†Puzzlement†
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何度も
何度も
頭の中で繰り返されるセリフ
どうにかなってしまいそうだ
いっそどうにかなってしまった方が楽かもしれない
そんな馬鹿らしい事を考えていたら、いつの間にか夜が明けていた
「アズサ?起きてる?」
遠慮がちなサイカの声で我にかえる
少しばかり眠った気もするが、酷い倦怠感が体中を支配していた
「朝は食べれそう‥?」
欲しくないのが正直な感想
でも、サイカの気遣いを無駄にはしたくない
「‥すぐ起きる」
去っていくサイカの気配を感じながら、ゆっくりと起き上がり、もう一度言葉を反芻した
『君に会いたかった』
何故だろうか?
彼を常に殺そうとしてたのに
どうして?
答えは見えない
見えないけども
迷ってる暇はない
早く
早く
ハヤク
そう急かす音が、身体の内側から響くから…
「おはよう‥」
食卓に着けば、そこにはサイカの姿しかなくて
「…ケイヤ達は?」
「今日は2人共任務なの」
「そう‥」
短い返事。
それだけでこの空間にある会話は終了してしまう。
「…アズサ、あの…私思うの‥」
「ん‥?」
箸を置いたサイカが躊躇いがちに口を開く
その瞬間だった
「サイカ!アズサ!早く逃げろっ!!」
若い男が突然部屋に入り込みそう叫んだ
何事かと聞く前に、男はそのまま崩れ落ちる
見ると首には飛針
「サイカっ!」
何が起こったかを認識するのを後にして、サイカを引き寄せる。
囲まれた気配はある
知らない気配だ
里の者じゃない
「…サイカ‥落ち場所まで行けるな?」
「えぇ‥」
小声で問えば確かな返事
サイカはもう戦える身体じゃない
そして
サイカを連れて戦わせてくれるほど相手も優しく無いという事くらいは伺えた
「行って!」
サイカが煙幕を投げるのと、クナイに圧をかけて四方に投げるのとほぼ同時
サイカが逃げた反対側に駆け出し、敵を分散する
家を出れば
里は
煙を上げて燃えていた
唖然として立ち尽くして、追い付かない頭の整理をしようとするが、追撃者の接近にやむなく中断する
背後から飛んで来たクナイを迎撃用のクナイで向かえ撃つ
気配で感じるのは5人
もっといるのだと思うが、まずは目の前の敵
奇襲が失敗した以上、来るなら全戦力で来るはず‥
いや、奇襲自体は成功しているのかもしれない
ケイヤやレンヤのいない今朝だからこそ、やってきた
昔から対抗勢力が里を襲うことがあった
ハヤテが死んで
里のこどもが減って
でも、レンヤとケイヤがいたから、里は無事だったのだろう
守らなければならない
今度こそ
故郷を焼かせてはならない
『敵から目を反らすな』
大丈夫
『仕留められなかったら死ぬと思え』
大丈夫
『アズサ』
大丈夫
『お前の…』
『守るべきものの為に戦え』
「…ハヤテ‥」
大丈夫
敵を間違えたりしない
守らなければならないものが私にはまだあるから
「こい!刺客は姿を見せた時点で三流だ!一流というものを教えてやるっ‥」
ハヤテ
ハヤテ
ハヤテ
こいつらを倒す力を
里を守る力を
私に貸して