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一どこへ行こう…
私はいつも‥
行き場所を探している…
一呼吸置いて、執務室の扉をノックする。
「アクア・ガーラント、入ります」
部屋の主は答えないが、それは入室を許可されている事と同じだった。
部屋の扉を開け、一度だけ敬礼する。
「少し待っていてくれ…もう少しで終わる」
彼…ロイ・マスタング大佐は私の方を見ず、そっけなく言った。
言われたとおり、扉から少しズレた所で大人しく直立して待つ。
見ると傍らにはホークアイ中尉の姿が無かった。
いつもならその傍らに控えているはずなのだが‥。
「待たせたな、ガーラント少尉」
「いえ、御用は何でしょう大佐」
やっとのことで顔を上げた彼は、机の上の書類をのけながら、何かを探し始める。
「あぁ…大した事じゃ無い。資料室に行って探して来てほしい物がある」
彼はそう言って一枚の紙切れを差し出した。そこには殴り書きされた資料のタイトルがいくつかあった。
「解りました。御用件は以上でしょうか?」
「………」
聞いてみるものの大佐から返事は返ってこない。まだ何かあるのだろうか?
「大佐…?他に御用が無いのでしたら失礼させていただきますが‥」
「アクア」
突然、名を呼ばれて息が詰まる
「‥何でしょう?大佐」
今、表情は引き攣っていないだろうかと頭の隅で考えていた。
「今晩、空いているか?」
冷めた瞳がこちらを見つめる。
「…っ、申し訳ありません。明日までの書類をまだ終えていませんので…」
「…そうか。下がっていい」
「失礼します…」
敬礼をして踵を返す。
あの人は
あの人は
一卑怯だ一
公私混同するなと言ったのは自分なのに。
自分に目的がある時だけ名前を呼ぶ‥。
卑怯だ。
私を…その一言で縛りつける‥
そもそも、私が大佐と共に過ごしたのは、いざという時彼の焔が私の氷を溶かすから。
感情が昂揚すると、私は錬成陣無しに氷を放つ。
努めて平静であろうとする私を彼はどうして揺さぶろうとするのだろうか。
早くなる鼓動を抑え、資料室の扉を開けようとした時…。
私はいつも‥
行き場所を探している…
一呼吸置いて、執務室の扉をノックする。
「アクア・ガーラント、入ります」
部屋の主は答えないが、それは入室を許可されている事と同じだった。
部屋の扉を開け、一度だけ敬礼する。
「少し待っていてくれ…もう少しで終わる」
彼…ロイ・マスタング大佐は私の方を見ず、そっけなく言った。
言われたとおり、扉から少しズレた所で大人しく直立して待つ。
見ると傍らにはホークアイ中尉の姿が無かった。
いつもならその傍らに控えているはずなのだが‥。
「待たせたな、ガーラント少尉」
「いえ、御用は何でしょう大佐」
やっとのことで顔を上げた彼は、机の上の書類をのけながら、何かを探し始める。
「あぁ…大した事じゃ無い。資料室に行って探して来てほしい物がある」
彼はそう言って一枚の紙切れを差し出した。そこには殴り書きされた資料のタイトルがいくつかあった。
「解りました。御用件は以上でしょうか?」
「………」
聞いてみるものの大佐から返事は返ってこない。まだ何かあるのだろうか?
「大佐…?他に御用が無いのでしたら失礼させていただきますが‥」
「アクア」
突然、名を呼ばれて息が詰まる
「‥何でしょう?大佐」
今、表情は引き攣っていないだろうかと頭の隅で考えていた。
「今晩、空いているか?」
冷めた瞳がこちらを見つめる。
「…っ、申し訳ありません。明日までの書類をまだ終えていませんので…」
「…そうか。下がっていい」
「失礼します…」
敬礼をして踵を返す。
あの人は
あの人は
一卑怯だ一
公私混同するなと言ったのは自分なのに。
自分に目的がある時だけ名前を呼ぶ‥。
卑怯だ。
私を…その一言で縛りつける‥
そもそも、私が大佐と共に過ごしたのは、いざという時彼の焔が私の氷を溶かすから。
感情が昂揚すると、私は錬成陣無しに氷を放つ。
努めて平静であろうとする私を彼はどうして揺さぶろうとするのだろうか。
早くなる鼓動を抑え、資料室の扉を開けようとした時…。