†Open the truth†
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ベッドの脇に座り、髪を手の甲で撫でる
「リョウ…早く目覚めてくれ…」
呟いて
息を吸って
「君が好きだ…本当に愛してる…このままじゃ、私だけが年をとってしまうよ…」
触れるだけのキスをする
それはまるで
童話にある話のような
眠り姫に目覚めを与えたような口づけ
こんな物で目覚める訳が無い
そう思って立ち上がったロイの手を何かが掴んだ
まさかと視線を落とす
「行かないで…」
小さく呟かれた声は
待ち望んでいたそのもので
ロイは五感の全てを疑った
「ロイ‥」
掴んでいた手を離してゆっくりと起き上がる
「髪…伸びたね‥」
「…あ…ぁ」
搾り出した声は中々に情けなかった
そっと頬に触れ
ゆっくりと唇を合わせる
「…長い夢を見てた…ガイルがいて、レックスがいて、ロイがいて…軍なんか関係ない生活をしてて…でも全て…夢だわ…」
リョウの頬を一滴の涙が伝う
「その夢に勝る幸せを私が君に与える」
哀しげに視線を落としたリョウの体を抱き締めてロイは言った
「あの研究書がある限り無理よ…」
ロイに抱かれながら震えて言う
「あれは燃やした…もう無い…」
「でも私は…」
言って意識的に電流を出そうとしても出ない
両手を合わせて錬成しようとしたが何も起こらない
「錬金術が…使えない…」
驚愕するリョウをきつく抱き締める
「もう…幸せになっていいんだ…」
「…ロイ…」
「リョウ、君を愛している。私の側に居てほしい」
抱き締めたまま言って、ロイは返事を待った
「側に…居させて…」
呟いて
どちらからともなく
キスをした
随分と遠回りをした
中々
辿り着けなかった
始まりは
あの錬成陣
転んだ先は
大切な人の死
終わりは
幸せへのきっかけ
何かを手にして
何かを失う
今まで払った代価は
あまりにも高すぎて
自分の存在を消したかった
それでも
誰かが側に居てくれたから…
「独りにしないで…」
再三呟いた言葉が口をつく
「独りになんてしない」
初めて
答えを
もらった
そんな…
そんな
気がした
END
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