†甘い囁き†
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一言喋られるだけで
足が地につかなくなる
だから
そうやって意地悪そうな顔で
囁くのは辞めて
でないと…
「っわぁぁぁぁっ!!!!!!」
―バキ―
悲鳴と共にこ気味の言い音が響いた
「だから!そういう事すんなって言ってんじゃんか!!」
「………」
「何とか言ったらどうなんだよ!ロイ!?」
そう凄まれてもロイは口を開く事はできなかった。
だって
先ほどの一撃で舌を噛んでしまっているから
一方、大変乱暴な言葉で喚きちらしていた方は
黙ってその惨状を見下ろしている
「…相変わらず乱暴だな…Rin・・」
「ふん…恨むなら兄貴達を恨むんだね!僕をこんな風に育てたのは兄貴達なんだから」
憤慨したように言ったRinはその口調に似合わず、
どこからどう見ても、16・7の可愛らしい少女だった
黙ってさえいれば
「ふむ…確かに……」
ベンチごしにRinを見上げていたロイは
突然
Rinの手を引き寄せベンチに押し倒した
そして
抗議をあげようとした口を塞ぎ
腹を蹴り上げようとした足を押さえ込んだ
「むぅっ…!?んんっ!!んっ!!」
その最中でも抗議しようと必死に塞がれた口で叫ぶが
だんだんと酸欠におちいってしまい抵抗できなくなってしまう
やっと開放されたRinは荒い息をついてロイを睨んだが、その視線の先にロイの顔はない。
「こうしている時のRinは随分と可愛らしいのだがな」
「ひゃっ!?…だからっ・・」
もう一度殴ろうとして握った拳をロイはもう一度耳元に吐息を吹きかける事で解いた
彼女
かなり刺激に敏感だった
そうしたのは
ほかならぬロイなのだが…
「ちょ…ちょっと待って!ねぇ、ロイ!ここが何処だかわかってんのっ!?公園だよ!!人!!見てるよ!?」
そう
ここは昼時の公園
決して夜でも
寝室でもない
「私は構わないが?」
「僕は構うぅー!!!やだぁー!!」
必死で逃れようとしているRin
なんだかロイは悪い事をしているような気がしてきた
いや、実際しているのだろうが
良心の呵責というものがあったらしい
しかも
泣かれてしまってはどうしようもない
「解った…私が悪かった…だから泣かないでくれ」
目じりに溜まった涙を舐めとりロイは言った
「…?…もう・・外でこんな事しないか…?」
保証しかねる
といいたいところだったが、ここは黙って頷く
「よし!!」
と起きあがったRinは小さくガッツポーズをとった
「だが、責任はとってもらわないとな」
「責任?」
なんの事だと言わんばかりの顔でRinは小首を傾げた
嫌な予感がする…。
「仮眠室が空いているはずだ」
そう言ってロイはベンチを離れた
いわゆるお姫様だっこでRinを抱き上げて
「ちょ、ちょっと待って!!僕、これから…降ろして!っ~降ろせ!!変態!スケベ!ロリコン!!」
「ろ…ロリコン…?」
揚々としていたロイの歩みが止まる
「だってそうじゃん…10も歳違うし…」
ロイは少し眩暈を起こした。
よく考えれば、Rinとはそれだけの差があったのだ
少しため息をつきながら、ロイはRinを地面にそっとおろした。
そして優しく抱きしめるとロイはまた耳元で囁く
「Rinは…そんな私が嫌いか・・?」
顔が熱くなるのが解る
「そ…そんな訳・・ないじゃん…あぁっ!もう!!」
Rinは一度ロイを押して離れてから、ロイの制服を掴んで引き寄せ軽いキスをした
「こ・・これで我慢しとけ!」
「顔・・赤いぞ」
「う、うるさい!!じゃあなっ」
Rinは捨て台詞のように叫んで駆け出した
あんな甘い声で囁かれたら
何をされても許してしまう
彼は今夜再び会う時に必ずこういう
これを言われると
ダメ
気が抜けてしまう
ほら
夜が来る
「Rin…会いたかった・・」
END