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フラフラと
ドコか浮ついたような気分で
ドコかを
歩いていた
否
意識は
その場所を
ハッキリと
認識している
ただ
感情が
虚ろなだけ
「おんやぁ…?ドコかで見たことある顔だなぁ…?」
突然耳朶に滑り込んだ下卑た声
聞き覚えのある
忌まわしい声
右手の傷がうずく
「………レイオットっ…!!」
言うや否や両手を合わせ
レイオットの懐へ掌諦と共に圧を打ち込んだ
盛大に奴の身体が吹き飛ぶ
いきなりの事に受身もとれず盛大に吹き飛ぶ
冷めた意識でそれを認識しながら
追撃をかけるべく地を蹴った
いつも手にする投擲用のクナイではなく
短刀ほどのサイズを持つ折畳式の迎撃用クナイを構え
吹き飛んだ奴の右手に差し込んだ
「……忘れたとは言わせないっ…」
「あぁ…覚えてるぜ。オジョウちゃん」
あいつと同じ様に不敵に笑って
それが忌々しくて
右手のクナイをねじ込んだ
「殺せよ」
レイオットは単純にそう告げた
「ざけんな!!何があったっ!?私の手にナイフを突き立ててっ…私を陵辱し、自分を殺しに来いと言ったお前はっ…」
クナイを引き抜いて投げ捨て
レイオットの胸座を掴んで叫んだ
納得いかない
納得できない
「……何が・・?考えれるか…?死者が俺を睨み付けるのを…その紅の瞳が疎ましげに俺を睨み付け…時が経った今も亡霊の影に追われる事の恐ろしさがっ!!」
今更
懺悔なんて
今更
知るなんて
「それがっ…貴様の犯した罪だっ…今更!!っ…今更そんなっ…!!」
「だから…」
辿るように言った
「殺してくれ…お前に殺されれば、俺は間違いなく…」
「違うっ!!」
感情的に
そう
叫んでいた
レイオットが驚いたように目を見開く
「貴様は楽になりたいだけだっ!!私に殺されて、その罪を償ったような気になって…」
あぁ…そうだ
「そして…貴様一人が楽になりたいだけだっ!!殺された同朋達から逃げたいだけだっ!!」
そうなんだ
「楽になんて…させてやらない…」
楽になんて
「絶対に…っ!!」
なれない
「苦しめっ…生きて!!嫌という程生きてっ…!!」
罪は
「そして忘れるなっ…」
償えない
「お前が…生に執着した頃に・・殺してやるっ…」
誰に
「失せろっ…腑抜けなお前にっ…用は無いっ!!失せろっ!!!!」
言ってるのか
「死にたいならっ…自分で勝手に死ね!!!!」
解ってる
逃げる必要も無いのに
何故だか身体が勝手に走り出して
咽の奥が辛くて
足が痛くて
そんな
頭の隅で
理解していた
あれは
もう一人の自分
死にたがっていた
どうしようもなく
愚かな
愚かな
私
償う事なんて
出来ない
人殺しに見合う
同等の代価は
どこにも
ありはしない
走った
ひたすら走り続けた
息が切れて
足が痛くて
咽の奥が痛くて
そして
すぐに足が動かなくなった
「あ…ゃ……ぃや…いやぁぁぁっ!!!!」
息をついて
見下ろした自分の手
幻影か
現実か
血が
紅の
血が
そこに
こべりついて
離れない