†欠損†
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「はぁ…疲れたぁ…」
何とか夕飯にありつく事ができ
先に風呂を借りて上がってきた私は
通りかかったリビングのソファーにロイの姿を見つけ
その横に腰掛けた
「お風呂ありがとう。湯、張り替えたから入っといでよ」
ロイが手にしていたグラスを取り上げ、飲み干していう
「にょにょっ…!?」
「何?」
取り上げた事の抗議かと思ったら違った
「…なんて格好をしてるんだ…」
という非常に脱力したセリフだった
「いつもと同じじゃない。知ってるでしょ?」
返事の変わりに長い溜息
「何?気になるのたいさぁ?」
「当然だ」
冗談のつもりで言ったのにそう言われては返事の仕様がない
「……珍しい…」
正直な驚きを持ってそう呟いた
奴は
そんな事気にするような奴じゃない
ちょっと露出したからって
取り乱す奴じゃない
だって
私は
そーゆー対象じゃないから
「私が視野に入ってるって随分おかしな現象よね。そんなにあの女に惚れてたの?」
軽口を叩くのは飲み干した酒のせい
「こんな時間に男の前でそんな格好をしていると保証できなくなるぞ?」
「あははっ…おもしろい冗談。大体、ロイぐらいヨユー・・っ!?」
グラスをテーブルに置いたところで視界がぶれた
何故だかソファーの上で組みしかれている
「こんなに簡単に敷かれるクセに余裕といえるのか?」
耳元で囁かれて思わず身をよじる
「ちょっと…ロイ!酔ってるの!?」
拘束が取れない
「いや、酔ってない」
「じゃあからかってる?」
「いや」
「どいて」
「どかない」
「本気?」
「本気だ」
ずっと見てくれなかった
いつも通りすぎるだけで
『親友』の位置から動かさなかったのに
「どいて。アンタを振った女の代わりはごめんだ」
アンタに選ばれないワケは何
私に足りないのは何
「どけっつってんのが聞こえない!?」
「聞こえてる」
「だったらっ…」
そんな顔をしたって私は騙されない
その顔で落ちる女と一緒にされてる事が屈辱
「にょにょ、愛してる」
「は?」
マヌケな声が思わず漏れた
何て言ったの?
確かめたいのに私の口はひねくれてて
「…そう言えば黙って体を預けると思った?」
「いや・・君がそういう女性でないのは知っている。ただ、君の気持ちが聞きたい」
「じゃあ聞かせて。今までの女は何?」
質問を質問で返す卑怯さ
だって
あまりにも違いすぎる
私と違う性格
女らしさを備え
非力な
強くもない女達
「あれは、単に向こうが酔ってきただけだ」
「どいて」
間髪入れずに発した言葉にロイは少し肩を上げて溜息の後に私を離した
「やれやれ。たった一日で二度もフラれるか…笑えないね」
嘆息するロイの襟首を引っ掴み、キスをする
「一方的に私だけが好きなんだと思ってた」
驚いたように固まっているロイに呟く
「私には、ロイに選ばれる何かが足りないと思ってた」
ずっと足りない何かを探してた
「知ってた?一方的でも人を愛せるって事」
「知ってた」
言って
人差し指で顔を上げられ
キス
「ん・・っん、ん」
角度を変え
舌を絡ませるその巧みな動きに翻弄される
「・・いつからだ?」
「何が?」
「にょにょが私を愛したのはいつだと聞いている」
「…国家資格を取る前」
「私は出会った時からだ」
押し倒されてからキス
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?年食ったじゃやない」
「…本命には弱いタチでね」
首に痕を残しながら言う
「馬鹿じゃない」
「かもしれない」
ロイが笑う
「何か足りないならそう言って…与えるから」
「当面は君で充分足りている」
「じゃあ私にもロイを頂戴…ロイだけが足りない」
「いくらでも…」
もう一度キス
「名前呼んで」
「・・にょにょ…」
「ロイ」
「何かね?」
「愛してる」
「私もだ」
「やっぱり…アンタ馬鹿だわ」
「にょにょも相当重症だと思うが?」
「責任とって」
言うと奴は少し笑った
「私がセントラル勤務になるまで待っていろ」
「お待ちしています…大佐」
ねぇ
一方通行な愛したかたもいいけど
通じ合ってる方がいいね
バカになれるぐらいが
調度いい
そうでしょう?ヒューズ
アンタがいつも言ってた
足りないものを補える関係が良い
アンタがいなくなって
なんだか
それを実感したよ
気付くのが
遅かったかな?
END