†Deadly sin†
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「ケイヤっ……ケイヤ私はっ…!!」
顔を上げてケイヤ見ると
ケイヤの顔は酷く悲しげに歪んでいた
「………ケイヤ…・・?」
「兄者の気持ちは…まだ…」
何?
どういう意味?
「お邪魔だったかな?」
いつの間にか開かれていた扉
忍二人がその気配に気付けなかったなんておかしい
「一応ノックはしたんだがね」
困ったように笑ってこちらを見つめる
「ぁ……大佐・・お世話になりました。すぐにお暇させて…っ…!?」
咄嗟に言葉が出た
しかし
それを裏切るかのように
足が思うように動かない
自分の身体に動けと叱咤するものの
ケイヤに倒れ込む形となってしまう
「…大丈夫かね?」
心配なんてしないで
「…助けていただいた事は感謝します…でも、こんな事で恩を売ったと思わないで下さい…私は…必ず貴方を殺します…」
「…アズサ・・」
「ケイヤ、手を貸して」
有無言わさぬ勢いを言葉に込め、ケイヤに向ける
ケイヤは小さな溜息の後頷いた
「…世話になった・・必ずこの礼はする」
私を抱えてケイヤはこの場を離れた
ケイヤに
どうしても
聞いてもらわなければいけない事が
出来てしまっている…
ケイヤに言って連れてきてもらった公園
日が落ち
そこにはもう
誰の姿もない
ケイヤは黙って私を見ながら
こちらが言葉を発するのを待っている
少し目を細めたその表情は
彼と同じ
相手を探る時の顔
ケイヤと別れたのは
いつだっただろう…?
その時の記憶はあまりにもあい昧で
ハヤテを殺したという事実を受け入れきれないまま
私は里を後にしていた
否
抜け出したのだ
一言も告げず
悲しみを表に出さずに
こちらを心配して
『ヨクヤッタ』と言う彼等に
向ける顔がなくて
逃げ出したのを黙認してくれていたから
それに甘んじて…
「ケイヤ」
「………」
「……ごめんなさい」
一言目
「………どうしても・・駄目なの…」
「………」
二言目
「・・…………殺せない…」
「………」
三言目
「……笑ってよっ・・…里にいた時にもらった任務で何人殺したと思う?……数え切れないくらい殺した!」
「………」
「………師と仰いで…愛した人も……殺した……なのにっ…」
「………」
視線を落として見つめた自分の手が
紅に塗れているように見える
「ねぇ…ケイヤっ…駄目なの…」
「………」
何言目…?
「いざ刃を向けると、手元が狂うっ…憎いはずなのに…あの男が私の全てを奪ったハズなのにっ…」
「………」
覚えてない
「どうしてあの男は私を気遣うの!?どうして謝まるのっ!?」
「………」
判らない
「どうして私が生きてるのっ!?ねぇケイヤっ…私と会わなければハヤテは死なずに済んだ!!私がハヤテの問いに答えなければっ…………私が死んでいればっ……」
「………」
―パシンッ・・―
小気味の良い音が静まり返った公園に響く
「…………ケイヤ……助けて・・っ………全部・・思い出してしまったのっ…・・」
「………」
ケイヤが静かに抱きしめる
「……………あの人は・・優しくてっ…」
「………」
私を
「…………ハヤテはっ……知ってたから・・…」
「………」
救うように
「……………ケイヤっ…・・私…もぅ………」
「・・アズサ」
「………殺せないっ……!!!」