだ。
だけどいつもならフライゴンから落ちる事なんて無い俺様があの時は落ちた。
そこからはきっとあのルギアがお節介をやいてくれたんだと想像がつく。
胸元で吐息混じりに寄ってくる女の事などつゆ知らず思い出に浸っていたのが気に障ったのかムスッとした表情を浮かべながら女は俺に囁いた。
女「ねぇ?私達身体の相性抜群だったと思わない…?今夜もどう…?///」
そう聞いてくる女にちょっとめんどくさいと思いいつも通りにブチってやろうと口を開けた瞬間。
固まった。
俺様の視線の先には1人の地味な女。
だけどわかった。ずっと探してた女だと。
だけど自信がなくなる程の地味な格好。本当にこの間出会った女だろうか??
と言うか何故此処に?荷物を持っているから買い物かなんかか?てかずっと探していたのにこんな近くにいたのか?俺様馬鹿みてーじゃん。
そう思っていたら彼女が何かを見つけた様だ。嬉しそうにそちらに向かって手を振る。あぁあの顔やっぱりあの時の彼女だ。
けどなんだよ。相手がいるんじゃねーか。
「ちっ」
「ちょっと、何?イラついてんの?」
あれ。なんで俺様舌打ちなんか。なんだかモヤっとしたんだ。
せめて彼女にあんな笑顔を向けられている奴をしっかり覚えてやろう。それが男だったら、ちょっとお話でも聞こうかな。
そう思いいつもの垂れ目がすっかりつりあがってしまっているのも気にせず彼女が手を振る先を見ると。
「…え?」
あれって。
カブさん…!?!?!?
なんでなんで!?ちょっ、え、!?
またまた身近に彼女を知る者がいて動揺しまくる。そんな俺様の事なんか気づくわけもなく2人は談笑をしていた。待って俺様もその中入りたい。
「ねぇちょっと!キバナ聞いてんの!?」
あ、忘れてた。
「悪いが俺様あんたとはアレっきりだから。わり!」
じゃ!と振り払い駆け足でカブさんと彼女の元へ行く。後ろから「はぁ!?なんなのよー!!!」
とキレる女の声が聞こえたが無視だ。
ずっと探していたものが見つかったんだ。
逃すわけにはいかないんだよ…っ!
そう思った瞬間。
「誰か!子供が!」
「!」
バッとルートを切り替えすぐさま叫んだ人の元へ。
「何処だ!」
「ジムリーダーのキバナ!?」
「子供は!?何処だ!」
「あ、あそこだよ!キテルグマの群れに追いかけられている!!」
「!」
今の時期のキテルグマは繁殖期で気性が荒い…見つけた奴の指す方向に一生懸命逃げている子供がいた。あぁやばいぞ。
すぐにフライゴンを出そうとボールに手をかけたその時だった。
ーーーーー♬ーーーーーーー♬
後ろから歌声がすごいスピードで近づき横切った。
『ルギア。』
「なっ!?」
横切り柵に手を掛けた彼女はそこから飛んだ。
だけどここはワイルドエリアを一望できるナックルシティだ。落ちたらひとたまりもない。
はずなのに。
彼女は怪我一つなくフワリと浮かんだ。
あの伝説のポケモンの背に乗って。
一連の行動に俺はだらしなくポカンと口が開く。
カ「キバナくん!」
「はっ!カブさん!!あの娘は!?」
カ「それは後で話すからとにかく今はアッチだろう!?」
そりゃそうだ。すぐさま俺様もフライゴンを出して飛び乗る。カブさんには救出後の準備を進めてもらう。
数秒の差しかないがルギアの元へ行くと彼女は子供とキテルグマの間に飛び降りた。
『大丈夫!?』
子「っうえ、お姉さんっ…」
限界が来た子供は彼女にしがみついて号泣した。
だが目の前にはキテルグマの群れ。
どうする。
『ルギア!サイコキネシス!』
するとあの群れ全ての動きを止めた。
そしてルギアが圧をかけるように咆哮をすると怯んだキテルグマ達のサイコキネシスは解け皆そそくさと散っていった。
すげぇ。子供には申し訳ないがまた彼女とルギアに見惚れちまった。興奮したまま彼女に声をかける。
「やるじゃねぇか!」
『!』
バッと此方を見た彼女は警戒の目をしていたが俺様とすぐにわかったのだろう。ふぅとため息を吐いた。んだよ。キバナ様を前にその態度か。つれねーな。フライゴンから降りて状況を確認した。
「少年、怪我は?」
『ちょっと擦りむいた程度の様です。』
「おーそうかそうか。ワイルドエリアにはもっと強くなってからチャレンジするんだぞ?じゃなきゃこうなっちまう。な?」
よしよしと頭を撫でてやると涙腺崩壊した少年は一生懸命頷きながら泣きじゃくった。
『ジムリーダーキバナ。この子を連れて行ってあげてくれませんか?』
「?別に構わねぇーけどお前は?」
『そろそろルギアを狙って人が集まるかと思うのでここを離れます。』
そう言いルギアの背に乗ろうとする彼女の手を俺様は何故か掴んでいた。
「戻ってくるか?」
何言ってんだ俺。
彼女は手を掴まれた事で驚き目を見開いて固まっていたがすぐに
『ルギアを無事に送ったら戻ります。』
と俺の目を見てはっきり言ったので満足した俺はゆっくり彼女の手を離した。
フワリと上空へ飛んでいくルギアと彼女を見送る。するといつのまにか泣き止んだ少年が。
少「……キバナってあの人好きなの?」
「おいガキんちょ。おめーにゃまだ早い。」
そう言い返してさっきより強めに頭を撫でてやった。