○○の秋
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◆宍戸陸
「暇だな~」
私は1人教室を出て、寮へ帰ろうとしていた。
彰くんは部活、修次くんは華道で2人共忙しそうにしている。
これから何をしようかと考えながら廊下を歩いていると、聞き覚えのある少女のような声が私の名前を呼んだ。
「あ、一条だ」
振り返ると、宍戸先輩が居た。
「宍戸先輩、こんにちは。何か用ですか?」
すると宍戸先輩は、ふふっと笑うと
「君、今暇でしょ?僕と生徒会室に遊びに行かない?」
可愛らしい顔で言った。
「いや、会長達も忙しいですし、邪魔になるんじゃ…」
「女王と姫だもん、大丈夫だよっ」
語尾に星マークが付きそうな明るい声で言うと、私の腕を引っ張って行く。
「じゃ、レッツゴー!」
「珍しいな、何しに来た陸」
「暇だから遊びに来ただけだよ。ね、一条」
「こっちは暇じゃねーんだよ」
会長と宍戸先輩のやり取りに、私は苦笑して見ている事しか出来なかった。
「ま、良いや。お邪魔しまーす」
「失礼します…」
宍戸先輩に続いて生徒会室へ入り、ソファに座る。
すると、宍戸先輩は近くで書類を整理している藤吾先輩に話し掛けた。
「ねえ悟史、お茶ちょうだい?」
「忙しいねん、欲しいんやったら自分で淹れてや」
書類を眺めながらピシャリ。
「えーお願い」
首を傾げてにこりと笑う。
しかし藤吾先輩には効かない。
「あ、私が淹れましょうか?」
「意外と気が利くね。じゃお願い~」
私は簡易キッチンに立ち、カップなどを出す。
紅茶の準備をしていると、
「一条って好きな人居ないの?」
唐突に宍戸先輩が質問してきた。
それに反応したのは会長だった。
「はっ。王子候補はこの俺様以外ありえない。だろう?一条」
「いや、王子候補とか好きな人とか、まだどっちもいませんけど…」
私はカップに紅茶を注いだ。
「なーんだ、ツマンナイ!でもま、好きな人出来たら僕に相談してね」
先輩たちに紅茶を配り、自分の分を手にソファに座る。
宍戸先輩の大きな瞳を見つめていると、先輩はにこっと笑って続けた。
「君まあまあ可愛いし、僕の教えた通りにしたら相手もイチコロだよっ」
ぱちりとウインク。
その顔が可愛くて、羨ましくて、私はそんな気持ちを誤魔化すように紅茶を啜った。
宍戸陸は小悪魔な秋。
→執間和虎
「暇だな~」
私は1人教室を出て、寮へ帰ろうとしていた。
彰くんは部活、修次くんは華道で2人共忙しそうにしている。
これから何をしようかと考えながら廊下を歩いていると、聞き覚えのある少女のような声が私の名前を呼んだ。
「あ、一条だ」
振り返ると、宍戸先輩が居た。
「宍戸先輩、こんにちは。何か用ですか?」
すると宍戸先輩は、ふふっと笑うと
「君、今暇でしょ?僕と生徒会室に遊びに行かない?」
可愛らしい顔で言った。
「いや、会長達も忙しいですし、邪魔になるんじゃ…」
「女王と姫だもん、大丈夫だよっ」
語尾に星マークが付きそうな明るい声で言うと、私の腕を引っ張って行く。
「じゃ、レッツゴー!」
「珍しいな、何しに来た陸」
「暇だから遊びに来ただけだよ。ね、一条」
「こっちは暇じゃねーんだよ」
会長と宍戸先輩のやり取りに、私は苦笑して見ている事しか出来なかった。
「ま、良いや。お邪魔しまーす」
「失礼します…」
宍戸先輩に続いて生徒会室へ入り、ソファに座る。
すると、宍戸先輩は近くで書類を整理している藤吾先輩に話し掛けた。
「ねえ悟史、お茶ちょうだい?」
「忙しいねん、欲しいんやったら自分で淹れてや」
書類を眺めながらピシャリ。
「えーお願い」
首を傾げてにこりと笑う。
しかし藤吾先輩には効かない。
「あ、私が淹れましょうか?」
「意外と気が利くね。じゃお願い~」
私は簡易キッチンに立ち、カップなどを出す。
紅茶の準備をしていると、
「一条って好きな人居ないの?」
唐突に宍戸先輩が質問してきた。
それに反応したのは会長だった。
「はっ。王子候補はこの俺様以外ありえない。だろう?一条」
「いや、王子候補とか好きな人とか、まだどっちもいませんけど…」
私はカップに紅茶を注いだ。
「なーんだ、ツマンナイ!でもま、好きな人出来たら僕に相談してね」
先輩たちに紅茶を配り、自分の分を手にソファに座る。
宍戸先輩の大きな瞳を見つめていると、先輩はにこっと笑って続けた。
「君まあまあ可愛いし、僕の教えた通りにしたら相手もイチコロだよっ」
ぱちりとウインク。
その顔が可愛くて、羨ましくて、私はそんな気持ちを誤魔化すように紅茶を啜った。
宍戸陸は小悪魔な秋。
→執間和虎