pkmn夢セキ
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一通り名無しを可愛い可愛いと愛でてくるセキをかわしながら朝の支度をするセキと名無し。
バクフーンに隠してもらいながらせっせと着替える名無しの今日の服はいつもの団服ではなく道中着姿だった。
その頭にはほっかむり。
あぁたまにみるいつもの格好だ。
これも好きなんだよなぁ。
「んで?今日はどうするんだ?」
「えっと、今日は毛槍の草原に行こうかと。」
「近ぇとこだな。」
「はい。それで早めに戻ろうと思いますので早速子ども達の前に出しても良いポケモンを見てもらえませんか!」
「応!わかった!(なんとまー嬉しそうにポケモンの話をするんだか)」
名無しは言った通りお天道さんが1番高く昇った辺りに帰ってきた。
草原だったからか衣服の汚れは酷くない。
「ただいま戻りました!」
「おー。おかえりー....ふっw今日も大収穫かい?」
ふんっと嬉しそうな顔して頷く名無し。
あぁ可愛いわ。
ワシワシとほっかむりごと頭を撫でてやると、嫌がりもせずへへへとこれまた嬉しそうに笑う。
「ほんっとおめーさんは〜っ!!(ワシワシワシ」
「もう頭取れそうです;;;;」
「諦めろ。これで我慢してやってんだからな!」
「我慢ですか....(何かやってしまったか...)」
「(こりゃぜってー通じてねーなw)それで?朝言ってた事始めようじゃねーか。」
「はい!では見てください!」
名無しは一斉にボールを投げ俺の前にポケモン達を出した。
が、
「多いなおい;;しかもオヤブンまでいるじゃねーか;;;」
「どの子も私にとっては可愛いすぎるくらいで;;;;ダメなのは自覚してますのでセキさんに選んで頂こうかと。」
「ならヨネにも見てもらうか。」
早速ヨネさんも呼びお二人に、ポケモンを選んでもらった。
そして、集落の真ん中でセキが里の皆に声をかけた。
「おーい。ポケモンに興味がある者はこの後名無しが連れてきてくれたポケモンに触れさせてやっからあの木の下に来てくれ。だが、無理にとは言わねぇ。来れる奴だけ来いよー。」
そう伝えると、やはり大人たちは少し躊躇いの色を見せた。
結局来たのは昨日会ったトリオキッズにあと2人と言ったところか。
「ま!初日にしちゃ集まった方だろ。気長にやろうぜ。」
今日だけで終わらせたりはしないと言ってくれるセキに元気付けられて名無しは気合が入った。
「よし!それじゃぁいきますよ!みんな出ておいで!」
名無しがボールを投げると一斉にポケモン達が出てきた。
チュリネ、パチリス、ナエトル、ラルトスやグレッグル等子どもの目線の高さに合わせたポケモン達だ。そしてこの紅蓮の湿地で生息しているポケモンがほとんどである。
これはセキとヨネが自分達の生活している域にどのようなポケモンがいるか知ってもらいたいからと言う意向もあった。
子ども達は目を輝かせてウズウズしているが、話を聞いてからなとリーダーに釘を刺されている為名無しの言葉を待っていた。
「この世界では人々はポケモンを恐れています。けれど、いま少しずつポケモンと共に生きていく人間も増えていますよね。それはね、ポケモンも同じように人間を恐れている。そこを理解し合って互いに仲良くしようと歩み寄ったからなんですよ。君達もお友達を作る時はいきなり近寄ったり抱きついたりはしませんよね?ポケモンにも同じ事をして下さい。ポケモンはお友達になれます。そしてもっと仲良くなればセキさんやヨネさん達のように相棒として側にいてくれます。さぁ、できるかな?」
はい!と元気な声で返事をした子供達。
そして名無し、セキ、ヨネの監視の元ふれあいタイムが始まった。
ポケモン達の特性や触れる時に気をつけなければならない事等を説明しながら子供達がお友達になりたいポケモンと触れ合わせる。
その名無しの姿にうっとりしているのはこの集落のリーダーであるセキ。
「おいセキ。顔緩みすぎだよアンタ(苦笑」
「!」
「どーせ子供と触れ合う名無しを見ていい嫁になるとか考えてたんだろ?」
「.....。」
「ずwぼwしw」
「うるせー。あんなん見たら思うに決まってんだろ?」
「まぁ確かに子ども相手にするの上手よあの子」
「だろ!?将来の俺の嫁にぴったりだ。」
「お前のになるかどうかはまだ決まって...睨むな睨むな;;;」
そうやりとりしている間に子ども達はそれぞれ友達になりたいポケモンを決めたようだ。
一緒に遊んだり、名無しの指導でバトルをしてみたいとはりきる者など皆自由にポケモン達と過ごしていた。
すると木の影から視線を感じる名無し。
視線を移すと慌てて隠れようとしているのは、コンゴウ団の衣服を纏う少年とその後ろに小さな少女。
「あれはあそこの天幕にいる兄妹だ。おーい。お前たちも来ないかー?」
そう手を振りセキは呼びかけるがハッと嬉しそうな顔をした瞬間悲しそうな表情に変わりフルフルと首を横に振って兄が妹の手を引いてその場を離れた。
ため息を吐くセキ。
ヨネ「あれは身内がポケモンに襲われてね。だから両親はポケモンと友達になれるとは思っていないんだよ。」
「気持ちはわかるからなぁ。どうしたもんかねぇ。」
名無しはセキ達の話を聞きながらただあの兄妹を眺めていた。
するとカバンにしまっていたボールがカタカタと揺れ勝手にポケモンが出てきたではないか。
ポヒュッと現れたのは
「ヒノアラシ!」
「ヒンノ!」
今まで勝手に出てくる子なんて自分の一番の相棒であるバクフーンくらいなのでこれには名無しも驚く。
だけどヒノアラシは何か伝えたそうに名無しと兄妹を見比べ始めた。
「名無し、こいつぁ....」
「ヒノアラシです。私の相棒の最初の形態になります。」
「ずいぶん可愛いじゃないか。」
「ですが、ここには出すつもりはありませんでした。この子は時空の歪みの中にしか出てこないポケモンですので(苦笑)」
そう言うとセキとヨネは名無しがヒスイに本来いるポケモンの生態を及ぼしかねないと考え出さなかったポケモンだと察する。
「因みですが、ヒノアラシは紅蓮の湿地に起る時空の歪みでたまに現れます。モクローは天冠の山麓、ミジュマルは純白の凍土で確認済みです。」
そう話しながら名無しがボールに戻そうとすると突如駆け出したヒノアラシ。
「ヒノアラシ!」
あの子が向かった先は先程の兄妹の元。
「わっ!」
ビクッと跳ねる兄。妹はその後ろでぎゅうっと隠れる。
「な、なんだよっ....くるなよぉ...!!」
「ヒンノ?」
ヒノアラシはそれ以上は近づかないものの、ただじっと見つめ返していた。
しまった。怖がらせてしまったかとボール構えるとセキの手が肩に置かれる。
「少し様子見ようぜ。」
「....すぐに止める準備はします。」
「応っ!さすがだな!ありがとよ名無し(ニッ」
「どっかいけよぉ;;;;きちゃだめだって;;;」
そう言ってもヒノアラシはじっとその場で見つめるだけだった。
しばらくの見つめ合いの後口を開いたのは兄だった。
「なぁ、お前は襲ったりしないのか...?」
「ヒノ!」
返事をされたような気がして少し嬉しくなる兄。
それに気付いたのか妹の方も兄の背中からひょっこり顔を出してきた。
「おにぃちゃん、このこ、いいこ?」
「....ん。わかんないけど、でも...いいこ....かも...」
とヒノアラシに手を伸ばす兄。
その瞬間。
ボォッとヒノアラシの背から炎が噴き出した。
兄はショックで尻餅をつく。
「来るな!なんだよ!信じたのに!!!!」
と泣きながら妹を抱きしめヒノアラシから守ろうとする兄。
ヒノアラシの炎は消えない。そして、兄妹のいる方向に向かってひのこを吐いた。
もうダメだと思ったその時。
「バクフーン!かえんほうしゃ!」
ヒノアラシのひのこより強力な炎が兄妹を超えた先に伸び何かに当たった。
2人はバッと振り向くとそこには目を回したオヤブンマスキッパが倒れているではないか。
「お前たち大丈夫か!!」
セキが駆け寄りリーフィアと共に兄妹を匿う。
だがそのオヤブンが引き連れていたのか複数のマスキッパがまだいた。
そのマスキッパの群れに向かい立つのは名無しと紫の炎を纏ったバクフーンだった。
「怖い思いをさせてしまいましたね。だけどヒノアラシはマスキッパから貴方達を守る為にひのこを出したんですよ。そして今も」
「「!」」
見るとセキの前に立つリーフィアの横で小さいながらも炎を纏うヒノアラシが立っていた。
「ヒノアラシ。この集落に近寄らないようマスキッパを退避させたいから手伝ってくれる?」
「ヒンノ!!」
「セキさんは子供達をお願いします!」
「応!任せろ!」
名無しはバクフーンとヒノアラシに指示を出し、マスキッパ達を今後も集落に寄らないように追い払う。
「お前ら」
「「!」」
「よーく見とけよ。ポケモンと人が一緒になるとな、あんな強ぇんだよ。」
そう噛み締めるように伝えるセキの表情を見た兄妹はなんとも嬉しそうな顔に見えたと言う。
そして兄妹を守ろうと必死にひのこを吐くヒノアラシを見つめる。
「少年!」
「!」
いつも物静かな方の名無しが声を張って兄を呼んだ。
「このヒノアラシはきっと貴方のいうことを聞くでしょう!手伝ってあげてくれませんか!」
そう言うと名無しは力強く微笑んだ。
兄は驚いたものの、深呼吸をして自身を奮い立たせた。
「ヒノアラシ!ひのこ!!」
「ヒーンノッ!!」
ひのこはマスキッパに命中。こうかはばつぐんだった。
初めてポケモンと共に闘った少年は高揚し胸が熱くなる。
それを励ます名無し。
「よくやってくれました!あともう少しですよ!」
「うん!ヒノアラシ!行くぞ!」
「ヒノヒノッ!!!」
ヒノアラシとバクフーンは見事マスキッパの群れを追い払ったのだ。
初めての事で無我夢中にポケモンと立ち向かった少年はくたびれて尻餅をつく。
「おーまーえーなー?」
ワシっとセキが少年の頭を掴んだ。あ、これは怒られると目を瞑る少年だがそこにすかさず入ったのは名無しだった。
「すいませんすいませんすいませんー!!私の責任です!この子を怒らないでください!!」
そう手を合わせリーダーに懇願するこの人は本当に英雄様なのかと疑うほど幼く感じた。
「おうおう!おめーはあとでみっちり説教してやらぁ!!!」
「ひぃぃ;;;;受けます!受けますからぁ!;;;;」
と怒るセキを宥めながら名無しは少年を見た。
そして、
「さっきのバトル、初めてなのに見事でした。」
「!」
「よかったら、このヒノアラシ受け取ってくれないかな?」
そう名無しはボールを差し出す。
するとまたもや勝手に出てきたヒノアラシ。
「えっ、でもっ、俺の家は...」
「見てたわ。」
「!父さん...母さん....」
「あんな危ない真似して!.....と怒りたかったが、お前とヒノアラシ、良い相棒じゃないか」
「ほ、ほんと...?」
「だが説教はリーダーからたっぷりしてもらうんだな。」
「おう任せろ。」
名無しと兄はもう諦めの境地に入った。
そして、
「ヒノアラシをよろしくね。」
「うん!ありがとう!英雄様!」
「名無しです。名無しと呼んで欲しいな。初めて自分の以外でヒノアラシを相棒にしてくれる人がいてくれて本当に嬉しいんだ。ありがとう。」
そう微笑む名無しにポッと頬を染める少年。
「おい。惚れたりするんじゃねーぞ?」
「うっ;;なんでリーダーが;;頭抑えないでよ〜;」
「うっせぇ!」
そして、名無しは妹にもポケモンを渡したいと言った。
妹のボールの中にはイーブイが入っていたのだ。
「かわいい!ありがとう!名無しさん!」
「どういたしまして。イーブイは8種類の進化先がありますからどの子になるか楽しみにしてますね。」
「りぃーだぁーみたいなリーフィアがいいなぁ♪」
「お、見る目があるじゃねーか!」
その後の2人は、集落の中で最強と言われるバクフーン使いとニンフィア使いになっていくのが遠くない未来の話である。
「ぐぅ...ダメだっ..足っ、しびれっ....」
その後正座させられこっぴどくセキの説教を受けた名無しと少年とヒノアラシ←
なんとか乗り越えた後ヒノアラシと少年はトボトボと帰路についた。
そして名無しも正座から解放されたは良いが痺れでもうその場でうずくまるしかなかった。
頭上あたりでセキの爆笑している声が聞こえる。
むすーっと顔だけセキに向け反抗の意を示した。
「涙目になるほど笑いますか普通」
「わりぃわりぃwなんか嬉しくってよ。」
「人の不幸をですか?セキさん結構酷い人なんですね」
「違う違う!名無しがちゃんと人間なんだなって安心したんだって。」
「それも中々酷い言い草ですね(ジト」
「だからよぅ;;;おめーさんがそうやって自然に表情コロコロ変えてくるのが嬉しいってんだ。いつもほぼ無表情で仕事こなすだろ?」
「え?そうでした?」
「自覚なしかよ;;;」
「いや結構表情には自信があったものでして」
「それシンジュ団んとこのノボリさんの真似か?冗談きちいぞ」
「そこまで言います?...ノボリさんに比べればマシですよ?」
「まぁ....そうだな」
なんつー意味のない会話をしていたら「あ、痺れ取れた」と立ち上がる名無し。
「うし!んじゃさっさと風呂入ってこい。んで今日も俺と一緒の布団だぜ(ニンマリ」
「え゛」
「まだまだ反省してもらわねーとな♪」
「(どうにかお風呂で時間延ばして...);;;;;////」
「あんま長風呂してっと一緒に入っちまうぞ?」
「!!!!!すぐ戻ります!!!」
「くくくwおうw」
すっかり丸め込まれた名無しは抵抗虚しく、素早く風呂を終えた。
「セキさんお先に頂きました。」
「おう。って;;おめーなぁ;;;ほら、こっちこい!」
「?」
言われるがまま何にも考えず近くに寄ると手を取られグイッと引っ張られた。
ポスンとセキの胡座の上に収まった名無しはポカンである。
そして数秒後に真っ赤に茹で上がる訳だがその前にセキが手ぬぐいでワシャワシャと髪を拭き始めたから叫ぶことは出来ずただただ大人しくこの時が終わるのを待つしかなかった。
「しっかり拭かねぇと風邪引くぞ?いつもこうなのか?」
「いや、やってます。やってますがセキさんが気付くの早いんですよ!」
「そーかいそーかい。」
「あ、流しましたね!?」
「ん?聞いてたって。ほら、終わったぞ。」
そこにはいつの間にか櫛もとおされて綺麗にまとまった名無しの髪。
「!...おぉ!」
「www拭くだけじゃダメだ。櫛も通さなきゃな?」
「!....わかりましたよ;;;本部戻ったらイチョウ商会で購入します。」
「一本も持ってなかったのか?なら今使った奴だ。コレやる。」
「え、こんな綺麗な櫛....!?おいくらですか?」
「馬鹿言うな。贈り物って奴だ。」
「えええ」
「嫌か?」
「まさか!とっても綺麗です...(嬉」
「!////はぁ;;本当そう言う所だよ;;おめーさんは;;」
「え?」
「いんや。んじゃ俺風呂入ってくる。ゆっくりしとけー。」
そうヒラヒラと手を振り天幕を後にするセキ。
「(初めて誰かに贈り物をしたが、あんな嬉しそうに受け取ってもらえるとはな...しかもありゃ、俺の服の紋様を型取り小さいながらコンゴウの石が嵌めてある代物だ。それを名無しが受け取ってくれたってのは).....ゾクゾクするな」
とふふんと笑みを零し風呂へ向かうのだった。
そしてルンルンで戻ると名無しは明日の準備に取り掛かっており、図鑑と睨めっこをしていた。
そんな名無しが区切りの良さそうな感じを見計らってセキは自身の布団へ来いと合図する。
真っ赤になり戸惑う名無しに「今日の反省、だろ?」と言うとしぶしぶ、ほんっと時間かけていそいそと入ってきた。
ぎゅむ
「!?セキさん!?」
「おめーが遅すぎてすっかり冷えちまったんだよ。大丈夫だ。何もしねぇ。」
「(もうされてるような..?でも確かにセキさん少し冷たい....)す、すいませんでした;;;」
と素直に謝りセキの腕の中に収まる名無し。
ヤケに素直な名無しに一瞬驚くが、そこは許されたから存分に満喫しようとセキは名無しのつむじに顔を埋めた。
一瞬ビクっとなる名無しだがもう観念したか睡魔が襲ったか、すっかり大人しくなり寝息が聞こえる。
「おやすみ。名無し」
そう言いセキもつむじから香る香水でもなんでもない名無しの匂いを胸いっぱいに吸い幸せそうに目を閉じるのであった。
END