血界戦線の世界へ飛んで行く
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時は戻って。
ザ「待てゴルァあああああああ!!!」
此方は運良くまだ逃げ切れている。奇跡か。
つか、なにアイツ焔丸振り回してんの?!周りを蹴散らすように振り回して追ってくる。
『お断りじゃぁあああ!!大体あんたねぇ!!一般市民まで巻き込んで武器を振り回すんじゃないわよー!!!』
ザ「うるせぇえ!!だったら逃げんじゃねー!!」
『武器を振り回して追ってくる奴からは逃げるに決まってんだろーがぁぁああああああ!!!』
バカヤロー!!!!!と叫びながら逃げ続ける。それまたカチンときたザップもさらに追いかける。
『はぁ…はぁ…』
そろそろ、限界がきたようだ。いつの間にか公園に来ていたようで、いつもの皆が私を見つけて寄ってきてくれる。だけど、今の私の状況を見て心配をし始めた。
『みんなっ…はぁ…ごめんねぇ〜…私は大丈夫だから、少しはなr…』
ザ「見つけたぞ!!!オラアアア!」
げ。こんな時に。このままじゃこの子達が巻き込まれてしまう。とっさに彼らの前に出て守る体制をとったが、私にザップの攻撃は当たらなかった。
何故と目を開ければ、
ズザァァー!!
『!?!?!?』
友達が瞬時に私を庇ったのだ。ザップの攻撃に当たって怪我をした子達が私の後ろに飛ばされていく。
苦しそうな友達。
なんで私なんかを。
痛そうで、辛そうで、
その光景を見た瞬間、
私の中で何かが外れた。
ザ「へっ!俺様に楯突くようなマネするからだ!まぁかすり傷程度n『…まれ』あ???」
私にガンを飛ばそうとするザップ。その瞬間に私は彼の胸ぐらを片手で掴み持ち上げていた。
ザ「…ぐっ…がはっ」
驚きで逃げ出せなくなったザップにさらに告げる。
『謝れって言ってんだよ。』
ザップを睨む目は先程の女と同じなのかと思うくらいギラつき、射殺そうとする目だった。ザップはなんとか女の腕を叩き、後方へ後ずさる。
ザ「はぁ、はぁ…テメェ…何者だ。バケモノか?」
『うるせぇ。謝れ。』
ギンっとさらに睨まれる。
『私の…やっとできた友達を傷付けたな…私の…大切な友達を!!!』
女は怒りに任せて弓を構え矢を継ぐ。
『謝れない奴は…同じ痛みを味わえ』
そして矢を放った。
『ーーーーー"分散!"ーーーーー』
彼女の言葉に1本の矢は突然分散しそれは糸を通した針のようになり襲ってくる。
『ーーー"そして絡まり、同じ痛みを"ーーー』
さすがに数本は当たるかもしれないとザップは目を瞑った。
が。
矢は彼に当たることはなかった。
「大丈夫かね!!ザップ!」
クラウスがザップの前で守り、他は弾丸や氷によって撃ち落とされていたのだ。
ザ「だ、だんなぁ〜。助かった〜。」
と座り込むザップ。クラウスはザップに怪我がない事を確認し、またすぐに正面に向き直る。だが目の前に彼女はいなかった。
ス「クラウス!上だ!!」
いつの間にか彼女は上に高く飛び上がっていた。
『何を安心してんのこのクソザップ。私の友達に謝れっつってんだろ。このクソったれ!!』
ビュン!
頬を弾丸が掠った。血がツゥと流れるが全く気にしていない茜。
クラウスも弾丸に気付いたのかk・kに撃たないでくれと叫ぶ。その瞬間に彼女は弓を叩き付けるようにぶつけた。
が、受け止めたのはクラウスだった。
『フーッ!フーッ!!』
彼女はまるで獣のように、私を睨みつけた。目を見ると、怒りと悲しみが入り混じる瞳に私が映り思わず息を飲んだ。
一瞬、そんな彼女を美しいと思ってしまった事にまたあの時の様に動揺してしまったのだ。だがこのまま逃したらマズいと身体が判断し、攻撃を受け止めた後すぐに彼女を抱き締めた。
「「「「「!?」」」」」
周りにいたメンバーは驚きを隠せなかった。
だが、クラウスの言葉に静かに耳を傾ける。
「どうか、落ち着いてください。ミス。先程お話は伺いました。私の仲間が貴女の大切な友人を傷付けた事。本当に申し訳なかった。彼に代わって謝らせて頂きたい。本当に申し訳ない。」
心からの謝罪を述べたクラウス。
だが、この後の彼女の言葉が予想外で押し黙ってしまった。
『あんたが謝って済むもんじゃない!!!』
「!!」
『友達を傷付けたのはアイツだ!!アイツがあの子達を傷付けたんだろうが!!!!!だからザップ!!お前が謝らなきゃ意味がない!!!』
初めて出会った時と全く違う彼女にやはり驚いてしまう。未だに腕の中で暴れ興奮が冷めぬ彼女に、開放する事も出来ずにオロオロするクラウス。
端から見たら滑稽だが、腕の中の彼女を解放したら何が起こるかわからない。
皆どうしたらいいか悩んでいたら、シュッとクラウスの肩に白い毛玉が現れた。
レ「あ、ソニック!!!危ない!!」
どうやらクラウスの肩に乗ったのは音速猿ことソニックのようだ。
彼は一生懸命目を合わせようと動き回る。そして彼女の頬に触れた。すると。
『あ…ソニックちゃん…?』
「ウキュ!ウキュキュー!」
ソニックに気付いた彼女の瞳がみるみる以前見たモノに戻り、力が抜けて行くのがわかった。クラウスはホッとし、そっと彼女を離した。
一瞬座り込んだ彼女だったが、ソニックが頭をすり寄せた瞬間『あの子達が!』と、動物達の元へ駆けて行った。
その瞬間にメンバーが皆クラウスの周りに集まる。大丈夫だと答えるクラウスはふと、彼女の方を見る。
彼女は動物達を手当てしようとしていた。
手伝おうと彼女に近づこうとするが、冷たく悲しそうな言葉で制された。
『ここから出てって下さい。』
此方を見る彼女は今にも泣きそうな表情だった。そんな彼女から目が離せない。
胸が苦しくなる。
ス「申し訳ないがそうもいかn」
「わかりました。」
ス「クラウス!!!」
私は深々と頭を下げる。
「今回は本当に申し訳ありません。また、日を改めて参ります。どうかお許しください。」
『…私は逃げませんから……とりあえず今は出ていけ。』
彼女は再度瞳に怒りを表して睨んだ。
私は渋々と言った表情の仲間を連れて帰った。
ギルベルトの車に乗った後、最後にもう一度彼女を見た。
怪我をした友人に泣きながら一生懸命『ごめんなさい』と謝る彼女を見て苦しくなる胸を手で押さえた。