pkmn夢セキ
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この日はあいにくの雨。
「おい;;本当に行くのかぁ?」
まだ乾いてないよ?とヨネさんに言われたが、十分ですよ!と袖を通した調査服。
着替え終わると冒頭の言葉をセキさんが投げかけてきた。
「雨の時に出るポケモンもいるそうなので!絶好の調査日和です!」
「あー;;わーったわーった;;;だが、くれぐれも無理は禁物な?なんかあったらすぐに戻ってこいよ?」
「わかりましたから;;では行ってきます!」
とてもじゃないが外に出るには好ましくない程の雨の中名無しは嬉しそうに駆け出して行った。
どんどん強くなる雨。
風も荒れ始めている。
この集落の人間でもあまり外には出やしないのに名無しは大丈夫なのか?
探しに行った方が....!!と意を決して立ち上がり扉を開けると集落の入り口に名無しの姿が見えた。
バシャバシャと泥を跳ねさせながらも両手一杯のボールを抱えて戻ってくる名無しに安堵したと共にすぐに駆け寄るセキ。
「大丈夫だったか!心配したんだぞ!?」
「あ、はい問題なく!無事に本日の調査は終了です!(嬉」
「ったく;;;(苦笑)とにかく早く戻るぞ!!」
「お、うぇ///;;;」
名無しのボールを半分片手で抱え、もう片手
は名無しの腰を抱いてセキは急ぎ天幕へ戻った。
「すいません;;セキさんまでビショビショ;;;;」
「んなこと気にしてんならさっさここで脱いでから上がった方が後片付けが楽だぞ?」
「は!?///いやでも、セキさん急に脱がないでくださいよ!!!!////」
振り向いたら既に上半身裸を晒すセキに困惑する名無し。
「ん?なんだ男の身体見るの初めてか?(ニヨニヨ」
「いや、ハマレンゲ先生が初ですね」
「あぁアレな。って即答しなくていいんだよ。」
「すいませんなんか答えたくなって。」
「んじゃ俺の裸見たところで大した事ねぇだろ?てかこないだ風呂の時....」
「いやそれはちょっと思い出さなくていいです!////....えっと....とにかく服、着て....くだs///」
まさかそんなに恥じらわれるとは思わず、セキの何かしらのスイッチを押してしまったようだ。
じわじわと近付き、気づいたら壁に追いやられ名無しの頭上スレスレに肘をつきグイッと覆うように顔を近付け見下す。
「!」
「名無しにならいくらでも見られていいんだがな。」
「何...///」
「なんならこうやって触ってもいいんだぞ?」
と耳元で囁き、名無し手を取り自分の胸に触れさせた。
瞬間。
バタン!!!
「え」
名無しはぶっ倒れた。
「は?え、おい!?」
よく見ると息が上がり苦しそうで....
「完全に風邪だ。」
「す、すいまぜん;;;///」
「もういいから起きあがんな;;俺も悪かった;;」
ぶっ倒れた名無しをすぐに診てもらったら風邪だと言われ先ほどの会話に戻る。
だからか、あんなに素直に赤面して抵抗しなかったのは。
名無しの健康管理不足もあるが自分にも責任はあると反省するセキ。
ヨネやばーちゃん達に名無しの身なりを整えて貰い、その間薬やら何やらの看病方法を教わっておく。
名無しはだんだんと熱が上がっていき呼吸も苦しそうだったが教わった看病が上手くいったのか少しずつ落ち着いてきたようで規則正しい寝息が聞こえた。
「うし。ちょっと水桶変えてくるからなー....」
と汗ばむ額の髪を少しはらい、小さく声をかけて天幕を後にするセキ。
バクフーンも心配して出てきてるから寒くはないだろう。
外はすっかり雨も止み、満天の星空が空を埋め尽くしていた。
「もうこんな暗かったのか;;」
と呆けてる場合じゃなかった。素早く水を汲み名無しのいる天幕へ戻ると、
「?」
「っグスッ、グスッ」
名無しが泣いてる...?
何事かと思ったセキは桶をほっぽって急いで扉を開けて叫んだ。
「どうした!!!」
驚いた名無しはポロポロ溢れる涙を拭く余裕もなくただ固まっていた。
すぐさま駆け寄り大丈夫か!?とオロオロするセキ。
そんなセキを見て名無しはハッとして涙をぐしぐしと拭こうとするが、そっと掴まれ止められた。
「強く擦ろうとすんな。ほら。」
そっと手拭いで優しく拭ってくれるセキにされるがままの名無し。
「落ち着いたか?」
「...急にすいませんでした;;;;」
「ん。何があったのか聞いてもいいか?」
そう言いながら名無しの背をさすって答えを待つセキ。
暫くの沈黙があった後、名無しがポツリと溢した。
「その、これはいつもの事なんです....」
「?」
「この世界に来て最初は慣れないのもあってか体調崩す事が多かったんです。でもポケモン達に移ってしまったら嫌ですし、頼れる方がいた訳では無いので薬をいただいたら治るまで宿舎に一人で籠るんです。最初はやっぱり心細くて泣いてたんです(苦笑)あ、でも今は皆さんの事とても頼りにしていますよ?.....でもやっぱり移したくないから、ポケモン達は牧場に預けて治るまで籠るってのを繰り返してたらつい癖になってしまったようで(苦笑)」
「なら俺にしろ。」
「セキさん....?」
真っ直ぐな瞳でそう伝えるセキに名無しは驚く。
「少しでも体調悪けりゃ俺を呼べ。絶対に行く。」
「それは....リーダーのお務めをお邪魔する訳には行かないですよ;;;」
「俺は名無しに頼られたい。」
「!」
「俺を誰だと思ってんだ?おめーさんもリーダーの務めもどっちも疎かにするわけねぇだろ?おめーさんに必要とされたい。できればおめーさんの1番にな。」
とポンと名無しの頭を撫でながらニッコリ笑ったセキ。
「っ....えと、はい...ありがとうございます...考えときます...////」
「応!ま、コトブキ村にはヒナツも居るしなんかありゃすぐに俺の耳に入るから隠すなんてできねぇけどな♪」
「おっふ;;;」
「さて、もっかい水汲みに行ってくるから横になっときな!」
そう半ば無理やり横にさせ再び水を汲みに行こうとするとクンッと何かに引かれ振り向いた。
「あっ....;;;なんでだろ;;;;」
名無しの手によって裾を引かれたのだが当の本人は何故こんな事をしたのかわからず混乱している様子。
「ごめんなさいあの気にしないdぶはっ」
グイッと押しつけられたのは引っ張っていたセキの羽織。
「絶対すぐに戻る。だからこれ持って横になってろ。な?」
そう頭を撫でるセキの優しい表情に名無しはなす術なくただポッと頬を染めた。
コクンと頷くとセキはニコリと笑い桶を持って外へ出ていった。
「〜っ/////アレは反則だろ....ッ!////」
今まで見た事ない素直になった名無しの表情を思い出すだけで顔が熱い。
だけど早く戻ると約束した。
急いで水を汲み、ついでに顔を洗い気持ちを落ち着かせてから天幕へ戻る。
「!////あ゛ー......./////」
冷静?無理だろ。
布団の中に居る名無しはセキの羽織をぎゅうと抱きしめスヤスヤと眠っているのだから。しかも微笑みながら。
「勘弁してくれ....我慢にも限界があんだよ...////」
今日だけでどんだけ溺れさせる気だ。
自覚がないのがまた心を掻き乱す。
このまま欲望のままに名無しを愛したいが、付き合ってるわけでもないし病人だ。
でも、俺の羽織を嬉しそうに握って眠る名無しを見ているままなのは癪なのだ。
セキはすっかり慣れた動きで名無しの布団に潜り込んで背後から抱きしめた。
熱がある身体は熱いが今日の寒さには丁度良い。
「もう俺に移しちまえよ。」
とつむじをちゅっ、ちゅっと口付けてはその頭の匂いを吸い、我慢しようと試みるセキに名無しは気付くこともなく寝息を立てていた。
「俺の気持ち揺さぶってそんなに楽しいのか?俺は毎日毎日胸が苦しいよ。おめーさんでいっぱいで早く同じ気持ちになってくんねぇかなっていつも思ってるんだ。早く一緒になりてぇ。おめーさんが好きでしょうがねぇ。」
そうボソボソ話したところで眠っている名無しに届くことは無い。
ただ少しスッキリしたのは事実で、セキはフッとため息をつきながらそのまま眠りに落ちた。
「今日はこれで許してやらぁ。」
翌日。
名無しは目覚めると既にセキが朝ごはんの支度をしていた。
「よぉ。どうだ体調は?」
スッと起き上がる名無しはんーと伸びてみたけど全くしんどさもなくスッキリした面持ちだった。
「!治りました!!」
「ふふwそうかw」
「それもこれも全てセキさんのお陰です!ありがとうございました。」
「応。でも今日は念の為休め。調査は明日からだ。わかったか?」
「はい;;;わかりました;;;;」
「いい返事だ。....なぁ、昨日の事覚えてるか?」
「え;;;;何かしてしまったでしょうか?;;;;熱が苦しくてあんまり;;;;」
「!そうかい。いや、何もしてねーよ。うなされてたからな。心配しただけだ。」
「そうですか。さぞうるさかったですよね;;;すいません;;;」
「いんや?気にすんなよ。さて、飯食えそうか?」
「はい!お腹すいてます!」
「わかったw」
まぁそりゃ覚えてねーよなと安心ともどかしさが入り混じった溜息を小さく吐く。
「あの、セキさん」
「!おう、どうした?」
「明日なんですけど、何かお手伝いできる事ありませんか?その、こんなに良くしてもらってるのに何もお返しできないのが何だかもどかしくて;;;;」
そんなん必要ないと言おうと口を開こうと思ったが名無しが続けて言うのだ。
「あと、コンゴウ団の事やセキさんがどのように生きてきたかとか知れたら良いなと....思いまして」
「......。」
「セキさん?」
「....いや、なんでもねぇ。わかった。んじゃ明日はコンゴウ団の手伝いを頼む。」
俺今絶対顔赤い気がする。
天然か?なんでそんな口説き文句を何の気無しに言えるんだ?俺のこと知りたいって言ったよな?
了承すれば名無しはパァと笑顔を綻ばせる。
うん。コレを機にコンゴウ団での生活を覚えさせるとしよう。
「将来の為に必要だもんな。」
「?」
「いや?気にすんな。」
セキはニッコリ微笑んだ。
END