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東方司令部での数ある厳しい(?)掟のうちの一つ
その中での必須事項
これを
破った者は
【燃やされる】
【煙草の火を押しつけられる】
【原型を留めない程にボコられる】
の3項目の一つを…
否
一つで済めばこれ幸い
問答無用で
全部食らわされる
今日も
東方司令部の一角は騒がしい…
「くぉぅらぁぁぁっ!!!!俺のリョウに触ってんじゃねぇぇぇっ!!!!」
そのミニマムさからは想像もつかないような声でソレは叫んだ
さながら
エサを奪われた小型犬よろしく
エドは
ロイに向かって
叫ぶ
「おやおや…何やら騒がしいが・・私達は行くとしようか?ルナ」
エドの叫びを無視してロイの手がルナの腰に回り
優雅としかいえぬ手つきで方向を変える
「……何してンですか大佐…」
そしてその先にハボックを見付ける
「デートだ」
さらりと言ってそのまま足を進めようとして…
「きゃあっ!!?」
奪われる
東方司令部の(死守すべき)暗黙の掟
『ルナ少尉に不用意に近づかない事』
そして
「あぁ…だめ…かも……」
ハボックの腕の中でルナは力を無くして気絶した
もう一つの掟
それは
『男性恐怖症の彼女を怖がらせない事』
ルナが男性恐怖症であるという事が判明したのはとある事がきっかけ
書類の受け取りでロイと手が触れただけで泣きだし
ハボックに呼びとめられた時、肩に手がかかっただけでとんでもない悲鳴をあげ
廊下でエドとぶつかり走って逃走
これらの現象はホークアイには決して起こり得ない出来事であった
結論
『ルナは男性恐怖症である』
そして
こうして男性陣にたらい回しに触れられたルナは耐えきれず気絶した…
「だぁぁぁぁっ!!ルナが気絶しちまっただろうが!!」
「鋼のが必要以上に抱き付いたからだろう?」
「俺のせいかよ!!?大体!大佐がヤラシイ事するからだろう!!」
「なっ…イヤラシイとは心外だな…」
「大佐流のエスコートですよね」
「そう!私流の……」
散々喚き散してロイは異変に気付く
冷たい鉄の感触
「大佐?直にお戻りを…」
ギコチなく振り返ると
満面の笑みを浮かべた
ホークアイ中尉の姿
「エドワード君!!逃げないで報告書を提出!アルフォンス君も執務室で待ってるわよ」
逃げ出そうとしたエドに釘を刺し
ハボックを振り返る
「……貴方はルナを医務室へ」
「へーい」
適当な返事をしてルナをお姫様ダッコして歩きだすハボック
この時ばかりはロイとエドの思考が統一されたとか…
「ん……」
ぼやけた視界の角にハボックが映り、ルナは身体を起こした
「気分は?」
「……最悪…」
一言答え、額に乗せられていたタオルを手に取る
「あーあ…また・・やっちゃったんだぁ…」
溜息まじりに呟き、ハボックにタオルを投げる
「情けないよね…ジャンが来た途端に気ぬけちゃうなんてさ…」
空笑いしてベッドから降り様として、その手をハボックに捕まえられる
「幼馴染みに何気使ってんだよ?」
いつものマヌケた雰囲気ではないハボックの様子に少し戸惑うルナ
「ジャン…?」
「…俺が大佐達から守ってやる……だから…―」
照れくさそうにハボックが言い、途中で言葉を止める
「ジャンが…治してくれる…?」
期待の篭った眼差しでハボックを見上げ
躊躇いがちに軍服の裾を掴んだ
「俺が何とかしてやるよ…」
「うん!」
頷いて勢いあまったのかそのままハボックに抱き付く
「やっぱり…ジャンだと大丈夫なんだよね…ちょっと恐いけど…安心するの…」
「そっか…」
新しいタバコに火を付けつつ
こんな所大佐や大将に見つかったら…などと考えるハボック
後日、何故だか残業続きのハボックの姿があったとかなかったとか…
END