pkmn夢セキ
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「誰が好きか?ですか?」
「おうよ」
イモヅル亭でラベン博士と図鑑の作成確認をしながらイモモチに舌鼓を打っていたのだが、突如現れたコンゴウ団の長・セキがよっと挨拶をし私の向かいに座った途端にいきなりこれだ。
名無しはポカンである。
「えーっと、好きって言うのはそのラベン博士とかショウとか皆の事を好きって言う....?」
「いんや、恋慕の方よ。」
「れんぼ....」
「おう。お前も良い年頃だろ?思い人の1人や2人いるんじゃないかと思ってな。」
「そんなたくさん作るもんですか?と言いますかそんな事なんでまた」
「あー、最近ヒナツやらヨネ達がそんな話で盛り上がってたからな。ついでだ」
いや、嘘だ。
名無しが恋をしているか、そしてその相手が誰だか知りたくてヒナツとヨネの名前出してまで嘘ついた。なんでかって?俺がこの娘に恋心を抱いてるからに決まってるだろうが。
「でも私、恋とか興味ないですね。だから恋慕はないです。」
ほっぺ一杯にイモモチ頬張りながらキリッと言ってるけどかっこよくねーぞ。どうやら恋だの愛だのには興味はなさそうだ。
そうなるとだ、今度はコイツに興味を持ってくれるよう努力しなきゃいけなくなる。
まぁ時間は惜しまないがな。
「んじゃぁよ、今まで出会った中で誰とだったら一緒に過ごしてぇなって思う?」
「えー、無いですって」
「例えばで良いって。強いて誰よ?」
「んーーーーーー」
お、考え込み始めたぞ。
俺だって言ってくれたら今すぐにでも口説くんだが、名無しはどう答える?
「それなら、ノボリさんです。」
「は?」
「え?」
「もう一回」
「だから、ノボリさん。」
名無しがズズッと茶を啜る音が無情にも響く。
名無しの口から他の男の名前が出る事に俺はこんな傷付くのか...?
途方に暮れていると、すっとまた黒い人影が。
「こんにちは。ご一緒しても?」
「あ、ノボリさん!こんにちはー」
ラベン「どうぞどうぞ!」
噂をすれば何とやら。名無しが今一緒にいたい第一候補のお出ましだ。
無意識なのかキッと睨みを効かせている自分がいた。
「私の名前が聞こえた気がしたので声をかけさせて頂きました。」
「あ!そうそうそうなんですよー。セキさんに今まで出会った人の中で誰と一緒に過ごしたいかーって聞かれて。」
「ふむ。」
なぜ普通にそれ言っちまうんだ!?
ほら、ノボリって奴興味持ち始めたじゃねぇか!
俺の恋敵が増える...!
「いやー、居ないって言ってるんですけど強いて言うならって言われたのでノボリさんをご指名させて頂きました。」
「それはまた何故?」
「え?だって」
やめろー;;こんな所であっさりフられたくなんかねぇんだよ;;;
「私達、この世界の人間じゃ無い者同士じゃないですか。だからです。」
テーブルにいた皆がポカンとしていたが、名無しはそのまま言葉を続ける。
「ノボリさんと私は、記憶が無くなってあの裂け目から落ちてきたこの世界には本来存在しない人間ですから、いつか元の世界に戻るかもしれないじゃないですか。だからノボリさんか私どちらかが急に帰ってしまっても「やっと帰れましたね。お疲れ様です。」と労えるんじゃないかなって思ったんです。だからノボリさんを選びました。この世界に何か特別な思いを残してしまったら、辛いじゃ無いですか(苦笑)」
名無しが思った以上に先を考えていて、そこに諦めを帯びた言い方をするもんだから俺の胸は疼く
すると口を開けたのはもう1人の異世界人
「そうですか。それは光栄でございますね。」
なんだその喋り方。いちいち腹立つな。自分が選ばれたのがそんなに嬉しいかよ。
「ですが、名無し様。何事も諦めは良くありませんね。私は貴方様と同様記憶もなく落ちてきた身ではありますが、初めから諦めてこの世界で生きているわけではありませんよ。」
「....何事も?ですか?」
「ええ。諦めなかったからシンジュ団の皆様に救われた。諦めなかったから皆様にキャプテンとして認められた。諦めなかったから、ポケモンバトルを広めるチャンスを手に入れたのです。」
すると名無しは目を見開き硬直する。
「私は名無し様が元の世界に帰ったのであれば貴方様と同じように労います。ですがそれまでは何事も諦めず一生懸命に生きるのです。」
良い事言うじゃねーかこのキャプテンは。
シンジュ団は良い奴を拾ったもんだ。
名無しはと言うと、下を向いて表情がわからない。
「なぁ、名無し。俺らはお前の味方だ。はじめっから諦めたような顔はよしてくれよ。お前の周りには俺達や仲間がいるだろ?」
と机の向かいにある小さい頭をわしゃわしゃっと撫でた。するとぐしぐしっと強く袖で顔を拭った名無しが顔を上げる。あーあ、顔真っ赤に擦れてんな。まぁ可愛いがな。
「皆さんありがとうございます!そうですね。やってみます。....と、言う事でスッキリしたくなりました。ノボリさん、私とポケモンバトルをお願いします!」
「ええ是非とも安全運転でお受けいたしましょう。」
と2人はボールを構えて訓練所の方へ向かっていった。
「おいおい、俺はほったらかしか!?ムベさん勘定頼m」
ドカーン!!!!!!!!
あやうく銭を落とす所だった。
なんだ今の爆音と訓練所のあの煙は。
というか瞬間移動でもしたのか!?
ラベン「ふふふ。今日も派手ですねぇ(笑)セキさん。私が奢りますので見に行かれると良いですよ。」
わりぃ!馳走になる!と煙が立つ方へ向かうと。
「バクフーン!シャドーボール!」
審判「フーディン戦闘不能!」
「素晴らしい!それでは、グライオン!じならしです!」
初めて見た互いを高め合うポケモンバトル。
俺は熱く高揚した。
ポケモンもトレーナーも楽しそうに戦う姿に見惚れた。そして名無しのあの顔。なんて妖艶なんだよ。子供になんか見えやしねぇ。更に惚れるじゃねぇか。
あぁ、俺もポケモンバトルしてぇな。
名無しとのバトルたまんねぇだろうな。
興奮してバトルを最後まで見届けたが、今回はノボリの勝利で幕を閉じた。
「ブラボー!スーパーブラボー!良い所まで来ましたね」
「あ“ー!!悔しいぃー!!!!」
「バクフーンの威力は日に日に増しております。私も冷や汗をかきましたよ。」
「いや、もっと強くなって再戦挑みますからね!!」
「ええ!またのご乗車お待ちしておりますよ。」
名無しはポケモン達を労いに走る。
「.......ははっ」
「如何でしたか?」
「うぉっ!いつの間に...;;;;」
「貴方様のご感想が気になりましてね。」
「おう。俺もあーやってバトル?してぇな。」
「よろしければ私がお教え致しますよ?」
「本当か!?」
「もちろんでございます。私はこの地にポケモンバトルを広めると決めたのです。長であるセキ様がきっかけになればとても喜ばしい事でございます。それに、」
「?」
「名無し様とのバトルはとても楽しいですよ?経験してみたいのでは?」
「!....おう」
「このノボリ、全力でセキ様の恋とバトルを応援いたしましょう!」
「何もかもお見通しかよ。ほどほどで頼む;;;;」
コイツ、めちゃくちゃ怖そうな顔してっけど優しいのか遊ばれてんのかわかんねーな。
まぁでもバトルの実力は確かだ。
俺とリーフィアで名無しの前に堂々と立てるよう鍛えてもらうとしよう。
「待ってろよ名無し。」
「安全運転で参りましょう!」
「ん?お二人で何話してるんですかー?」
「「秘密だ(です)」」
END