†寝顔†
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「しつれーしまーす」
「…・・」
部屋をノックしてみるものの、返事は無い
とっさに思い付いた事といえば
①どこかでサボっている
②真剣に仕事中
③呼び出されていない
④女の人を引っ掛けている
のどれかだった。
その内②だけを即座に除外し、その扉を開けた
「たいさー・・何…―」
書類片手に文句を言おうと、上司のいるハズの場所に目をやり思わず固まる
そこには机に突っ伏す彼の姿があった
爽やかな日差しの中、開いている窓から陽気な春の風が吹いている
東はもしやと思い
ゆっくりと机に近づき思わず声をあげる
「かっ・・かわいいーvv」
書類をそっと机に置き、その寝顔をまじまじと見るめる。
普段の
強気で
意地悪で
カッコイイ彼とは大違い…
と、そこで、風邪が書類を飛ばしてしまう事に気付き、東は窓を閉めに向かった。
「まったく…こんな無防備にねてるなんて・・大佐って随分無用心なんだから…」
窓を閉めて一言呟く
「…ホークアイ中尉は・・いつもこんな顔みてるのかな…?」
そう思うとなんだか悔しい
「…他の人には見せたく無いな・・こんな大佐の寝顔…」
「どうしてかね?」
「どうしてって…大佐の事好きだからにきまってるじゃない!」
そこまで言って東は一つの疑問にあたった
(私…誰と話してるの・・?)
恐る恐る振りかえると…
そこには
満面の笑みを浮かべたロイの姿
「きゃあっ!起きてらしたんですかっ!?」
「いや、君の声で目が覚めた」
「ごめんなさい!私ったらお休みを邪魔してしまって…」
「構わんよ…それよりも、さっきの言葉の方が気になる…」
(やだ…どうしよう…)
そう思っても彼から逃げる術を知らない
ロイはイスから立ち上がって東の前に立つ
「私の事を…」
(ええいっ…言ってしまえ!)
「好きです!大佐に初めてお会いした時からずっとっ…」
あぁ…告白したぐらいで何泣いてるんだろ私…
そう思っても
涙が止まらない
解ってる
大佐が私をそんな風に見て無いの
だから
哀しいの?
「…何を泣く事がある…?」
「だって…」
「泣くのは辞めなさい。私が悪いような気になってしまう…」
「だって…」
それしか言えないのか
と自分で突っ込みたくなる
ほら
大佐が困った顔をしてる
「ほら…東…」
そういって彼は唇で私の涙を拭った
「辞めてください…大佐の事、あきらめきれなくなるじゃないですかっ…」
「私をあきらめる…?それは困ったな。私も東の事が好きなのだが…」
「え?…嘘・・」
夢なのかな…
自分の頬をつねってみるが
確実に痛い
「夢…じゃ・・ない…」
「東」
「!?」
名前を呼ばれて唇が触れる
「仕事をサボって寝ていたかいがあったな」
「たいさぁ…」
大佐が笑っている
もうそれだけで嬉しくて
また
涙が止まらない
「あぁ…東は泣き虫だな…」
「違います!」
「そのザマじゃ説得力がないな…東、笑ってくれるか?」
真剣に彼が言うから
私は思わず涙を止めた
口元が自然と笑みを象る
「はい!」
そうして
貴重な彼の寝顔を見た日は
大切な人を見付けた日になった
END