†Possessiveness†
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「っ…速い!」
突き出される手を避けて敗走する自分を情けなく思いながら、そんな言葉が口から漏れる
―このまま死んでしまうのも悪くは無い―
そんな考えが一瞬脳裏をよぎる
バシュ!
「ちぃっ…」
避けたスカーの一撃が壁に向かい、砕けた破片が右肩の肉を抉った
何度か道を変えながら人気の無い路地へ入る
やるしかない
「鬼ごっこはおしまいだ…国家錬金術師」
たまたま曲がった場所は袋小路
コレ以上は逃げ回る事ができないと踏んだのか、スカーがゆっくりと距離を詰める
「神に祈るがいい」
祈る神なんて端から持ち合わせちゃいない
「放っておいても勝手に死ぬのに…」
「何だと?」
スカーが聞き返す
「どうして皆放っておいてくれないのだろうね!!」
体から冷気が溢れた
感情の高揚
今なら使えると思った
解ってる
私は今
非常に機嫌が悪い
幸いと今は雨が降っている
条件はこちらが有利
それでも
勝てる気がしない
冷気は直に地面を伝い、水溜りとなった場所を氷の刃へと変え、スカーに牙をむいた
地面に練成陣を描き
水に濡れたスカーの足元を氷で固める
しかし
どれもすぐに壊されてしまい、足止めにもならない
その体躯に見合わない素早さで距離を空けることができなくなって
直接対峙する事になる
―掴まれさえしなければ―
そう思いつつも、男相手にいつまで持つか
今思えば負傷した右肩がつらい
自らが放つ冷気のせいで痛みこそないが、動かす事ができなくなっている。
チャンスは一回
自分ごとスカーを凍らせる
この雨と冷気
そして血
すべての水という水を使って
ここを氷晶の世界に変える
「どうせ死ぬなら、ムダ死にはごめんだ…」
私は
ありったけの力を込めて
最初に描いておいた練成陣に
―触れた―