さくらひとひら
Name change
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◆二階堂修次
「一条唯…だよね?」
名前を呼ばれ声がした方を向くと、和という言葉が似合ういかにも優等生という感じの男の子が立っていた。
「そうですけど。どうして私の名前…」
「良かった…やっと会えた」
その男の子は私の質問には答えず、にっこりと笑顔を見せた。
不思議に思っていると、彼は表情を曇らせて私を見る。
「あれ…唯、俺の事、覚えてない?」
「え?」
随分昔の事だもんな、と苦笑する彼に申し訳なくて、私は必死に記憶を巻き戻す。
小さい頃、近所に住む同い年くらいの男の子とよく遊んでいた気がする。
転勤族であまり長い時間居た訳ではないが、いつも花をくれるのが印象的な男の子。
名前は……
「修次くん!」
思い出した名前を叫ぶと、彼は嬉しそうに笑う。
「掲示板で名前を見た時は驚いたよ。女子生徒も今年は1人みたいだから、すぐに分かった」
「え、私しか居ないの?」
幼馴染みとの再会を喜んだのも束の間、彼は衝撃の事実を告げた。
これだったら、素直に桃里女学院を受けた方が良かったかも知れない。
「大丈夫。唯の事は、俺が守るから」
見ていると安心するような、心地よい笑顔を見せる修次くん。
「ありがとう、頼りにするね」
いつの間にか、掲示板の前には人も少なくなっていた。
自分のクラスを確認すると、私は修次くんと共に教室へ向かう。
「せっかく知ってる人と会えたのにクラス違うなんて…」
「ふふ、ちょっと残念だったね」
「あー、友達出来るかなぁ」
「唯ならすぐ出来ると思うよ」
「えぇ、どうして?」
「…明るいし、可愛いから」
さらりと恥ずかしい事を言ってのける修次くん。
お世辞だと分かってはいるが、言われ慣れていない為思わず照れてしまう。
「そ、れは絶対無いでしょ!変な事言わないでよ~」
あはは、と流してみるも正直自分の中では流しきれていない。
修次くんは修次くんで、真顔で本当の事なのに…と呟いていた。
なんとなく恥ずかしくなって無言になると、それはそれで空気に堪えきれそうになかった。
早く教室に着け…!と思ったその時、行く道を塞いだのは無駄に派手な男と気怠げな表情の男。
「貴様、一条唯だな」
「はい…?」
貴様という呼び方に不満を覚えつつも返事をすると、派手な男はパチンと指を鳴らした。
すると、何処から現れたのか屈強な男達が私をさっと担ぐ。
「悪いが一旦こいつを預かるぞ」
「唯ッ…!?」
「修次くん!」
ドドドドド…と勢いよく運ばれ、私は更なる不安に頭を悩ませられたのだった。
→大参彰へ
→共通エピローグへ
「一条唯…だよね?」
名前を呼ばれ声がした方を向くと、和という言葉が似合ういかにも優等生という感じの男の子が立っていた。
「そうですけど。どうして私の名前…」
「良かった…やっと会えた」
その男の子は私の質問には答えず、にっこりと笑顔を見せた。
不思議に思っていると、彼は表情を曇らせて私を見る。
「あれ…唯、俺の事、覚えてない?」
「え?」
随分昔の事だもんな、と苦笑する彼に申し訳なくて、私は必死に記憶を巻き戻す。
小さい頃、近所に住む同い年くらいの男の子とよく遊んでいた気がする。
転勤族であまり長い時間居た訳ではないが、いつも花をくれるのが印象的な男の子。
名前は……
「修次くん!」
思い出した名前を叫ぶと、彼は嬉しそうに笑う。
「掲示板で名前を見た時は驚いたよ。女子生徒も今年は1人みたいだから、すぐに分かった」
「え、私しか居ないの?」
幼馴染みとの再会を喜んだのも束の間、彼は衝撃の事実を告げた。
これだったら、素直に桃里女学院を受けた方が良かったかも知れない。
「大丈夫。唯の事は、俺が守るから」
見ていると安心するような、心地よい笑顔を見せる修次くん。
「ありがとう、頼りにするね」
いつの間にか、掲示板の前には人も少なくなっていた。
自分のクラスを確認すると、私は修次くんと共に教室へ向かう。
「せっかく知ってる人と会えたのにクラス違うなんて…」
「ふふ、ちょっと残念だったね」
「あー、友達出来るかなぁ」
「唯ならすぐ出来ると思うよ」
「えぇ、どうして?」
「…明るいし、可愛いから」
さらりと恥ずかしい事を言ってのける修次くん。
お世辞だと分かってはいるが、言われ慣れていない為思わず照れてしまう。
「そ、れは絶対無いでしょ!変な事言わないでよ~」
あはは、と流してみるも正直自分の中では流しきれていない。
修次くんは修次くんで、真顔で本当の事なのに…と呟いていた。
なんとなく恥ずかしくなって無言になると、それはそれで空気に堪えきれそうになかった。
早く教室に着け…!と思ったその時、行く道を塞いだのは無駄に派手な男と気怠げな表情の男。
「貴様、一条唯だな」
「はい…?」
貴様という呼び方に不満を覚えつつも返事をすると、派手な男はパチンと指を鳴らした。
すると、何処から現れたのか屈強な男達が私をさっと担ぐ。
「悪いが一旦こいつを預かるぞ」
「唯ッ…!?」
「修次くん!」
ドドドドド…と勢いよく運ばれ、私は更なる不安に頭を悩ませられたのだった。
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