ジム・クロコダイル・クック
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クラスメイトの女子たちが何やら盛り上がっている。いつのときも恋バナというのは人を明るくさせたり、照れされたり、不安にさせたり、悲しませたり、どこにいっても尽きないようだ。
「ーーー私ならアクセサリーかな!指輪とかいいよね!」
「わかるーー!ダイヤモンドとか憧れるよね!」
「花束もよくない?薔薇の花束とか…!」
どうやらプレゼントされるなら何が嬉しいか、という話題らしい。詳しくは聞いていないが、内容的にプロポーズのときにってことだろう。
「ね、ね、ね、ゆりさんは?」
「え?」
「ゆりさんは、何をプレゼントされたい?」
突然話題を振られハッとする。
周りを見ると、他のクラスメイトは移動してしまったらしく、残っていたのは恋バナをしていた女子たちと自分だけだった。うーんと…と困ったように首を傾げる。
「そうね……私なら……」
「flowerよりword?」
ジムは慣れない言葉を耳にして思わず聞き返した。
「そうそう!そう言ったらしいよ!」
キャー!と一人盛り上がる小さい彼女の名前は早乙女レイ。十代にアタック中のこの学校の生徒だ。訳あって俺は彼女から意中の人の情報を聞いている。
「Oh...それはValentineで花束を渡したのは無意味だったってことか…?」
こっちではバレンタインは女の子から男の子に渡すらしいが、俺は好きな人に渡すという意味で彼女に花束を渡していた。ありがとう、と優しく微笑んでくれた顔がとても可愛かったのは俺しか知らない。
「少し照れながら“私は…花束より言葉の方が嬉しかったわ”って言ってたみたいなの!言葉ってことは直球で告白されたってことだよね??てっきり貴方がやったのかと……」
「No!そこまではまだしてない!」
「仲良さそうなのに?」
「まだ出会ってから数ヶ月しか経ってないし、焦らずいこうと思っていたんだ」
「え〜?でもさ、ゆりさん妙なこと言ってたって」
疑いの視線を向けられるのが分かる。
いや、本当に俺はまだ告白していない。たしかに色々贈り物はしているが。
「なんか、白馬に乗って…薔薇の花束を持って…それで告白されたって」
「What!!?」
「そのとき貰ったものの中で1番嬉しかったのが愛の言葉だって話だけど…」
意中の人は想像してたより遥かに派手な告白をされていたようだ。ここの生徒だろうか?一体誰が…?
「まぁ、私も噂しか聞いてないから分からないけどね。でもあれほど美人になると近寄ってくる男もステータスが高いのかなって……あれ?!どこに行くの!?」
言葉が止まらない彼女を置いて走り出していた。
「Sorry!急用を思い出した!!」
こうしてはいられない。
今はただゆりに会いたい。
この噂が嘘であってほしい、そう願いながらただやみくもに走り去った。
いつときも恋バナは人を明るくさせたり、不安にさせるって今朝思ったばかりだった。でもそこでの会話の内容が何も関係ない彼に届いてしまうとはいったい誰が予想しただろうか。
「それで会いにきてくれたのですか?」
「YES」
突然現れたジムに今朝話したことを聞かれ、戸惑う私。よほど急いで来たのかハァ、ハァと息をきらし、汗を流していた。暑いのかスカーフをシュルッとはずす。
(…っ!)
「…どうした?」
私はぐぐ…とこみ上げてきた何かを抑え、冷静に今朝話していた内容を伝えた。
「それ、夢の話なの…」
「え?」
彼女は首を小さく横にふり、ため息をついた。少し頬が赤い気がする。
「その、今朝はプロポーズの話をしていて。何をもらえたら嬉しいのかって話。それで話している子達の中で、夢の中で白馬の王子様が迎えに来たことがあるって子がいて………」
「Youの話ではない?」
「ええ、違うわ……でも私が話したことになってるのね……」
噂とは真実と嘘が混ざりあって伝わっていくものである。ゆりがその話の中にいたのはたしかのようだが、どうやらその話をしたのは彼女ではないらしい。
自分が話したことになっていることが恥ずかしいのか、徐々に顔が赤くなっていった。その姿はとても愛らしく、今すぐにでも抱きしめてあげたいほどだ。
「そうか、良かった」
「良かった?」
「あぁ」
誤った噂でショックを受けている彼女には悪いが、俺の本心がこぼれた。この数ヶ月の間に他の男のものになってしまったのかと、数分前の俺は気が気でなかった。
「ゆり」
「え?」
俺は彼女の前に膝まづき、そっと彼女の左手を自分の手のひらの上に引き寄せた。突然のことで驚くゆり。
「ゆりはこんな感じの方が好きか?」
「ん?え?何やって…?」
「もう君を他の誰かに奪われたくない。ゆり、俺は君のことが……」
「ゆりセンパーイ!!!」
遠く後ろから聞こえたゆりを呼ぶ声に、ビクッ!と彼女の身体が揺れ、咄嗟に左手を引っ込められてしまった。よく耳にするこの声は……
「やーと見つけた!ゆり先輩、ここにいたどん?」
「剣山くん!?」
ティラノ剣山がひょっこり顔を出し駆け寄ってくる。
「ど、どうしたの?何かあった?」
「明日香先輩が探してたどん!」
「え、ほんと?私行かなくちゃ!またね、ジム!」
そう言うと逃げるように走っていった。俺はゆっくり立ち上がると膝についたホコリを払う。せっかくいいところだったのに残念。
「ジムもここにいたどん?何していたザウルス?」
「Secret」
「へー……」
疑うように目を細め、フッと笑う。
「抜け駆けは許さないどん」
「!?」
ここにもいたのかライバルは。
「OK、でも負ける気はないぜ」
「望むところザウルス」
(やぁぁあ…剣山くんが来てくれて助かった…)
その頃、あの場から逃げた彼女はうるさいほど鳴っている心臓を抑え息を整えていた。彼がなんて言おうとしていたかなんとなく分かったが、今はそれどころではない。
(あの雰囲気で告白なんてされたら、私がダメになりそう…)
ジムがスカーフをとったとき、普段見ることができない首筋に、滴る汗を見て硬直してしまった。こんなにセクシーな男性を私は見たことない。
(大丈夫かな、バレてなかったかな?私ったらすぐ顔に出ちゃうから……。噂も恥ずかしかったけど、なんていうか、彼が確認しに来てくれたのも嬉しかったし……あの姿で膝まづいてくれるなんて思っても見なかったし……)
相思相愛の彼らがカップルになるのはもう少し先のお話である。
「ーーー私ならアクセサリーかな!指輪とかいいよね!」
「わかるーー!ダイヤモンドとか憧れるよね!」
「花束もよくない?薔薇の花束とか…!」
どうやらプレゼントされるなら何が嬉しいか、という話題らしい。詳しくは聞いていないが、内容的にプロポーズのときにってことだろう。
「ね、ね、ね、ゆりさんは?」
「え?」
「ゆりさんは、何をプレゼントされたい?」
突然話題を振られハッとする。
周りを見ると、他のクラスメイトは移動してしまったらしく、残っていたのは恋バナをしていた女子たちと自分だけだった。うーんと…と困ったように首を傾げる。
「そうね……私なら……」
「flowerよりword?」
ジムは慣れない言葉を耳にして思わず聞き返した。
「そうそう!そう言ったらしいよ!」
キャー!と一人盛り上がる小さい彼女の名前は早乙女レイ。十代にアタック中のこの学校の生徒だ。訳あって俺は彼女から意中の人の情報を聞いている。
「Oh...それはValentineで花束を渡したのは無意味だったってことか…?」
こっちではバレンタインは女の子から男の子に渡すらしいが、俺は好きな人に渡すという意味で彼女に花束を渡していた。ありがとう、と優しく微笑んでくれた顔がとても可愛かったのは俺しか知らない。
「少し照れながら“私は…花束より言葉の方が嬉しかったわ”って言ってたみたいなの!言葉ってことは直球で告白されたってことだよね??てっきり貴方がやったのかと……」
「No!そこまではまだしてない!」
「仲良さそうなのに?」
「まだ出会ってから数ヶ月しか経ってないし、焦らずいこうと思っていたんだ」
「え〜?でもさ、ゆりさん妙なこと言ってたって」
疑いの視線を向けられるのが分かる。
いや、本当に俺はまだ告白していない。たしかに色々贈り物はしているが。
「なんか、白馬に乗って…薔薇の花束を持って…それで告白されたって」
「What!!?」
「そのとき貰ったものの中で1番嬉しかったのが愛の言葉だって話だけど…」
意中の人は想像してたより遥かに派手な告白をされていたようだ。ここの生徒だろうか?一体誰が…?
「まぁ、私も噂しか聞いてないから分からないけどね。でもあれほど美人になると近寄ってくる男もステータスが高いのかなって……あれ?!どこに行くの!?」
言葉が止まらない彼女を置いて走り出していた。
「Sorry!急用を思い出した!!」
こうしてはいられない。
今はただゆりに会いたい。
この噂が嘘であってほしい、そう願いながらただやみくもに走り去った。
いつときも恋バナは人を明るくさせたり、不安にさせるって今朝思ったばかりだった。でもそこでの会話の内容が何も関係ない彼に届いてしまうとはいったい誰が予想しただろうか。
「それで会いにきてくれたのですか?」
「YES」
突然現れたジムに今朝話したことを聞かれ、戸惑う私。よほど急いで来たのかハァ、ハァと息をきらし、汗を流していた。暑いのかスカーフをシュルッとはずす。
(…っ!)
「…どうした?」
私はぐぐ…とこみ上げてきた何かを抑え、冷静に今朝話していた内容を伝えた。
「それ、夢の話なの…」
「え?」
彼女は首を小さく横にふり、ため息をついた。少し頬が赤い気がする。
「その、今朝はプロポーズの話をしていて。何をもらえたら嬉しいのかって話。それで話している子達の中で、夢の中で白馬の王子様が迎えに来たことがあるって子がいて………」
「Youの話ではない?」
「ええ、違うわ……でも私が話したことになってるのね……」
噂とは真実と嘘が混ざりあって伝わっていくものである。ゆりがその話の中にいたのはたしかのようだが、どうやらその話をしたのは彼女ではないらしい。
自分が話したことになっていることが恥ずかしいのか、徐々に顔が赤くなっていった。その姿はとても愛らしく、今すぐにでも抱きしめてあげたいほどだ。
「そうか、良かった」
「良かった?」
「あぁ」
誤った噂でショックを受けている彼女には悪いが、俺の本心がこぼれた。この数ヶ月の間に他の男のものになってしまったのかと、数分前の俺は気が気でなかった。
「ゆり」
「え?」
俺は彼女の前に膝まづき、そっと彼女の左手を自分の手のひらの上に引き寄せた。突然のことで驚くゆり。
「ゆりはこんな感じの方が好きか?」
「ん?え?何やって…?」
「もう君を他の誰かに奪われたくない。ゆり、俺は君のことが……」
「ゆりセンパーイ!!!」
遠く後ろから聞こえたゆりを呼ぶ声に、ビクッ!と彼女の身体が揺れ、咄嗟に左手を引っ込められてしまった。よく耳にするこの声は……
「やーと見つけた!ゆり先輩、ここにいたどん?」
「剣山くん!?」
ティラノ剣山がひょっこり顔を出し駆け寄ってくる。
「ど、どうしたの?何かあった?」
「明日香先輩が探してたどん!」
「え、ほんと?私行かなくちゃ!またね、ジム!」
そう言うと逃げるように走っていった。俺はゆっくり立ち上がると膝についたホコリを払う。せっかくいいところだったのに残念。
「ジムもここにいたどん?何していたザウルス?」
「Secret」
「へー……」
疑うように目を細め、フッと笑う。
「抜け駆けは許さないどん」
「!?」
ここにもいたのかライバルは。
「OK、でも負ける気はないぜ」
「望むところザウルス」
(やぁぁあ…剣山くんが来てくれて助かった…)
その頃、あの場から逃げた彼女はうるさいほど鳴っている心臓を抑え息を整えていた。彼がなんて言おうとしていたかなんとなく分かったが、今はそれどころではない。
(あの雰囲気で告白なんてされたら、私がダメになりそう…)
ジムがスカーフをとったとき、普段見ることができない首筋に、滴る汗を見て硬直してしまった。こんなにセクシーな男性を私は見たことない。
(大丈夫かな、バレてなかったかな?私ったらすぐ顔に出ちゃうから……。噂も恥ずかしかったけど、なんていうか、彼が確認しに来てくれたのも嬉しかったし……あの姿で膝まづいてくれるなんて思っても見なかったし……)
相思相愛の彼らがカップルになるのはもう少し先のお話である。
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