pkmn夢セキ
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今日のコンゴウの里は少し騒ついていた。
それはこの男のせいかもしれない。
てか絶対この男のせいだ。
同じ道を行ったり来たり。多少イラついてんのかガシガシと頭を掻く仕草。
まぁどれも本人が自覚する程の色男が故に里の未婚女性達は頬を染めるがそんな事もつゆ知らず。
「まだ来ねぇのかよ〜!」
と文句を言っては右往左往。
一体誰を待ってるんだ?長があんな感じならそりゃ里もざわつく。
「おい!セキ!!」
文句垂れる弟に痺れを切らしたヨネが一喝する。
ヨネ「あんたねぇ!いつ来るかなんて約束もしてないんでしょ!?!?」
ヨネさんも知ってる人なのか。
ヨネ「里のみんながソワソワすっからやめな!」
「わーってるよ!!悪かったって!;;;;」
ベシッと頭をはたかれてムスッとしてしゃがみ込むセキ。女性陣がときめくときめく。
いってーなぁと叩かれたところを撫でてると聞き覚えのあるワサビの相棒の声。
「っ!」
バッと上空を見上げると遠くからヴォーグルを乗りこなし来たのはワサビではない。
着地する為高度を落とし里の上空を旋回したヴォーグルは乗り主の掛け声と共に去り、名無しは軽やかにひょいっと着地をしてみせた。
「よう!名無し!」
「セキさんこんにちは!」
さっきまでのマイナスオーラは一体どこへ。今まで見せた中でも一番の笑顔でヒスイの英雄である名無しを迎えたではないか。
里の者は察する。
「(あ、セキ(リーダー)は英雄様を選んだのか...)」
熱視線を送っていた女性陣もあの子には勝てないと察し落ち込みながら自分のやることに専念し始めた。
ヨネ「名無し!久しぶりだね!」
「ヨネさんご無沙汰しております。今日から暫くお世話になります!」
「おうおう!任せておけよ!」
とセキが肩を組みよろける名無しにヨネの呆れた溜息が聞こえる。
名無しはアルセウスと出会った。強さも示したが、名無しが元の世界に帰る方法は。
見つからなかった。
そうして今はアルセウスを手持ちに加え、引き続きポケモン図鑑のタスク完成を目指して奔走している。
黒曜の原野のポケモン達の調査に一区切りついたから次の調査場所は紅蓮の湿地だと噂で聞き、調査完了するまでこの里を利用しろと半ば強引に約束した。
何とか約束できたもんだから、何時頃来るかなんて聞くの忘れてヨネが爆笑してたな。時間を大事にしている俺がとんだ失敗だ。
このまま来なかったらどうしようかとドキドキしたものの名無しは来てくれた。
ニヤケがとまらねぇ。
すぐに俺の天幕へ案内し、ヨネがお茶を用意してくれる間ここでの生活方法について話し合った。
「すいません;;余所者が急にお邪魔してしまって;;;;」
「いいんだよぅ!この世界を救った英雄様なのは周知済みだからな。皆喜ぶ!」
ヨネ「あんたは少しくらいリーダーらしくしな?でも、来てくれて嬉しいよ名無し。調査期間はどのくらいなの?」
「ええと、紅蓮の湿地での調査対象ポケモンは...黒曜の原野でのペース配分と同じ様に動ければ....」
「ざっと一週間て所か。」
短けぇな。一週間で恋仲になれずともある程度進歩させたいと企むセキ。
「おし!それじゃぁ一週間!おめーさんはコンゴウ団で預かる!衣食住は安心しろ!」
「はい。助かります。」
「この土地の事やポケモンの事もある程度は知識がある。いつでも頼れよ。」
あーなんて純粋な笑顔で返事すんだよ。俺の企みも知らねぇで。
「んじゃ早速だが、今日からこの天幕を使え。おめーさんは客人だし、男だと思ってる奴もまだいっからここを使っておけば問題ねぇよ。」
「そうですか。ではお邪魔にならないよう速やかに調査を終わらせてお暇しますのでそれまではよろしくお願いします。」
そこに口を挟んだのはヨネだった。
ヨネ「おいセキ;;;あんた説明不足にも程があるだろ;;;;」キョトンとしている名無しにヨネは説明をする。
「ここはセキしか使わない天幕だよ。私が基本通って家事とかしてっけど終わったらあんた達だけ。意味わかる?」
「...........!?」
「はいもう拒否権ねーからな!(ニッコリ」
ヨネ「ガキか;;;;」
「言っただろうが。名無しがアルセウスと出会った後もこの世界にいるなら俺はぜってぇ口説き落とすって」
そう言うや否や、そっと名無しの手に自身の手を重ねた。
「!?!?////ぅ....///」
「ん?恥ずかしいのか?可愛いな...」
ゴチン
「いっでぇ!」
「馬鹿な真似すんじゃない!」
リーダーが正座しヨネの説教をくらっている間名無しは何とか気持ちを落ち着かせていた。
正直忘れていたのだ。でも甦るあの娶る宣言。
ヨネ「名無し。なんかあったらすぐにあそこの天幕おいで?それかポケモン出しておくと良い。あんたのバクフーンならしっかり守ってくれるだろ?」
コクコクと首痛めるんじゃ無いかってくらい頷く名無し。
「チッ、んないきなり襲ったりしねーって!」
ヨネ「黙れ!」
ゴチン!
本日二発目をくらうセキだった。
その後はヨネさんに風呂の場所やらコンゴウ団内の案内をして貰い、セキさんに呼ばれて集落の皆さんの前で紹介された。
「....こんなに緊張したのは初めてオヤブンに出会った時以来です....orz」
「そうかよ(笑)」
ヨネ「名無しなら大丈夫さ。今じゃオヤブン見つけたら追いかけるだろう?」
「おい;;;初めて聞いたぞそれ;;」
「いや!え!?何で知ってるんですか!?」
ヨネ「この間見たよー?オヤブンフローゼルがちょっと怯むくらいの笑顔で近づいてボールぶん投げてんのw」
「名無し?(怒)いくら強いからってもし怪我したらどうすんだ?ん?」
「すいませんっ;;;」
ヨネ「あははははwセキが心配しすぎて胃を悪くしちまいそうだねぇw」
セキにわっしゃわっしゃと強めに撫でられ、されるがままの名無しにヨネはケラケラと笑い出す賑やかな天幕にコンコンッとどこかおとなしめなノックが聞こえた。
「おう。入れ。」
そろーっと開いた扉から見えたのはコンゴウの衣服を身に纏った小さな子供達。
「りぃーだー、あの、英雄様いますかっ?」
「おうここにいるぞー」
「名無しです。こんにちは。」
「「「こ、こんにちはっ!!」」」
なんだこの可愛いトリオは。
ヨネ「どうしたんだい?」
「あんねっ!あんね!俺たちポケモンと
友達になりたいの!どうしたらなれますかっ?」
「!」
「おいお前らー;;;名無しはこれから調査があるんだよ;;」
ヨネ「私のゴンベと遊ぼうか!」
えぇーと文句を言いながら子供達は去っていった。
「あの、セキさん。」
「ん?あぁ悪かったな;;;邪魔はさせねぇからよ!」
「いえ、あの少しご提案がありまして...」
「?」
「私が捕まえたポケモン達を子供達と触れ合わせてもいいでしょうか?」
「!!そう言う事か!いや、だがなぁ;;俺個人としては賛成なんだが、実際ポケモンを恐れている奴も多くいる。そいつらやその子どもがポケモンに触りたいと言っても果たして承諾すんのかは.....」
と悩んでいたが名無しの目を見てセキはハッとする。
「ふ(笑)そうだったな!コトブキ村も同じだったわw」コクコクと強く名無しは頷いた。
「わーったよ!子どもらが触れ合っても良さそうなポケモンを連れてきてくれ。無理に触れさせず、ポケモンと皆の意思を尊重しながらやってみようじゃねーか。」
「!....ありがとうございます...!」
「!....おう///」
ふわっとセキだけに向けた笑顔に、つい口元を隠してしまった。絶対にやけてしまっている。かっこわりぃな。顔があちぃ。
ごまかすように、だけどまじめにセキは名無しのデコを突いた。
「だーが!お前の目的は調査だと言う事と、決して無理をしない事を約束しろ。」
「え」
「おーまーえーは!どーせあいつらの為にいつも以上に張り切って動くだろうからな!確かにお前は強い。だが無理は絶対にするな。約束できるか?」
と心配そうに眉を下げたセキに名無しは図星をつかれ、はいと頷くしかなかった。
「もし無理したら説教な?」
「は!へい!!!;;;」
「くくwわかれば良いww」
「と、あれだけ口すっぱく言ったんだがなぁ?」
もう怒りと心配を通り越して呆れる。
天幕の扉を開けたらそこにはバクフーンがドンっとうずくまっていたからかなりビビった。
俺の帰宅にムクっと顔を上げたバクフーン。じっと此方を見た後に自身のお腹に目を向けたのでつられて見やると。
「スー...スー...」
「なんて幸せそうに寝てんだよ;;;」
たくさんのボールを抱えたままバクフーンのお腹の上で寝落ちている名無しがいた。
沼でも行ったのかあちこちに泥が跳ねており駆け回ったのだろうと簡単に予想できる。
そして何より名無しが口角を上げて寝てるもんだからきっと充実した調査が出来たのだろう
「だが、これは起きたら説教決定だな。」
と額を押さえて一度立ち上がるとバクフーンに声をかけた。
「よぉバクフーン。お前さんの主人を布団に寝かせてぇんだが、手伝ってくれるか?」
そう言って手を鼻に近づけると、スンスンと嗅いだ後に名無しの腰にある一つのボールをポンと押した。
「うっお;;;;」
中から出てきたのはオヤブンムウマージ。
天幕ギリギリだぞおい;;;
そのムウマージにバクフーンは何か話しかけると納得したのかムウマージは名無しに技を当てた。
「おい!って、そう言う事か!」
ムウマージが当てたのはサイコキネシス。
名無しはふわりと宙に浮かんだが起きる気配はなさそうだ。
そのままフヨフヨと主人を浮かばせて運ぼうとするのでセキはひらめく。
「なぁムウマージ、バクフーン。名無しの汚れを落としてから寝かせてやりたいんだが、手伝ってくれるか?」
2匹は静かに了承の鳴き声をあげた。
湯桶と綺麗な寝巻きを用意して、セキの指示通りにムウマージは名無しを浮かせ続けて、その間に衣服を脱がしていく。
「据え膳食わぬは男の恥とは言うけどよぉ;;〜ったく;;;;/////」
いや、名無しを抱くなら同意の上でと決めている。まだ付き合いすらしていないのに勝手にそこまで考えている辺り末期である。
バクフーンに何とか手伝ってもらい、露出を最小限に(見てねぇ絶対)して何とか寝巻き姿にこぎつけた。
「全く困った主人だよなぁ;;;(笑)すまねぇなムウマージ。あそこの布団に寝かせといてくれるか?」
ムウマージは一声鳴いた後、名無しを布団にふわりと下ろした。
俺も今日はじーさん達との会合が長すぎて疲れた。
「名無しの服は明日俺のと一緒にヨネに頼んで....コイツ着替えあんのか?なかったらとりあえず風呂入らせてから考えるか.....。うし!バクフーン、ムウマージ、ありがとな。今日はゆっくり休んでくれよ。」
そう声をかけるとムウマージはボールに戻っていき、バクフーンは俺のリーフィアと戯れ始めた。
ふぅと座布団に腰を下ろす。
「にしても、今日来たばっかりでこんなに捕まえたのか?」
ポケモンが収められてあるであろう名無しの抱えていたボール達を綺麗に並べて置いておく。
そして背後ですうすうと寝息を立てている名無しの顔をそっと覗き込んだ。
「アヤシシやヴォーグル達を操って毎日頑張って調査してんのな。ほんと、すごい奴だわ。」
誰かに言うわけでも無い台詞を呟きながら、他に人が居ないのを良い事に名無しの髪をそっと梳く。
「んんぅ....」
「やべ、起こしちまったか...?」
突然寝返ったので触っていた自分に恥ずかしくなり囲炉裏に向き直ろうとしたが、名無しが薄目を開けたもんだからつい固まってしまった。
眠りを妨げてしまった事を謝罪しようとしたその時。
ぎゅーぅ
「っ!?///」
俺の頭を包み込むように名無しが抱きついてきたではないか。
体勢もなかなかにキツいが、寝巻き姿の名無しにさらしは巻かれておらず、自分の頭が今どこにあるのか想像してしまったら終わりだ。
あんなに据え膳耐えたのに。ダメだ。冷静になれ。
「んぅ〜....バクフーンあったかぃ...」
こいつバクフーンと勘違いしてるだと...!?
どこがだ!?俺そんな毛深いか!?
カッとなったセキはバッと名無しを引き剥がして胸から逃れた。
起きてもおかしく無いのに名無しはすやすやとよだれまで垂らしながら眠っている。
「〜っ!上等じゃねぇか....!」
セキは髪紐をシュルリと解いて羽織を脱ぐ。
そして自身の寝床では無く名無しの眠っている布団へと入り添い寝の体勢に入った。
「起きたらぜってぇビビるだろうな。もはや説教よりこっちのが効果的かも知れねぇ。」
覚悟しろよと内心思っていると。
ぎゅむう
「!?////」
寝ているからか躊躇なくセキに抱きつき所詮抱き枕のようにして寝息を立て続けた名無し。
セキは顔を手で覆う。
「耐えろ.....!耐えろ俺....!!!」
気を紛らわす為に背後にいるバクフーンとリーフィアに目をやる。
「お前に似てんのか...?」
バクフーンは知るかとプイッとそっぽを向くだけだった。
翌朝
「んーぅあぃ!よく寝....た?」
「よォ。よく眠れたようじゃねーか。」
「!?!???!??!//////」
超絶色気たっぷりの男が横にいて名無しは声にならない叫びをあげて飛び退いたのだった。
「次無理したら説教じゃなくて夜這いな?」
「よばっ....!?///」
ヨネ「ウソだろあんたたちもう...!?」
「もう!?ってなんですか!?////」
「wwwはっらいてぇwww」
名無しはもう無理はしないと心から誓うのだった。
「なぁ、俺はバクフーンに似てんのか?」
「え?」
「寝言でバクフーンと間違えて抱きついて来たもんだからなぁ?気になってよ。」
「そんな事を!?////すいませんでしたぁ!///た、たぶん普段寝る時バクフーンのふかふかのお腹でいつも寝てるので....あ、」
「あ?ってなんだ?」
「セキさんは髪色がバクフーンと似てたかも知れませんね!ほらこの部分!」
「何を急に言い出すかと思ったら;;;;それで間違えたのか」
「でも、うろ覚えではありますがバクフーンにしてはフカフカというより骨ばってて筋肉し....つ......(赤面)」
「ほーぅ?真っ赤な顔して何を思い出してんだ?俺の身体がそんなに良かったか?」
「バッ!?ファッ!?///」
「ぶわっはっはっはっwほんと、おもしれーなぁ名無しは。可愛くてしょうがねーや。」
「かわっ!?///////」
あーぁ。早く所帯になりてぇな。
その為にもしっかり外堀埋めてからだな。
END