†Dizziness†
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眩暈するほどの痛み
私はその中で
いつまでも回り続けてる…―
「アズサ」
呼ばれて振り返るとサイカの姿
そうだ
あれからココに帰って来たんだった、と意識を引き戻す
「…大丈夫…?」
縁側から中庭を見ていた私の隣に腰掛け、サイカはそう訪ねた
「大丈夫。今、頭の中整理してるところ……」
嘘
何も考えたくない
「…弟…いたんだ…」
「うん」
言いにくそうに頷いたサイカ
―双子星―
その名の元に産まれたハヤテとレンヤ
双子は吉凶の証とされ
本来ならば、先に産まれた子を殺して、後に産まれた子を残す慣わし
ツイネ婆が未来読みの力で、先に産まれたハヤテの運命を読んだ為
ハヤテは外の世界で生き
レンヤは外界との隔離という道を定められる事となった
進まなきゃいけない
ハヤテが時を止めた時に
そう誓った
「…サイカ、ごめん。今日は帰らない」
「え…?」
「ごめんね。やっぱりバカだから、考えてるだけじゃ何も解らない……私がここに何をしにきたのか…理解したら帰ってくる」
一瞬驚いたような顔をして、サイカは小さく頷いた
「いってらっしゃい」
風が吹いて
サイカの視界から消える
行き先は、レンヤのいたあの場所
答えなんてきっとどこにも落ちてはいない
それでもそれを見付けようとするのは
決して間違ってはいないハズだから…―
「‥レンヤ!いるんだろっ?」
叫ぶものの、身体が震える
「‥早かったな。アズサ。もう少しかかるかと思ったぜ」
「あまり‥時間を無駄には出来ないからな」
「へぇ…‥近づいても?」
「どうぞ」
昼間のような警戒は無い
だけど
怖い
「‥目…合わせろよ」
呆れたような
傷ついたような
そんな声色
「アズサ」
無意識に外していた姿を捉らえれば
あの人に似たレンヤの姿
「…答を‥探しに来た」
「答?」
レンヤか訝しげに眉をひそめる
「そう‥答…」
「殺したいほど憎い奴がいる‥いや、私はそいつを殺したかった」
「殺した『かった?』」
過去形にしたのは自分自身でも掴めなかったから
「…‥殺せないんだ…」
レンヤの目が薄く細められる
「私は‥その男を殺す為に…‥…ハヤテを‥」
この場所で
「っ…ハヤテを殺したのにっ!!」
今でも覚えてる
薄れていく体温と
渇いていく血の感覚
「レンヤっ…教えてくれ!!人の殺し方をっ…私はもうっ‥殺せないっ…」
「アズサ」
ふ、と顔を上げると、冷めた瞳とぶつかる
「それが、お前の答だろ」
レンヤが何故か痛々しく見える
「ハヤテが命をかけて、遺したものを、お前はもう理解している」
違う
「違う」
「なら何だっ!?」
「っ…」
声を張り上げたレンヤは
酷く真剣で
初めてあった時に引きを見せたあのレンヤはいない
「憎しみも、悲しみも、いつまでも続きはしない」
「ゃめて‥」
「それが無意味だと知る時が来るからだ」
「やめてっ‥」
「いつまでも続けられるのは、前に進もうとしないからだ」
「お願い!!やめてっ!!」
叫んでみた所でどうにかなる訳じゃない
解ってる