金カムの世界へ飛んで行く
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「うわぁきたよこの展開」
なっつかしーなぁ卒業式に着たコレ。
俗に言うハイカラさん?
いや待ってココでは俗に言うのだろうか?
ここだって
「なーんか2次元で見たもんね」
でっかい独り言を言いながらその場を後にする。これでも窮地に立たされたら悪知恵でもなんでも考えてその場を切りぬけようとするのは得意なのだ。
勘で歩いてみたら街っぽい所に出た。
そら奇妙な目で見られるよな。
卒業式で着る用のハイカラさんなんてこの時代からしたらそらぁ派手な訳で。
なるべく人目につかないようにいくらか人通りの少ない道を選んで歩いてみる。
ふと前方を見るととある門構えの前で子供がアワアワと焦っているのが視界に入った。
拳を握りしめて、どうしようか迷っている様子。
名無しさん見捨てられないわ。
「ねぇねぇ。」
子「ひぃっ!?」
こちらの気配に気付かなかったのか。肩を優しくポンポンしただけなのに怯えられちゃって。なんかごめん。
「門の前で何してんの?なんかあった??」
大丈夫かい?と声をかけると何故か涙を滲ませる子供。えぇもうなにごめんて。
子供「に…ゃん」
「ん?」
子供「にゃぁちゃんが…!」
この子が指差す方に視線を移すとまぁ見事に登りやすそうな木に猫が。ありゃぁぶさかわだなおい。
「にゃーん、にゃーん、」
「にゃーんてお前…;;;。…?見たところあんた腕っぷしありそうじゃない?なんで助けに行かないの??高いところ怖い?」
子供「怖くない!!!!!!」
「おっと耳がしんどい」
子供「木登りなんて大得意だ!…でも…ここは…」
「にゃっ、」
子供「ぁ“!にゃぁちゃん!」
ここに入れないってこと?そんな事考えてたら猫が枝の先端の方に移動してバランスを崩しそうになっているではないか。
入れない?そんなの知るか。猫捕まえたらこんな入ってくださいと言わんばかりの門構えさっさとおさらばしてやる。
名無しは子供の頭をわしゃっと人撫でし、走って木に飛びつく。子供の驚く声を後ろに感じながらどんどん登って行く。
おうおうなかなか行けるではないか。
「ほーれ、こっち、おいでー…っいでっ引っ掻くなよ〜」
なんとかヒョイっと抱きかかえると子供に手を振る。よかった。ホッとした顔して。
あれ?なんかまた青ざめてない??
?「貴様!!そこで何をしている!!!」
ビクゥッ!?
もう冷や汗ダラダラよ。
恐る恐る下を覗くと。
?「何をしていると言っているんだ!!答えなければ女子供であろうとも尋問を…女学生か?」
あっれー?ここってあーそーこー?
褐色の肌に艶のある黒髪。
そして何より。
変な眉毛。
わかるぞこれ。あの世界だ。
?「いくら女学生の者であろうとも此処は第七師団の宿坊と知っている筈では?しかも女子ともあろう者がなぜ木登りを…」
ぶつくさ言ってる変な眉毛のお兄さんに返事をするように腕の中のぶちゃカワにゃんこが鳴く。
それに気付いて一瞬止まった変な眉毛のお兄さん。そして呆れたようにな視線をこちらに移せばまたブツブツ説教まがいな事を言う。
「猫を捕まえようと思ったとはいえ、一声かけてくれればよかったものの。はしたないぞ!」
あーもうわかったようっせい。
そう思い適当に謝ってさっさと退散しようと着地する場所を値踏みしていると。
?「ん」
「…?」
?「早くそこから飛べ。受け止める。」
なんと両手を広げ私にそこに飛び込めと言うではないか。紳士か。
だけど腕の中にいるにゃんこがもそもそと動いて上手いこと収まってくれない。
鯉「では猫を先に寄越せ。それから降りれば安全だろう。」
と案を出してくれたものの、何故か猫はこの人が好みでないらしい。ものすごい爪を立てて私から離れない。
とうとう痺れを切らしたのか、盛大なため息が下から聞こえる。
?「だー!猫なんぞ放ってしまえ!上手く着地出来ると聞いたことがある。できるだろ!」
…あ?
放れ?今放れって言った?
ちょっとぉ?お口悪くない?
名無しさんカッとなってねあんま覚えてないんだけどね。
?「やっと飛び降りる気になった…え?」
子供が見てたんだわ。
軍人さんにドロップキックかましたんだって。私。
猫を抱えてとうっと飛べば変な眉毛軍人の顔面にヒットさせ着地した。
「胸糞わりぃんだよ変眉(へんまゆ)」
そう吐き捨て脱兎の如く走る。
途中門の前にいた子供の手を引いて走る走る。
白目向いてたから追ってこないと思ってたら。
?「おのれ…貴様ァ…」
早ぇよ起きんの。確かあの眉毛は…
?「キエエエエエエエエ!!!」
クッソ運動神経抜群だった。
無理だ追いつかれる…そう思ったが。
子供「お姉ちゃん!あの人!なんかもう追ってこないよ!」
何故?そう思って振り返ったけど確かにいなかった。
「(どっかに隠れてるかもしれない…)」
と警戒しながら歩いたものの、その日はもうそいつを見ることはなかった。
ていうか
「金カムの世界だぁ…」
すごいとこに来てしまったって自覚持った。
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