†Cloudy sky†
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「私の親友の墓だ」
少し寂し気な音だと気づいたのは
流石にこの一年傍にいたからなのか
「…イシュヴァールで‥?」
「いや、殺された」
殺された?
何に?
誰に?
そんな事よりも
この男に失ったモノがある事に驚いた
軍の人間は奪うだけだと
確かにイシュヴァールの時に双方に死者は出た
でも
あの彼方で見えた紅い光のせいで
こちらはもっと死んだ
一方的な殺戮行為
蟻はどんなに群れても
象を倒す事は出来なかった
いい気味だ
笑ってやりたい
そんな衝動が喉元まで出て
「ご心痛‥お察しします…」
口から漏れた音は意外な
自分以外の誰かの言葉だった
「‥あぁ…ここに来ると人体錬成の理論を組み立てようとしている自分がまだいる事に気づかされる」
「…」
考えた
親を
兄弟を
友を
全てを無くした時
万能たる錬金術なら、と
ハヤテを手にかけた時に
この命と引き換えに出来ないかと
出来ない事が解ってたからこそ
それすら出来ない自分が疎ましくて
消えてしまいたくて
「アズサ中佐」
「はい」
ふいにかけられた声に意識を呼び戻されて顔を上げる
相変わらず複雑な顔がそこにあった
「‥帰ろう」