○○の秋
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◆執間和虎
私は現在、生徒会室に居る。
座ったソファの前の机には、手付かずの問題集。
「はぁ~。すっかり秋ですね~」
鼻と口の間にシャーペンを挟み頬杖をつく。
「たそがれてないで集中しろ」
「集中しても分からないものは分かりません」
そう。私は会長に化学を教わりに来ていた。
しかし会長は忙しく、それどころでは無いらしい。
「執間先生もなんで今日に限って大量に宿題を…」
全く進まない宿題に半分泣きそうな声で呟く。
瞬間、生徒会室の扉が開いた。
見ると、噂をすればなんとやら、そこには執間先生が立っていた。
「一条、熱心に勉強か」
にこりと笑う先生。
その言葉に私は「誰かさんが大量に宿題を出したからです」と言うと、「俺は5ページしか出してないから違うな」と返された。
「苦手な人間にとっては地獄のような量です先生」
聞こえていたのかいないのか、執間先生は向かいのソファに座ると、問題集を見ながら言った。
「はい、シャーペン持って。四之森も忙しいみたいだし、俺が直々に教えてあげる」
「先生…!むしろ答えを」
「それはダメ。やり方を一から教えるだけだよ?」
チクショー…と思いつつも、内心とても嬉しかったりする。
近くで感じる煙草の香り。
それが脳を麻痺させるような感覚になる。
集中出来ない。
「そしてココは…一条?聞いてる?」
先生が私の顔を覗き込んで言った。
私は驚いて背中を仰け反らせ、距離を遠ざける。
「あ!はい、全然聞いてます!」
「ふふ、もう一度説明しようか」
「う、お願いします…」
私は思わず俯きながら答えた。
1時間後。
「終わったー!」
私はシャーペンを置き伸びをした。
「お疲れ様」
先生は私の頭をくしゃりと撫でて言った。
「ご褒美は何が良いかな…?」
妖艶な表情で片目を閉じる。
その様子を見ていた会長は、資料を片手に先生に向かって言った。
「生徒を誑かすのも大概にしてくださいよ、先生?」
「誑かすなんて…ふふ」
先生は白衣のポケットから煙草の箱を取り出した。
「教えるのも疲れるんだ。後でまた顔を出すよ」
そう言うと執間先生は立ち上がり、扉の向こうに消えてしまった。
執間和虎は意味深な秋。
→あとがき
私は現在、生徒会室に居る。
座ったソファの前の机には、手付かずの問題集。
「はぁ~。すっかり秋ですね~」
鼻と口の間にシャーペンを挟み頬杖をつく。
「たそがれてないで集中しろ」
「集中しても分からないものは分かりません」
そう。私は会長に化学を教わりに来ていた。
しかし会長は忙しく、それどころでは無いらしい。
「執間先生もなんで今日に限って大量に宿題を…」
全く進まない宿題に半分泣きそうな声で呟く。
瞬間、生徒会室の扉が開いた。
見ると、噂をすればなんとやら、そこには執間先生が立っていた。
「一条、熱心に勉強か」
にこりと笑う先生。
その言葉に私は「誰かさんが大量に宿題を出したからです」と言うと、「俺は5ページしか出してないから違うな」と返された。
「苦手な人間にとっては地獄のような量です先生」
聞こえていたのかいないのか、執間先生は向かいのソファに座ると、問題集を見ながら言った。
「はい、シャーペン持って。四之森も忙しいみたいだし、俺が直々に教えてあげる」
「先生…!むしろ答えを」
「それはダメ。やり方を一から教えるだけだよ?」
チクショー…と思いつつも、内心とても嬉しかったりする。
近くで感じる煙草の香り。
それが脳を麻痺させるような感覚になる。
集中出来ない。
「そしてココは…一条?聞いてる?」
先生が私の顔を覗き込んで言った。
私は驚いて背中を仰け反らせ、距離を遠ざける。
「あ!はい、全然聞いてます!」
「ふふ、もう一度説明しようか」
「う、お願いします…」
私は思わず俯きながら答えた。
1時間後。
「終わったー!」
私はシャーペンを置き伸びをした。
「お疲れ様」
先生は私の頭をくしゃりと撫でて言った。
「ご褒美は何が良いかな…?」
妖艶な表情で片目を閉じる。
その様子を見ていた会長は、資料を片手に先生に向かって言った。
「生徒を誑かすのも大概にしてくださいよ、先生?」
「誑かすなんて…ふふ」
先生は白衣のポケットから煙草の箱を取り出した。
「教えるのも疲れるんだ。後でまた顔を出すよ」
そう言うと執間先生は立ち上がり、扉の向こうに消えてしまった。
執間和虎は意味深な秋。
→あとがき