たったの二週間
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新学期の始まり。
「初めまして、細川まやです」
チャイムと同時に担任と共に教室に入って来て、自己紹介を始める彼女に俺は呆然としてしまった。
「今日から実習でお世話になります。短い間ですが宜しくお願いします」
ニコッと笑い頭を下げる彼女は、数時間前まで一緒に居た彼女だった。
「学校行きたくねぇよ、まやとずっと一緒に居たい!」
朝食を済まし、台所に立つまやに後ろから抱き着いた。
「なに、馬鹿なこと言ってるの」
「だって、学校行っても何も楽しいことない」
「私も今日から忙しいけど、頑張るんだからあきらも頑張って行ってきて」
洗い物を終え、振り返ったまやは俺の頭をポンポンと叩き、学校に行く準備を始めた。
高校生の俺と大学生のまや。
付き合っててもお互いに会う時間が少ない。
せっかくの長期休みも終わってしまい、今日からまた退屈な学校生活に戻るのかと思うと、嫌気がさしてため息が出た。
「あきら、そろそろ時間でしょ?早く出ないと遅刻しちゃうよ」
「まやはまだ出ないの?」
ダルい体をソファーから起こし立ち上がると、まやの居る寝室へ向かう。
「一緒に出ようよ」
「私今日はユックリだから、あきら先に出て」
クローゼットから色んな服を引っ張り出して、俺に見向きもせず淡々と準備をするまや。
また暫く会えないと思うと寂しさが込み上げてきて
「じゃあ俺もユックリ出る」
甘えながらまやの腰に手を回すが
「いってらっしゃい」
回した手を満面の笑みで払われ、そう告げられた。
「いってきます…」
バックを持ち、もう一度まやを見ると嬉しそうに服を合わせている。
「そんなに学校楽しみなのかよ」
深いため息を吐き、重い足取りで学校へと向かった。
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