†Cry for…†
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昼前
私は独りで駅に向かっていた
ロイには一本違う便で出ると言っておいた
どんな風に死ぬのか解らないから
昔言われた『オーバーロード』という物が何か解ら無いから
彼を巻き込んでしまうのだけはごめんだった
「やはり早めに来ておいて正解だったな」
「…なん・・で…」
駅についた私は言葉を忘れた
見覚えのある顔ぶれ
彼の声
「水臭せーぞ」
「見送りくらいさせてくださいよ」
「みんな…仕事は…?」
「昼休み返上」
ハボック少尉が応えた
やだ…
また
泣いてしまう
「あ、大佐が泣かした」
「私のせいかね…鋼の・・」
呆れながら
彼は私を抱きしめた
「っ・・ロイ…!?」
「アクア。君はどこまで私を置いて行く気だ?」
強く抱きしめられる
「だって…」
この温もりが
「だって?…何だね・・?」
手放せなくなって
「・・だって…」
笑えなくなるじゃない
「…せめて最期の瞬間まで・・私を独りにしないでくれ・・」
だって
「ロイ…ごめんなさい・・」
今
「一緒に…来て・・?」
泣いているもの…
「コホン」
話がまとまったと見たのか
ファルマン准尉が小さな咳払いをした
「大佐、11:04(イチイチマルヨン)発の列車が到着しております」
列車から降りてきた人達が溢れるホームで
私は
鮮明に映る軍服の人達を目に焼き付けようとした
フュリー曹長
ブレダ少尉
ファルマン准尉
ハボック少尉
エドワード
アルフォンス
「…中尉は・・?」
「中尉は『全員が司令部を抜けるわけにはいきません』って言って…」
エドが教えてくれた
「ホラ!代わりにブラックハヤテが…」
アルの鎧を開けるとそこにブラックハヤテ号の姿があった
「ひぃ!!!!?」
遠いというのにブレダ少尉が悲鳴を上げている
笑って
悲しくて
でも
笑った
突然の別れも辛かったけど
宣言された別れも辛い…
「またな、アクア」
エドが照れくさそうに言った
みんな
『また』なんて無いのを知ってる
それでも私は…
「…また・・ね」
笑って返した
こういうのを泣き笑いと言うのかもしれない
この人達との別れは
せめて
笑ってしたい
全員の敬礼に敬礼で返して
私は列車に乗り込んだ