†Open the truth†
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「それで…彼女は今‥」
それから数年後
ロイは大佐になった
その彼に割り当てられた執務室で
鎧と
少年が
ソファーに座っていた
「彼女の家にいる」
不安げにきいたアルにそう告げる
安堵の溜息を付きかけたアルを遮ってもう一言
「眠ったままだがね」
「…なるほど」
それまで黙って話を聞いていたエドが呟いた
「その放電で無限錬成状態に陥り、極度の体力消耗により衰弱しかけ、それを防ぐ為に眠ってるって事か」
「医師もそう言っているが‥」
「数年目覚めない訳だ」
「話はよーく解った。そいつを診てやってもいい。その代わり…」
「代わり‥?」
「その話に出てきた研究書を俺にくれ」
「…彼女が良しと言えば」
「よし!そうと決まればさっさと行こうぜ!」
ゆっくりと立ち上がり、コートを手にエド達を先導する
眠るリョウの姿をみたエドは
一瞬戸惑った
眠っているだけなのに
老いていない
ロイが見せてくれた写真そのままだった
「兄さん…この人‥」
「あぁ…解ってる」
「彼女の父親は完璧な錬金術を求めていたそうだ」
そう言って扉を閉める
エドの右手がリョウの指先に恐る恐る触れた途端
エドは足の力を無くして膝をついた
「兄さん!?」
「大丈夫だっ‥電気が…な」
苦笑してロイを振り返る
「大佐、記憶は情報の塊。じゃあ情報を体に伝える時どうする?」
突然の問いに戸惑いながらロイは呟くように答える
「電気信号化する…」
「その通り。彼女、生身の人間には伝わらないものを発してる‥今、それが俺の鎧義手から伝わった」
「兄さんそれってどういう事?」
アルの質問にエドはニヤリと笑った
「自分の起こし方を発信してんだよ」
「大佐、錬金術師が出る問題じゃねーよコレ」
「何?」
訝しがるロイにエドはひたすらニヤニヤと笑った
「精神的な問題」
「解るように説明してくれ、鋼の」
「一度も言ってないんじゃねーの?」
「だからっ…」
「寝てても耳は聞こえてる…行くぞアル!」
それだけ言い残して去っていくエド
残されたロイはその答えを探した
自分が一度も
口にしていない言葉…
そう
恐くて言えなかった
求めてはいたけど
与えて空回りするのが恐くて
心から
口にしなかった言葉
それが
たった一つだけある