†Time of Drop†
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「ヒューズ…もう・・一年だな・・」
そう呟いて
私は苦笑した
「独りになってしまったよ・・」
アクア
君がいない
いつか慣れるだろうとは思っているが
どうにもなりそうな気配すらない
アクア
君を
忘れたフリをしてもいいだろうか
君を
愛さなかったフリをしてもいいだろうか
そうでもしないと
私は
この先
誰も愛せそうにないんだ
アクア
君はきっと
二つ返事で頷いてくれるだろう?
それとも
私の勝手な期待だろうか
「・・アクア…君のいない冬は…・・酷くむなしいな…」
誰にともなく呟いて
踵を返した
「大佐、失礼します」
書類と格闘していた私を現実に引き戻したのは部下の声
「書類不備かね?」
「いいえ」
即答され、私は彼女が何故神妙な面持ちで私に向かっているのかを考えた
どうも最近の私は品方向性んは上司をしていたようにしか思えない
「あの…先ほど大総統閣下からお電話がありまして…」
「珍しい…」
普通ならありえない現象だ
中尉が神妙な面持ちをしているのも頷ける
が
次の言葉に私は言葉を無くした
「その…ガーランド少尉の穴埋めに…セントラルから、本日13:30(ヒトサンマルマル)に大総統閣下直属だった方がいらっしゃるそうです…」
「平たく言えば左遷されてくる訳だな」
私はなるべく平静を装って言った
彼女の穴埋めなど今更だ
「で、左遷されてくる奴に関する書類は?」
聞くと彼女はまた困ったような顔をする
「どうした?」
「それが…本人に持たせた…と…」
「……」
大総統の考えがいまいち解らん
今更の穴埋め
大総統直属の部下
私が酷く変わったと査官が報告した時は大層心配されたが
だからといってその埋め合わせにしては時期がおかしい
まさか
監視・・というわけでもあるまい
「…大佐…あの・・非常に申し上げにくいのですが…」
「何かね中尉」
「主だった者で迎えに出るように・・とのご命令です」
何とも酔狂な人だ
相変わらず雲を掴むような気分にさせられる
とにかくここで議論していても仕方ない
その新入りを迎えにいかねばなるまい
「中尉、到着時刻まで5分をきっている。集合させてくれ」
私はコート片手に執務室を抜けた
アクア…
君がいなくなってからというもの
私の周りはままならない事ばかりだ…
全員…と言っても
ハボック少尉
ファルマン准尉
ブレダ少尉
フュリー曹長
ホークアイ中尉
の5人を連れて東方司令部の階段に辿り着いた時
すでにそれらしき自分物は立っていた
鍔の大きな帽子を目深に被り
茶封筒を脇に抱え
肩の出た黒いトレーナーを着た女
たぶんアレだろう
「あの人ですかね?」
フュリーが確認するように言った
ふとその女がこちらに気付く
そして私を指差し
「お、大佐ご指名っスよ」
まぬけたハボックのセリフを辿るように、
親指で首を切るまねをすると
その指を下に向けた
『お前を殺す』
その宣言に私達は唖然とする
「大佐!!お下がり下さいっ!!」
いち早く現実に引き戻ったホークアイ中尉が腰から銃を引きぬいた
階段を駆け上がってくる女を狙い打つ
「遅い!!」
秒速で空気を断った銃弾に手をかざすと
その銃弾は標的にあたる前に砕けた
「なっ!?」
驚愕するホークアイ中尉の肩を軸にして飛び越え、女は私の前に着地した
女の口元が一瞬笑みを象ったかと思うと
次の瞬間には足を払われていた