†鋼vs鎧vs焔†
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日もまた
戦の火蓋が気って落とされる
錬金術は
等価交換が原則だけど…
…だからって…
毎回
毎回
誰が私の隣に立つかなんてくだらない事で
名高い国家錬金術師ともあろう人が(その弟含む)
本気で錬金術使って争わないでください…(切)
「その手を離せっていってんだよ!」
「ヤダよ!兄さんだって離れないじゃないか!!」
私の名前はめぐ
東方司令部で事務をこなしているしがない一等兵
上司のマスタング大佐の命令で
鋼の錬金術師であるエドワード・エルリック氏と
その弟のアルフォンス・エルリック氏を呼びに行って
今は大佐の執務室に案内している真っ最中。
私は早く大佐の部屋にこの二人をお連れして
早々に仕事を始めたいのに…
この二人は何故だか私の顔を見るなり
どちらが私の横を歩くかで争っている
正直言って
恥ずかしいので辞めて欲しい
そうこうしているうちに
私は上司の執務室の前へと到着した
「マスタング大佐、失礼します」
ノックをして扉を開く
「ご苦労だっ……」
言葉を紡いだ大佐のセリフが途中で止まる
そして
何やらおもむろに発火布を取り出すと
指をならした
威勢の良い音が響く
それと同時に私の横に立っていた二人が壁にのめり込む
「…ご苦労だったな、めぐ」
「大佐…室内での錬金術のご使用は…」
「てっめぇっ!!何しやがるっ!!!!」
上官にあるまじき暴言に私の血の気が引くのが解った
「元気かね?鋼の」
大佐は少し考えるような素振りを見せた後、満面の笑みで言った
何かの切れる音がする
「あぁ…めぐ、こっちに着たまえ」
「…?」
上官命令は絶対なので、私は小首を傾げながら大佐の指差す場所…―
大佐のイスの隣
に足を向けた
「めぐ行くな!」
「ぇ…?」
「そうだよ!」
何時の間にか起きあがった二人に私の手はまた掴まれていた
「めぐ…命令違犯かね?」
職権乱用!!
と思いつつも黙っているのは、大佐のあの笑顔の裏が怖いから
「「…職権乱用はんたーい」」
私の胸中を悟ってくれたのか、エルリック兄弟が異口同音に言葉を発し…
それと同時にまた大佐の発火布が炸裂した
そして今度は
エドの方が咄嗟に練成を行い、大佐の発火布の勢いを殺すが
やはりここは大佐
かろうじて防いだエドを即座にノックアウトさせてしまう
弟の方は
なんだか初回でノックアウトだったようだ
言うまでも無く部屋は荒れている
「さて、着なさいめぐ」
いつになく命令口調の彼にビクリとしながらも彼の横に立つ
「何でしょうか…?」
「めぐ…君は随分と隙が多いようだ」
「隙…ですか…?」
まったくもって何の話か解らない
「そして鈍い」
「はぁ…?確かに運動神経は悪いですけど…」
大佐は何がおかしいのか笑った
そして
「そうではない。こういう事だ…」
「っん!?!?!?」
「「あぁっ――――!!!!!」」
起きあがったエルリック兄弟の悲鳴が聞こえる
悲鳴をあげたいのは私だ
「っ…た、大佐っ!!どういうおつもりですかっ!!」
「どうもこうも…君が好きだ」
「………は?」
・・今…何と…
「『は?』は無いだろう。私だって意を決したつもりなのだがな…」
意を決したって
ちょっとまって!
突然唇奪われて『意を決した』なんて言われても…
ズガーーン!!
混乱していたところに響く突然の銃声。
弾丸が私の横…つまり大佐の鼻先を掠めて窓をつき破った…
「「「「ホークアイ中尉…」」」」
4人の声が重なる
開いたままの扉の前には
銃口を大佐にむけたホークアイ中尉の
すこぶる機嫌の悪い顔がそこにあった…
「…大佐…?」
「…はい・・」
「仕事…してくださいね…?……次は…本気で撃ちますよ」
『ギラン』と聞こえてきそうな鋭い目が大佐を睨み付けた
怖い…
そして逃げ出そうとしていたエルリック兄弟の首根っこを掴み言った
「エドワード君、アルフォンス君…この部屋…片付けるのよ?」
有無を言わせないそのオーラに二人は黙ってカクカクと頷いた
「…まったく…女性の取り合いも結構ですけど、ここで暴れないで下さい。子供じゃないんですから…」
「…女性の取り合いって…何の事ですか…?」
聞いた瞬間に一同の顔が強張る
「貴方…解って無いの…?」
「はい?」
ホークアイ中尉の長いため息が漏れる
「…ここの3人はねめぐという女性をいつもいつも取り合いしているのよ」
「……………私…ですか……?」
一同の首が縦に振られる
「ぇ………えぇっ・…!?じゃあ、今までのケンカは…」
「めぐの取り合い」
エドが不機嫌に言った
「で、君は誰を望むのだね?」
大佐にそう聞かれ
私は答えざる得ない状況に追い込まれた
一同の視線が突き刺すように私に向けられる
「えっと…えっと…私…―――」
思いきって私は口を開くことにした…
END
---------------------------
あとがきより抜粋
最後のお相手はみなさまのお好みにお任せします