†My feeling†
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一週間
予定をずらしてまでして解読に励んだが
やはり抜け落ちている文字が多すぎて理解不能だったらしい
私たちはそれに見切りをつけ、家を出ることにした
大切な人と大切な時を過ごした場所
思い出に鍵をかけて
私たちは歩き出した
思えば
これが始まりだったのかもしれない…
これが
あの瞬間への
片道切符を手にした瞬間だったのかもしれない
今はもう‥
戻れない過去
「うっわー…やっぱりセントラルっておっきいね!」
駅に着いた途端私は思わずはしゃいだ
「こけるぞ」
「酷いっ!!」
「こけるな」
「きゃあ!?」
2人にしっかり宣言されてご期待に沿う辺りかなりドジだと思う…。
「ホラ、言わんこっちゃない」
ベタリと座り込んだ私をガイルが片手で引き上げる
あれ…いつからこんな力持ちになってたの…?
「ごめん…」
なんだか照れくさい気分になって視線を逸らした先にロイがいた
「ロイ…?どうかした?」
何か言いたそうに、痛そうな顔でこちらを見る瞳が
気になった
「何がだい?」
「今…」
痛そうな顔をしていた
そう言おうとして言葉が遮られる
「ロイ!お帰りなさいっ!!」
金の髪が踊ったかと思うと、それはロイに抱きついた
「ロイの女」
ボソリとレックスが耳打ちしてくれた
「…そう。綺麗な人ね」
「ロイ…何この女?」
言った私に向けられたあからさまな敵意…初対面で失礼な人だと思った
また
ロイの顔が歪む
「君には関係無い」
ロイが冷たく言い放つ
女性には優しいと聞いていたのに…
「先に行っててくれないか?私も後から行く」
半端なままロイと解れ、私達は目的地に着いた
これから住む家に…
「凄い!広いvv」
はしゃぎ回っていた私をガイルとレックスが呼び寄せる。
階段を上ってすぐの部屋…ここが私の部屋らしい。
「この家で一番いい部屋なんだぜ?ガイルが絶対この部屋はリョウのだって言って…」
「レックス!そんな事言わなくてもいいだろっ!」
少し頬を染めたガイルに私は礼を言った
昼になったばかりだが調度良い具合に陽が入り
窓からは柔らかい風とセントラルの街並みが入り込んでいる。
本当に一番いい部屋なのだろう。
もう一度ここから始めるんだ
そう思うと心踊った
「にしても…ロイの奴遅いな…」
言いながらガイルは取り出した煙草に指先で火をつける
暇になると彼はすぐに煙草に手を出す
体に良く無いのであまりお勧めしたくないのだけど…。
そうしていると玄関の呼び鈴が鳴った
「多分ロイだろ。俺が出る」
そう言ってレックスは部屋を出た
残ったガイルが何故か視線を泳がせている
「ガイル?」
「リョウ、あのな…これ…」
言って差し出されたのは一つの包み
中には銀のチェーンネックレスが入っていた
「ガキの頃から欲しがってただろ?俺が首にしてるコレ。同じタイプのヤツ見つけたからな」
「ありがとう…嬉しい…でも…」
「でも…?」
私は耐えきれず笑った
「値札つけっぱなしっ!」
「なっ…」
ガイルが絶句する
ぷらりと垂れ下がったそれには『30,000』と書かれていた
「こんなに高いもの…貰えないよ…」
「誕生日プレゼント」
「え…?」
見上げるようにガイルを見て
彼の瞳とぶつかる
「今月誕生日だろ?だから…早目のプレゼント」
「…ありがとう。ガイル」
首につけるとひやりとした感覚に一瞬身が震えたが
それも直に馴染んだ